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誰でも簡単にランディングページが作れる「Unbounce」をD2Cブランドが活用する理由

アメリカ企業がランディングページ(LP)を作る際、「Unbounce(アンバウンス)を利用するのが定番となっている。テンプレートが豊富にあり、ノーコードで誰でも簡単にLPを作ることができるため、さまざまな企業がキャンペーンやマーケティングに活用している。

さらに最近では、D2Cブランドの活用事例も増えている。

「Unbounce」とは

Unbounceはまだ「ランディングページ」という言葉自体が一般的ではなかった2009年からサービスを開始し、今やアメリカのLP作成ツールの定番となった。

Unbounce Official

その特徴は、コーディングやデザインの知識がなくてもドラッグ&ドロップで手軽にLPが作れること。
ブロックを追加して作成する形式のためレイアウトに制限がなく、デザインの自由度が高いのも特徴だ。位置も細かく調整することができ、LP作成ツールの中でも特に自由度の高いサービスと言える。

作成画面のイメージ。このページから実際にデモ画面を操作することもできる。/ Unbounce Official

さらにLP上に購入ボタンや登録ボタンを設置することもできるため、最近ではD2CブランドがUnbounceでLPを作る事例も増えている。

たとえば、下記はキッチンウェアブランド「Caraway(キャラウェイ)」がUnbounceで作成している実際のLPだ。

CarawayがUnbounceで作成したLPの例。

一見すると公式ページと遜色ないクオリティであり、ページ下部にもUnbounceで作成したことがわかるような文言も入っていないため、ブランドの世界観を壊すこともない。

ページ下部にも「Unbounce」の名前はなく、自社サイトのようなイメージを与えることができる。/ Caraway LP

※LPの全体を見たい方はこちらから。

さらに、Unbounceの最大の強みは、デザインやコードの作成なしで誰でも手軽にLPを作れる点にある。

ドラッグ&ドロップで完結するので、デザインの知識も開発の知識もない人でも、下記のようなLPを手軽に作ることができる。
※下記のLPは実際にノンデザイナーが作成したもの

Social Sparkling Wine LP

デザイナーやエンジニアを巻き込む必要がないため、キャンペーンページの作成時に、マーケティングやセールスのチームのみで完結できるのも、D2Cブランドがこぞって利用している理由のひとつといえるだろう。

もちろんデザイナーが入ればページのクオリティを上げることはできるが、素人でも一定以上のレベルでLPを作成できるところにUnbounceの強みがある。

その強みを支えているもののひとつが、テンプレートの豊富さだ。100種類以上のテンプレートが用意されており、目的や業種にあわせて選ぶことができる。たとえばEC向けのテンプレートであれば、新商品のお知らせやメルマガ会員向けの割引といったテンプレートが用意されている。

テンプレートの例。中央が新商品のお知らせ、右がメルマガ会員向けの割引のテンプレート。/ Unbounce Official

すでにあるテンプレートを使えば、写真や文言を変えるだけでLPを作ることができる。もちろんテンプレートをベースにしつつ、要素を変更したりサイズや位置を微調整したりすることも可能だ。

さらにUnbounceは、AIを使って文章の作成やコピーの設定を効率化させる「Smart Copy」機能も提供している。

最小限の要素を入れればブログやメールの文章が自動的に作成されるため、文章作成に割くリソースを削減できる。さらに写真のキャッチコピーなども自動で提案されるといった機能もある。

自社サイトよりも手軽に更新することができ、かつブランドのイメージにあわせて自由にデザインできるため、世界観を重視するブランドにも積極的に使われている。

ECでLPを活用するべき理由

D2Cブランドが積極的にLPを活用している背景には、SNSをはじめとする流入チャネルの増加がある。

SNSや広告、メルマガ、検索など顧客がサイトに訪れる理由はさまざまだ。しかしサイトトップにそのまま飛ばしてしまうと、お目当ての商品やページにたどり着くことができずに離脱されるリスクが高まる。一方でサイト上に新たにページを作成するにはコストがかかるため、簡易的なLPを使うブランドが増えている。

たとえば、Unbounceのオフィシャルページではindochinoの例を紹介している

出典:Unbounce Official

indochinoも他のブランドと同様に、集客ツールとしてFacebook広告を使っていたが、広告からの誘導先が自社ブログや製品ページしかなかったため、広告をきっかけに訪れた顧客に対して、関連性の高いコンテンツを表示できていないと感じていたという。

そこでindochinoは記事のようなLPをUnbounceで作成し、Facebook広告をクリックした顧客に「そもそもスーツのよさとはなにか」を伝える施策を行った。

出典:Unbounce Official

結果は、64,000人以上がLPに訪れ、CVRは17.40%となったという。つまり1万人近くが、ショールームの場所をチェックしたり、オフィシャルサイトに飛んだりと何かしらのアクションを起こしたということだ。しかもこの結果を得るために費やした時間は、記事を書きLPを作成するためのほんの数時間のみである。

このように、ECの場合は直接商品ページに飛ばすのではなく新商品の魅力を伝えるLPを挟んだ方がコンバージョンが増える傾向にあるという。商品ページはフォーマットが決まってしまっており、商品説明の文章のみで魅力を伝えるには限界があるからだ。

そこで多くのD2Cブランドは商品の魅力を訴求したりブランドメッセージを伝えるために、写真や動画を盛り込んだLPを作り、購入ボタンを設置してそのまま商品購入に進めるようにしている。

Unbounceは、LPを活用することでECのコンバージョン(※)は2倍になると主張している
(※購入、問い合わせ、フォーム入力などのアクションすべてを含む)

なお、UnbounceはどのプランでもLPの作成数に制限はなく、コンバージョン数と訪問者数によって料金が変わる。

Unbounceの料金表(※2022年9月時点)/ Unbounce Official

作成できるLP数に制限がないため、立ち上げ初期のブランドにとっても導入しやすいことから、規模の小さいブランドにも利用されている。

また商品情報やキャンペーンだけでではなく、SNSのプロフィールに掲載するリンクもUnbounceで作成したLPを設定するといった活用法も推奨されている。SNSごとに顧客の属性や好みも異なるため、オーディエンスにあわせてブランドを説明するLPをつくることで、より深くブランドを理解してもらうきっかけとなる。手軽に作成できるため、本サイトのAboutページよりも更新性高く運用することができる。

作成できるページ数に制限がないため、このようにさまざまな用途でLPを活用できるのも、Unbounceが利用されている理由といえるだろう。

(Photo: Unbounce official


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