クララ

掌編(140字のファンタジー/朗読会用自由詩/エッセイetc)約500作を移植中 その…

クララ

掌編(140字のファンタジー/朗読会用自由詩/エッセイetc)約500作を移植中 そのうち長編も ガーデニング/お菓子作り/ドールハウス作り/ハーダンガー刺繍/グレン・グールド とにかく空想大好き 趣味のあれこれを物語に詰め込みたい主義 青は永遠のテーマ 米国在住

マガジン

  • 詩とか色々

    140字でも朗読会用でもないくくりの自由な詩。主に企画が中心になると思いますが、イベントならではの熱を感じていただければ!掌編も時には。

  • 過去と未来と花咲く荒野

    深く想い合う兄妹二人の時間を自由詩形態で紡ぐ1話ごとに完結のシリーズ 離れ離れになる日、互いのなすべきことを果たしたら、 また一緒に暮らそうと約束する。 幼い彼らの日々が詰まる亡き母の家。 どこまでも続く荒野に花咲く朝、雨降る午後、凍える雪の夜。 全ての季節、全ての時間をまた二人で。 Clara'm memo にも記載しましたが、二人の関係については明言しません。ただ、人が人を想う美しさを感じていただけたら幸いです。 すでに第51話までありますので、 そこまでは規則的に更新できると思いますが、 そのあとは思いついたその時々に 言葉遊びを楽しみながら、細く長く続けていきたいと思っています。

  • Clara's memo

    日記やそれにちょっとした詩や短歌を組み合わせたもの、お知らせやメモなど

  • 青の朗読会

    いつか朗読会を開こうと、少しずつ書きためてきたもの。初期は心の話が多いのですが、最近はTwitterでの企画から恋愛詩なども増えています。100字未満のものから2000字強まで、句読点もあったりなかったり。自由気ままに、音楽のように流れていく言葉の美しさを追いかけていけたら。

  • 140字の空想世界

    色々な140字の世界があると思いますが、自分らしくファンタジーの世界を詰め込みました。おやすみ前にのぞいたら素敵な夢がみれるような、そんなお話を中心に。時々、切なさや寂しさもあふれますが、それもこれもみんな優しさになっていくといいなあと願っています。

最近の記事

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【自己紹介】私と日本語

新しいアカウントでnoteに戻ってきて5ヶ月、連日投稿もちょうど150日目なので自己紹介など。 私は元々物作りが仕事です。けれど、作品の背景についての説明を書いたり、クライアントの話を聞いてそこに感じたものをわかりやすく例えたり(そこから作品へと変換させる)することも多く、言葉は常に近くて重要なものでした。 できるだけ正確に思い描いたことを伝える。そのためには言葉選びが大切になってきます。耳に心地よいだけの美しい言葉や、雰囲気重視の難解な言葉では役不足。シンプル、それこそ

    • 【詩】春の夢〜シロクマ文芸部〜

      春の夢はまったりとした午後に そのなだらかで艶かしい曲線を そっと指先でなぞれば 甘く芳しい吐息に翻弄される 永遠の春は瞬きの合間なんだよ 本当の意味を知って初めて 僕らは常春を手に入れる 指折り数えた夜が遠くなって 集めた星屑がみんな溶けてしまったら 柔らかな光の中で 春はこの扉を開けるから 夢に夢を重ねて 指先に熱を灯して 色づく吐息に震えて 醒めない夢を心の奥に めぐる季節の中で僕らは いつだっていつだって 揺らめく陽だまりに抱かれ 春の喜びに酔いしれる 春

      • 【物語:自由詩シリーズ】第15話 薔薇色の傘と雨だれ

        夏へ向かう雨は力を感じさせる。 全てを洗い流してしまってくれるかのような力。 薔薇色の傘を買ってあげようか。 思いがけない言葉に顔を上げれば 兄は窓の外をじっと見つめていた。 振り返る時間の中には 手放してしまいたいものだってたくさんある。 綺麗な横顔が痛みを堪えるかのように見えて たまらず私は憎まれ口を叩いた。 傘なんてきっとささないわ。 振り返った兄が静かな眼差しを投げかける。 いいさ、さす必要はない。 雨の中でお前が薔薇色を咲かせている。 それだけで十分だ、

