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日本人はSDGsのためにコオロギを食べる必要はない🦗

人口は今のところ地球レベルで増加を辿ってきましたから、将来来得る食糧危機に備え、コオロギ食が盛んになってきています。
「コオロギ食に興味があるか」と質問されたら勿論「ある」に決まっているのですが、それはそれとして、今段階で「SDGsの為に日本人がコオロギを食べる必要があるか」と訊かれると、それはNОだと考えています。

勘違いして欲しくないのは「SDGsそのものは否定しない」と言うこと。
私自身は「SDGsそのものは絶対的に必要である」との視点ですし、現状維持のままでは2100年よりも前に日本と言う国は滅んでいます。
ただし、日本人はまだ「食料危機の為にコオロギを食べなければならない状態にはない」ということです。

💰現状のコオロギ食はほぼ珍味でしかない

さて、SDGsのためのコオロギ食とは言ったものの、それにしてはコオロギフードって値段高いですよね。
勿論「通常の商用ルートに乗ってるわけではない」ということが値段の高い主要因なのでしょうけども、現状のコオロギ食はほぼ「珍味」の領域です。

コオロギ醤油とか興味あって買おうと思ってたのですが、云千円もするので買ってません。もうただの珍味ではありません。高級珍味の領域です。
そもそも「コオロギ食をするためにコオロギを生産しないといけない」のです。この生産に使うコオロギがセイヨウコオロギ(そんな種類がいるのか知らんけど)、いわゆる外来生物だったりすると、それは逆に環境(生態系)を壊すリスク(脱走リスク)を伴ってしまいます。

🥐スーパーに行けば大量の食べ物が余っている

更に言うと、現状ですらスーパーでは閉店間際になると、大量の生鮮食品があまります。
この辺はお店によって「いくら値引きするか」や「何時から値引きするか」などが違いますが、だいたい生鮮食品の3~5%くらいは各店舗で余ってるんじゃないでしょうか。
そのため、今の状態ではそれらの「余ってる食材を買った方がフードロス削減に繋がって良い」と言う状態です。
特に食糧自給率が低い日本が「他国に甘えてコレ」なので、コオロギを生産しても「廃棄されるコオロギが発生するだけ」だったりして、それは本末転倒ではないかなと思います。

🐟ブラックバスやブルーギルを食べる方が良いのでは?

次に考慮が必要なのは、日本ではスポーツフィッシングの隆盛に伴って、大量のブラックバスやブルーギルが各地の生態系を乱すようになったということです。
「特定外来生物」と言って、ブラックバスやブルーギルを釣った場合、再放流は禁止されています。
じゃあどうするのかって言ったら、大半の釣り人は「ただ捨てるだけ」なのです。
琵琶湖に行くとブラックバスやブルーギルの廃棄ボックスがあります。
ここに捨てられたブラックバスやブルーギルは「ただ腐敗するだけ」の存在にさせられます。
じゃあ「ブラックバスやブルーギルは食べられないのか」と言うと、食べられます。
ブルーギルは北米ではPanFishと呼ばれていて、フライパンにスッポリ収まるからパンフィッシュと言う別名があるのです。
つまり「北米の調理方法ならブラックバスやブルーギルを美味しく食べることは可能」なわけですよ。
特に特定外来生物を食べると言うのは、既存の生態系を保全する意味でも役立ちます。繁殖力の旺盛さもあってコオロギがSDGs食に選ばれたのかと思いますが、しかしブラックバスの繁殖力も強力です。
芦ノ湖では1軒だけブラックバスの天ぷらを出してくれるお店があります。
「芦ノ湖定食」という名前で販売している天ぷらの中にブラックバスがいるのですが、淡白な白身魚で美味しいです。
こうした「食べられる特定外来生物がただ廃棄されてる日本」に於いて、わざわざコオロギを生産して食べる理由が見当たりません。

🦗コオロギ食自体は否定しないけれど・・・

関東に住んでた時に、西友で買った値引きのサラダ菜(30円)に、アブラムシがビッシリ付いてたことがありました。
もう洗ってもアブラムシが取れませんし(だから30円だったのかもしれない)、この際、アブラムシごと炒めて食べることと致しました。
まぁ炒めてしまうとアブラムシが見えなくなりますし、アブラムシの味なんて微塵も感じないくらいにわかりません。まぁたんぱく源としては優秀でしょうね、アブラムシ。

というわけで、別にコオロギ食自体は否定する気はないのですが、わざわざ他所から輸入してまで「コオロギで食糧危機に備える!」なんてしなくて良いと思います。
それに2050年からは世界的にも人口は減少に転ずると言われており、食料危機は2030~2040年代の間が一番大変な時期となるでしょう。

ただし、食料危機に対して日本が備えることはコオロギを食べさせることではなく、農家をもっと保護した方が良いです。
そしてこれからの日本は地方ほど空き家問題が深刻化します。
京都府の移住促進プログラムと言うのは大半が亀岡市以北の案件で、特に福知山市近辺に空き家が多く存在しています。

一方、これから先の日本では「身元保証人がいない人」が相次ぐわけです。
政治主導の就農支援プログラムとして、こうした「空き家をタダで使わせる(住居の保証をする)」のと引き換えに、就農に協力してもらうと言った策は有効であると思います。

昆虫は蛋白質が豊富ですから、イザと言う時にコオロギが役に立つこともあるかも知れません。が、空き家が今後更に増え、放置される農地が増え、身元保証が出来ない人が増える日本に於いては、もっと貧困対策を兼ねた食糧対策が出来ると思います。
現状のコオロギ食は「高級珍味」の領域を出ていませんし、コオロギ食が本当にSDGsに貢献するかと言うと、だいぶ疑問だと言うのが率直です。

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