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昔は要らなかったモノにときめいて

断捨離のことは知っているつもりだ。

断捨離とは、必要なモノだけを手元に残し、不必要なモノの管理に費やしていた時間を心豊かに過ごすための時間に使おうといった趣旨の考え方だと理解している。

モノをためこみやすい性格のため、引っ越しを転々とすることでモノを手放すリズムを作っていたが、結婚してからはモノを捨てるタイミングがなく、モノは増える一方だった。

だから断捨離をしようかと考えたのだ。

でもやらなかった。

なぜなら、昔は要らないと思っていたモノが、今は要ると思うことが多々あるからだ。

そういう性格なのかもしれない。

自分が定まっていない「未熟者」なのかもしれない。

理由は不明だが、かつては不要と思っていたモノを手放して、残念な思いをすることが多いのだ。

昔は要らなかったけど、今は要るという経験を重ねて、ますます捨てることが難しくってしまう。

かつて、私はジャイアンツのファンではなかった。今もファンかどうかは微妙なところだ。ただ応援しているだけというほうが近いかもしれない。

そう、ジャイアンツを応援するのは、今年が初めてのこと。

これまではジャビットを見ても何も感じなかったのが、最近は、ひとつ小さなマスコット人形でも買っちゃおうかなという気持ちになっていた。

実家で、「リサイクル品」という段ボールにジャビットのバスタオルを発見。箱は古びた感がある。いつからこの家にあったのかは知らないが、年数がたっているだろうことは想像に難くない。

昔は要らないと思っていたモノなのだが。

厳密には必要なモノではないのかもしれない。必要というよりは欲しいに近いのだが。以前はときめかなかったモノにときめきを感じ始めたことには違いない。

そんなことをまたまた経験し、私は、断捨離から遠ざかるばかりだ。

いつか成熟した人格になれたら断捨離ができるのだろうか?

遥かなる未来へ期待をしつつ、ジャビットのタオルをカバンにしのばせた。