        • 【写真日記】April showers bring May flowers

          日付をまたぐちょっと手前で、ようやく家に帰ってきました。今月は月頭に日食でアップステートへ行ったりと移動しまくりです。 *まだの方はぜひ読んでみてくださいね   2024北米皆既日食 さて、今回はボストン。前日入りしたからのんびりと思いきや、朝の渋滞を甘くみていて、30分のはずの移動に1時間! 駐車後、16分の競歩を余儀なくされるという……。そしてそこから16:30にボストンを出るまでの7時間半、移動して移動して移動してトータル10キロ歩きました。携帯のGoogle Fi

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        【自己紹介】私と日本語

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        • 詩とか色々
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        記事

          【詩】濡れた告白の行方

          ねえ、知っていますか? 振り返ったあなたが囁いた 朝露に濡れる落ち葉を踏みしだき そっと私を覗き込む ねえ、知っていますか? 多忙なあなたの中に流れるものを 夢見る私が理解できるわけがない ちょっぴり悲しくなって 静かに頭を振れば あなたが小さく息を吐き出した そうでしょうね そうだと思っていましたよ その言葉に 涙の膜が張りそうになった瞳を向ければ あなたが困ったように微笑んだ 言っておかなくてはいけませんね 私がどれほどあなたを求めているかを 私の世界にどれほ

          【詩】濡れた告白の行方

          【詩】炭酸刺繍・あなたの詩作品を読ませて:届かない恋文

          きみの嘘がぼくを縛る ぼくが嘘と呼んだものが そう呼ばずには いられなかったものが きみが優しすぎたから きみが美しすぎたから だから何もかもを嘘にした こんがらがったのは誰の心いつの時間 愛しているわも さよならも みんなみんな弾ける言葉 振り向けばもう そこにはなにもない それなのになぜ 甘く苦くぼくを苛むの? 消えてなくなるくせに 止まることを知ることもなく こんがらがったのは誰の心いつの時間 きみになら何だって 明け渡してよかったのに 小さな一つ一つまで

          【詩】炭酸刺繍・あなたの詩作品を読ませて:届かない恋文

          【140字/空想】星笑う街にようこそ

          黄昏の街角で帽子を買った。 通りすがりに勧められたのだ。 もう日も落ちたんだけど。 あれ、きみこの街は初めてかい? もうすぐ星が笑うからね、必要さ。 やがて星々がさざめき出して みながこぞって帽子を買い求めた。 ありとあらゆる帽子が揃った広場。 白銀の輝きの中で めくるめく夜の宴は始まりを告げる。

          【140字/空想】星笑う街にようこそ

          【54字の物語】花吹雪〜シロクマ文芸部〜

          久しぶりに書きました54字。 長い文章を書くことが多かった今日この頃、 短くて、でも余韻があるものを書きたいなあって 思っていたので、今回のお題はぴったりでした。 花吹雪。 日本の皆さんは圧倒的に桜だと思いますが、 私的にはサンザシ(Black Hawthorn)です。 イギリスの生垣に多い木(花)。 白いレースを飾ったみたいな雰囲気。 桜と同じバラ科で白〜ピンクの5枚の花弁、 雰囲気は似ています。秋には黒い実がなります。 5月の風の強い日に花が舞うと幻想的。 かつて読んだ

          【54字の物語】花吹雪〜シロクマ文芸部〜

          【短編】リンゴとあなたとアイスクリーム(後編)

          「あんた、真面目だね。それで疲れた?」 「え?」 「今にも死にそうな顔してた。なのにリンゴを見る目はものすごく優しくて……。真面目すぎて一生懸命すぎて、それで疲れたのかなあって」 「……」 「そんな時は逃げたらいいんだよ。あんたはあんたのために生きてるんだから」    青い目に、さあ食べろと言わんばかりに促され、私は一口スプーンに掬う。溶けかかったアイスクリームの甘さとエスプレッソの苦さが口の中で結びついて広がった。 「なにこれ、美味しい……」  その味わいに、思いがけ

          【短編】リンゴとあなたとアイスクリーム(後編)

          【短編】リンゴとあなたとアイスクリーム(前編)

           昨日までの怒涛の仕事量が嘘のように、簡単に取れてしまった有給。なんだか拍子抜けする。   待っている恋人も家族もいない身としては、残業も週末出勤も率先してやった。あれこれ押し付けられても黙って受け入れた。いいように使われていると思いつつも、それしかなかったからだ。でも……。 「結局、私一人いなくなったところで会社は回るってことか。自分が思うほど必要とされてるわけじゃないんだ……」  大きな組織の中の一つの部品でいることは、それなりに意味あることだろう。だけど、誰からも顧

