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英国は電気代が6倍に?!:コロナ後の日本が待つ未来の姿

戦争と言うのは不思議なもので、起きた結果に対する悲惨さと言うのはよく語られるのですが、どのようなプロセスで起きたのかということは殆ど語られないのです。
例えば今のウクライナ戦争って「ウクライナがロシアから侵攻された」という事象(結果)だけを見て「ロシアは最低だ」とか「プーチンは乱心した」とか、そんなノリで世論が作られている。
でも実際のところは戦争の種子は少なくとも2014年には蒔かれていて、この時から今回の戦争はデザインされていたのではないかと考えています。
ところで恥ずかしながら、英国は今回の戦争でボロ儲けすると思ってましたが、その予想は見事に外れました。

英国は電気代が6倍になったんだそうです。
当然市民の生活は立ち行かず、制裁によって痛い目を見たのは英国という事態となりました。
最近、主要なマスメディアは「プーチン失脚間近!」とか「ロシアを確実に追い詰めてるよ!」的な記事が多いのですが、個人的には全く信用しておりません。
そもそも、今の状況(戦時下)ではマスメディアが全く役に立たないんです。

どうしてそんな報道になるかと言うと、可能性として1つは本当に西側諸国が上手く行ってるケース。もう1つは焦りが生まれてるというケースです。
どっちの可能性も有り得ます。
もちろん日本の主要な報道に目を通していれば、楽観的に前者のケースで考えたくなるのが人間の情ってモンでしょう。
ただし、私が考えるケースは最悪のケースです。
今この状態の日本でもプーチンファンの日本人は一定数いるわけですが、彼らがアップした動画にはロシア軍がウクライナで食糧支援をやっている動画があります。
どういう理由でロシア軍がその動画をアップしたかはわかりかねますが、その動画から見えることが1つだけあります。
それはロシアに経済制裁が殆ど効いていない可能性があるということです。

🥬一次産業がシッカリしているロシアは強い

経済制裁を受けているロシアが仮にプロパガンダ目的のためとはいえ、なぜウクライナ市民に食料を供給できるのか。
なぜ制裁を加えている側の英国が強いダメージを受けているのか。
一つとして、ロシアは国の基盤である第一次産業がシッカリしていることが英露の差を大きく分けたのではないかと考えています。
私が尊敬するロシアの偉人にピョートル大帝がいますが、ピョートル大帝時代に小さくスタートした文化がダーチャというものです。途中の経過をすっ飛ばしますが、ダーチャは「みんな自給自足できるようになる」というのが現在の姿に落ち着きました。要は「イザと言う時はカネが無くても生きていける」状態があるんですね。
一方、英国や日本はサラリーマン国家です。特に時代が経つにつれて三次産業のウェイトが大きく占めるようになりました。一次産業がガタガタなわけです。これではいくら軍備を強化しても戦争には向きません
つまるところ、西側が報道する以上には、経済制裁が効いてない可能性が高いわけです。

💡ロシア経済制裁のつもりがセルフ経済制裁に

ロシアとウクライナが開戦することになった理由や、ロシアに経済制裁が効きにくい理由は、日経ビジネスの記事で詳しく説明されているので、一読をオススメします。

少なくともゼレンスキー大統領にもかなりの否はある戦であることは間違いなさそうです。マスコミでは触れられませんが、ウクライナにはアゾフ連隊というネオナチズムの右翼組織が戦場にいます。もちろん彼ら右翼組織もまた、戦争の原因を作った存在の1つです。
ところで本記事を書いている最中に福島沖地震が発生しました。
東電エリアの電力不足により、実家のある埼玉県も恐らく停電したんじゃないかなと思います。先月まで住んでた多摩市でも停電はあったようです。
これを受け、原発再稼働論が盛んになって来ています。取り合えず原発再稼働の是非はさておき、コロナ禍の影響で、市民の在宅時間が増えてしまっていることは確かです。
コロナ前はウォームシェアやクールシェアが盛んに薦められておりました。これが一転して「外に出るな、家に居ろ」になるわけです。当然、電力需要は逼迫します。
そういう意味では、ウクライナ戦争以前からエネルギー価格の高騰が起こる素地はあったわけです。それがウクライナ戦争によるロシア制裁で、更にエネルギー不足が加速することになりました。
関西電力は経済制裁後も引き続きロシアの天然ガスは輸入を続けることとしており、電力については安定供給を確保できるようです。
確かに関西電力圏は原発が動いてはいますが、エネルギーの貢献度で言うと
ガス火力発電所には敵いません。

関西電力の資料でもキチンと原発より火力発電所の方が効率が良いと認められています
中でも天然ガスによる発電効率は原子力発電所と比べて格段に効率が良い事がわかるでしょう。東海電力では60%超えの発電効率も実現したそうです。
そんな天然ガスは、日本が世界で1番輸入している国であり、ロシアは世界で4番目に輸出している国なわけです。

2019年の取引を見ると、ロシアへの依存度は少なくないことがわかります。
ついでに言うと原発で使うウランも輸入です。
更にガス発電と比べても原子力発電所の発電効率は良くないですし、原発の老朽化も進んでいる、原発関連のサプライヤーの倒産も進んでいるわ労働力(特に末端)の確保が難しくなってるわで、これも電気代を上げる要因となり得ます。
結局のところ、迂闊にロシアへ経済制裁しようものなら、一周周ってセルフ経済制裁にしかならないということも有り得るわけです。

そこで「正義は国民の生活より大事なのか」って話なんですよ。
というより、開戦の経緯を見てみると、ウクライナ政府にも大きな過失があるわけです。
巻き込まれた国民は被害者ですから、難民の受入などの人道的支援は良いんですが、ロシア制裁は一周周って国民の生活にダメージを与えるわけです。
コロナ禍で自粛ムードになった時、飲食店の廃業が相次ぎました。いえ、もっというと東日本大震災直後の自粛ムードでさえ、イベント会社とかが潰れちゃったりしてるでしょ?
コロナで今回は取り分け旅行業界や飲食関係業に大ダメージがあります。この上に「正義のためのロシア制裁!」なんてやると、英国のような未来になりかねないわけです。
そうなると失業者が増え、治安が悪化するということになりますが、果たしてそれでも正義は国民の生活より大事なのかって話ですね。
戦争になると報道が当てにならないというのは、日本人なら先人を通して学べたんじゃないかと思います。大本営発表って奴です。
こういう時の報道は多角的に見ることが必要で、それぞれの役者の立場に立ち、自ら情報を取りに行き、起きてる事実から背景を読み解く能力が必要なわけです。
そうした能力というのは、大学の文系を専攻した人や、普段からラノベ小説を読んでる人なら身に付いてるんじゃないかと思います。
残念ながら私は高卒・体育会系だし、小説の類は読めませんけども。

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