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こころの在り方重視の生き方へ       神谷恵美子『こころの旅』を読んで

藤井聡太が「結果は重視しない。自分でコントロールできないため。自分でコントロールできる過程を重視する」という主旨のことを言っていたのを聞いたことがある。
本書を読んで、それを思い出した。
長い人生の歩みにおいて第一に、人は何を成し遂げるかではなく、どう在るべきか、を意識した方がよいのではないか。

新入社員時代、「仕事ができるが性格が最悪な上司」か、「仕事はできないが性格が良い上司」のどちらが良いか、と同期と話した。
どちらが正しい、ということはないだろうし、仕事の性質や環境であるべき姿は変わるだろう。
だが、仕事ではなくそれを内包する人生を考えた場合、後者の方が、周囲への波及効果も含めたこころの豊かさという意味では在るべき姿ではないだろうか。

仕事の成果はこころの豊かさに直結しないが、穏やかな心情やそれを守ろうとする工夫はこころの豊かさに直結する。その工夫を続けることで、仕事の成果もついてくるのでないだろうか。
そもそも性格を矯正することは困難を極めるが仕事のできるできないは環境に因るところも大きいだろう。

例えば、
仕事で成果を出せばどんな態度をとってもいいのか?
明るみに出なければ浮気や不倫をしていいのか?
モラルの無いやり方で有名人や億万長者になりたいか?

人生そのものが結果ではなく過程である。
その上で何を信条に生きていくのか?

考えは尽きません。折に触れて読み返したい本でした。


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