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今後日本で必要なのは貧困対策:身寄りのない人をどうするか

Twitterでは「何がSDGsだ!」なんて声も多く聞こえますが、だいたいにおいてSDGsの問題が話される時、多くは「環境問題」しか話題にされないわけです。
SGDsで設定されている目標と言うのは多岐にわたり、教育や就労などをひっくるめて17のゴールが設定されているのです。
もちろん貧困対策なども入っており、それらもひっくるめてSDGsであると言うことです。
企業側がSDGsを語る時が環境面ばかりであるがためか、多くの人が環境問題=SDGsと思っている事でしょう。
尤も、環境問題に関してはSDGsなんて言葉が出てくる前から、企業向けにはISO14001で「環境に優しい取り組みをしろ」と規格化されていたものです。改めてSDGsで取り上げる内容でもないと思っています。

🕰日本は今後急速に経済が縮小していく

環境対策も個人単位で出来ることは勿論やった方が良いのは確かですが、この先の日本で重要になるのは「貧困対策」です。これは割と急務な気がしますね。
と言うのも、日本人の平均年齢は既に48歳、女性は2人に1人が50歳以上と言う時代に突入しました。

前回の記事で「もっと小さく生きたい」と書いている私ですが、日本と言う国が平均年齢の高い国になるにつれ、今後、身寄りのない人が増えます。
少子化と同時に非婚化も進んでいることで身寄りのない人が急激に増えるのです。
今はまだまだ「一応経済を回せる程度」には不可視化されてますが、恐らく2040年以降で急速に身寄りのない50代が増えて社会問題になります
そして2050年からはあちこちで孤独死や餓死をする60代が相次ぐでしょう。
2060年代には下手すると日本という国が「国家を維持するのも困難な状態」になります

📑身寄りがいないと就職も出来ない身元保証人システム

では「身寄りのない人が増えるとどうなるか」と言うと、次は企業の倒産も増加します。
特に今、多くの日本企業は正社員として就労するにあたり、身元保証人を必要とする会社が多いんですね。
恐らく過去のバイトテロの影響もあり、今や「アルバイトするのにすら身元保証人が要る」時代になりました。
で、問題は「身寄りがなくなった人は誰が身元保証してくれんの?」って話なんです。
もちろん、お金を払えば身元保証人になってくれるサービスは存在します。
だいたい安心して使えるサービスになると5万円以上必要ですね。
ただし、身元保証サービスを使えるのは貯蓄がある人です。なので貯蓄が無いと身元保証サービスは使えません。
就職時に身元保証できない人が2040年代から急速に増えるのですから当然倒産も相次ぎます。人手を確保できないからです。黒字倒産もレアではなくなるでしょう。

🏠2035年を境にホームレス数は再び増加する

そして恐らく10年後の日本に待つ深刻な現象はココです。
この頃になると、8050世代は9060になりますから、いよいよ「中高年ひきこもり」の両親世代が亡くなって行くわけです。
これらの9060世代となった人達は、当面は親の遺産だけで生活できますが、恐らく大半が餓死、もしくはホームレス化するでしょう。
それ以外の人間でも親が亡くなって行く会社人は多いでしょうから、いかんせん「今の会社を辞めたらアウト」になる人も多くなるわけです。

更に問題なのは、我々の世代以降、例えば「今の会社辞めたら身元保証人おるねんか?」って言うのは深刻で、もう「セカンドキャリアすら身元保証人がいなくて詰む」って言うことが起こるんです。
これに対し、具体的な答えを持っている政治家と言うのは恐らくいません。
日本は一度住所を失ったら人生を詰みます。

家を借りれないから仕事が出来ない⇨仕事がないから住処が無い⇨住処(住所)が無いから仕事に就けない⇨仕事が無いから家住めない、というスパイラルに陥ります。一度こうなったら自害するしかありません。
2035年以降、単身世帯はこの危険と常に隣り合わせであり、もはや一種の戦争状態と言っても過言ではありません。

小泉進次郎の言った「まずは自らが自らを助けるという「自助」が基本の国づくりをして、それでもダメだったら、民間と一緒になって「共助」というものを築いて、それでもまだ足りないところを「公助」で国がしっかり面倒を見るというものです」という発言、大変ネットでは叩かれることとなりました。
しかし、小泉進次郎の発言は何処も間違ってはいないのです。
まずは自助、それで出来ない部分は共助でカバーし、それでも無理なら公助の出番。これは国家としては当然のことで、寧ろ公助に至っては日本は世界的にも充実している部類ではあります。
度々男性邦人の不法滞在先となっているフィリピンでは、地域の皆で支え合ってやり切る文化が強いと言います。
一方、日本は核家族化が進み、今や恋愛や結婚も市場競争によって勝ち取るものとなりました。こうした環境からか、共助の概念と言うのは崩壊したため、自助でダメならいきなり公助に頼るような仕組みになってしまったのです。

2035年で今の70~80代の人間は亡くなって行くでしょうから、ここを皮切りに再就職困難者が続出し、ホームレスが増えていくであろうと考えられます。

📅たった7年しかないが重要な局面になる7年になる

SDGsは2030年までに達成しないといけないゴールが定められたものです。
言ってしまうと、あと7年しかありません。
しかしこの7年、準備を怠ると、2035年以降の日本は地獄になります。

環境問題ばかり耳にするSDGsですが、日本国内に目を向けると、貧困問題に関しては2030年までに解決しなければならない課題は山ほどあると思います。


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