空腹は最高の調味料。(11/25執筆)
給料日前や仕送り前でお金がない時、
必然的に削られるのは食費だ。
ただ、食いしん坊の私にはこれが何より辛い。
もう何日もまともな料理を食べていなかったが、今日は給料日。
やっと入ったお金で食べるお肉は、
涙が出そうなほどおいしかった。
「空腹は最高の調味料」
とはよく言ったものだ。
ただ、これが誰の格言かは意外と知られていない。
一説では、ドン・キホーテの作者、ミゲル・デ・セルバンテスの言葉とされている。
日本では同名の某「激安の殿堂」というイメージを持たれがちだが、
母国スペインでは神のように崇められる偉大な作家だ。
それならさぞ裕福な人生だったろう、と思いきや、生前の彼は困難続きだった。
下級貴族の家に生まれながらも生活は苦しく、スペイン海軍に入隊するも、戦闘中に負傷した左腕の自由を失ってしまう。
その後、海賊に誘拐されて5年の捕虜生活をおくったこともあった。
帰国後に執筆して大ヒットとなった「ドン・キホーテ」の前編も、版権を安く売り渡していたため手元にお金は入らなかった。
しかも、彼に版権がないのをいいことに人気に便乗して勝手に続編を書きだす作家までいたという。
そんな生活のなかで、
彼はいったい何度空腹に耐えただろう。
わたしたちは空腹になると、
先のことが見えなくなりがちだ。
イライラしたり、何かに当たりたくなる人だっている。
それでも彼は、
いつか食事にありつけると信じ、
自らの苦境を楽しみに変えてみせた。
究極のポジティブシンキング。
私も、かくありたいものだ。
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