          【短編】リンゴとあなたとアイスクリーム(前編)

          【お知らせ】今後の予定、短編あれこれ。まずは溶けそうなアイスクリームから

          夏前から中編を始められたらと考えているので、 前回の『菫咲く頃、午後の墓地にて』に続き、 季節の短編3つを更新したいと思います。 春から夏。林檎、真夜中の庭園、薔薇。 うちの林檎の木もどんどん新芽が膨らんできたので まずは「溶けそうなアイスクリーム」企画で 3年前の初夏に書いた林檎の木が出てくるものを。 あまりに素直な話(いい子な話)なので、 読み返すとなんだかむず痒いし、 ちょっとできすぎている(上手くいきすぎ) かなあとも思うんですが、 疲れた体と心にはこれくらいが心

          【お知らせ】今後の予定、短編あれこれ。まずは溶けそうなアイスクリームから

          【詩】幻の花はこの胸でほころぶ

          幻ってなんですか? 私は聞いた。 夢でもない、奇跡でもない、幻って。 あなたがかすかに微笑んだ。 美しくて儚くて けれど悲しみや落胆や そんなものばかりでできてるんだ。 欲しくて欲しくてたまらないのに こんなにもここでは鮮やかなのに なのにちっとも本当にはならないものだよ。 あなたがぎゅうと胸元をつかんだ。 白くなる指先に私は自分の手を重ね合わせる。 だったら大丈夫。 もうここにあるのなら。 だって最後は自分で作り上げるもの。 あなたが作るからこそ 夢は本当になるのでしょう。

          【詩】幻の花はこの胸でほころぶ

          【詩】炭酸刺繍企画:モノグラムが見る夢

          初めて彼と指を絡めて出かけたら 空を飛んでるみたいに心が華やいで 愛しさがフツフツと湧き起こり 無数の泡になって立ち昇った 嬉しくて追いかけて 夢中で抱きしめて 私はそのまん丸な輝きを 刺繍枠に閉じ込める 弾ける光を永遠に さんざめきに耳を傾ければ 頬くすぐる震えに胸も震えた それなのに きらめきは弾けて弾けて さらに弾けて消えてしまった うつむく私に彼が言った いくらだってあげるよ 唇を尖らせて私が言った いくらもらってもきっと消えてしまうわ そんな私に彼が笑った

          【詩】炭酸刺繍企画:モノグラムが見る夢

          【詩】祈りの雨〜青ブラ文学部〜

          遠い遠い昔から雨が嫌いだった 空を切り裂く稲光が 冷たい部屋を浮かび上がらせば 隅の影に丸まって震えて泣いた あなたが見つけてくれるまで こんな嵐の夜に きみを一人にすることが 心配で心配で どんな言い訳も慰めにはならない どんなに想ってくれても 残されたことに変わりはないから 雨の日に、もう発ったと告げられて 雨の日に、もう帰らないと告げられて 私はもっと 雨が嫌いになってしまうだろうか だけど だけど 雨が降るたびに あなたの微笑みが重なって 雨が降るたびに

          【詩】祈りの雨〜青ブラ文学部〜

          【140字/空想】無題

          言葉が溢れてどうしようもありません。 押し合い圧し合い道を譲りません。 けれどどれもが愛おしく 選び取ることはできないのです。 あなたはがそっと 湯気の立つカップを差し出した。 待ってみては? 在るべき場所を知るのは己のみ。 始まりの時を前にみな心震わせるもの。 新しい扉がきっと開かれるのですよ。

          【140字/空想】無題

          エッセイ|第31話 砂漠を行く幼き友の夢

          ギザの三大ピラミッド前は人気のアトラクション並みの長蛇の列。木陰など皆無の炎天下。人々が座るのは砂漠の中の石垣だったり岩だったり。それは遺跡なのか何なのか、ここではどっちでもいいことだろう。 ふと顔を上げれば、前方から歩いてくる小さな影。英語フランス語アラビア語を器用に操って、笑顔を振りまきながらやってくるのは年端もいかない少年だ。首にポストカードの綴りをぶら下げている。 よくある物売り。お粗末なそれは1ドルしかしない。だけど誰も買わない、見もしない。それでも彼は凹む様子

          エッセイ|第31話 砂漠を行く幼き友の夢