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【アレクサンダー・ブライロフスキー, 1896-1976🇺🇦ウクライナの芸術家シリーズ17】

ショパン弾きとして名高いピアニスト,アレクサンダー・ブライロフスキー(Alexander Brailowsky, 1896-1976)はロシア帝国キーフ(現ウクライナ)でユダヤ系の家庭に生まれる。

ピアニストだった父親にピアノを習い,8歳から数多くの巨匠を育てたレシェティツキの門下生だったVladimir Puchalskyにキーフ音楽院で師事。Vladimir Puchalskyは,やはりキーフ生まれのホロヴィッツ(1903-1989)の師匠にもあたる。ただしブライロフスキーは1911年にキーフ音楽院を卒業,ホロヴィッツがキーフ音楽院に入学したのはその翌年。音楽院ではちょうど入れ違いということになる。

その後,18歳からはウィーンでレシェティツキに,さらにチューリヒでブゾーニに師事。1924年にはパリでショパンの全作品160曲の演奏会を6回にわたって開催。こレは史上初の試みだったらしい。

超絶技巧タイプではないが,ショパン弾きとして定評があり,特にワルツやマズルカの評判は高い。ブライロフスキーによるショパンの演奏は,ペダルは控えめで,切れの良いリズムと明瞭かつ軽やかな音色で颯爽としたものが多い。ショパンの演奏でありがちなロマン的な哀愁ただようようスタイルとは異なり,爽快感すら感じる。

ブライロフスキーによると、ショパンの音楽を演奏するためのテクニックは、"流暢に、流れるように、繊細で、空気のように、そして多彩な色彩を表現できる "ものでなければならないとのこと。そう,ブライロフスキーの演奏には明るく煌びやかな光を感じる。そういえば2021年のショパンコンクールで入賞したガルシアさんは,ショパンの音楽には「いつも音楽の中に光がさしている」と話していた。

動画はショパンのワルツ。バルカローレの演奏なんぞも洒落ていて,こういう弾き方があるかと面白いので,気に入ったら是非検索してみてください。


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