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昔ばなし

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2021年7月の記事一覧

夢を買う

夢を買う

夏の日に色々失敗してきた商人が旅の絵描きと出会い身の上話をしていると、居眠りをした絵描きの鼻の穴からアブが飛び出し、しばらくするとまた穴に戻る。
目を覚ました絵描きはおかしな夢を見たと絵を描いて夢を説明し、商人はその夢を買い、アブが飛んで行った方へ向かう。
しばらく進むと絵の通りの長者屋敷があり、夢に出た白い椿が咲く春まで住み込みで働くが、見つからないのでもう一年働く。
ようやく白い椿を見つけ、夢

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ヘンゼルとグレーテル

ヘンゼルとグレーテル

飢饉のため、ヘンゼルとグレーテルは継母にせきたてたれた気の弱い実の父に森に置き去りにされる。
一度は何とか家に帰るが、二度目はもっと森の奥に捨てられ、迷った末にお菓子の家にたどり着く。
そこは恐ろしい魔女の家でヘンゼルは食用に太らされ、グレーテルは下働きとしてこき使われる。
いよいよヘンゼルが食べられる日にグレーテルは魔女をかまどに突き落とし、魔女の宝を持って家に帰ると継母は死んでおり、実の父と3

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牛方と山んば

牛方と山んば

牛方が海辺の町から山里へ魚を運んでいると山んばに出会い、魚か牛かおまえを食わせろと言われ、魚を一匹与える。
山んばに魚を全部と牛を食べられ、最後におまえだと追いかけられるが、何とか逃げ切り空き家に避難する。
屋根裏で一休みしていると山んばがその家に帰って来るが、山んばが苦手なネズミの真似をして、釜の中で寝させる。
牛方は釜に石うすで蓋をして、かまどに火を起こし牛のかたきをとる。

東北地方の昔ばな

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幸福の王子

幸福の王子

体は金箔、目はサファイア、刀の柄はルビーの幸福の王子と呼ばれる像の下でツバメが休んでいる。
王子は町の人びとの悲しみを見て涙を流し、ツバメに貧しい人びとに自分の体の宝石を配るよう頼む。
ツバメは南の国に行くのをあきらめ、冬になり、王子の体の金箔を配り終わり、お別れのキスをして死んでしまう。
その時王子の像の中で心臓が割れるが、ツバメと共に天国に召され、今も地上の人を見守っている。

オスカー・ワイ

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親指姫

親指姫

チューリップの中から生まれた親指ほどの大きさの親指姫は可愛がられ育てられていたが、ヒキガエルに息子の嫁にとさらわれる。
ただ泣くばかりの親指姫は魚たちに逃がしてもらい森で暮らしていたが、冬になり凍えていると、今度は親切な野ネズミに助けられ家に転がり込む。
モグラに見初められた親指姫は、命の恩人である野ネズミが喜ぶので結婚を断れずにいると、モグラの家で傷ついたツバメに出会う。
冬の間ツバメを看病し、

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アリババと40人の盗賊

アリババと40人の盗賊

金持ちの兄にこき使われているアリババが恐ろしい40人の盗賊の宝の隠し場所を見つけ、少し持ち帰り、兄と同じくらいの家を建てる。
兄はアリババが気に入っている自分の召使いと結婚する代わりに宝のありかを聞き出し、宝を取りに行くが盗賊に見つかり殺される。
盗賊はアリババに復讐を企て、商人に化け39人の盗賊をかめに忍ばせ、アリババの家に泊まる。
それに気付いたアリババの妻が、かめに煮えたぎった油を注ぎ、商人

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浦島太郎

浦島太郎

心の優しい浦島太郎という漁師が浜でいじめられているカメを助け、海に逃がしてやる。
後日助けたカメが恩返しに太郎を海底の竜宮城に連れていき、乙姫や魚たちと楽しく過ごす。
太郎は一人残してきた地上の母を案じ、帰ることになり、乙姫から土産として玉手箱をもらう。
家に帰るが母はおらず、地上で何百年も経っており、途方にくれた太郎は玉手箱を開けおじいさんになってしまう。

京都府の昔ばなし

物語の類型
「異

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お地蔵様の赤い目

お地蔵様の赤い目

お釈迦様が地蔵菩薩に盗みや戦争が絶え間なく起きている人間界を見て回るよう命じ、お地蔵様は年老いたお坊さんの姿で世界中を回る。
お坊さんは仏教の教えを守らない町を大きな地震で滅ぼし、ある町では10軒に宿を断られたが、お地蔵様にお供えをしているおばあさんに泊めてもらう。
お礼に地蔵の目が赤くなると町が滅びるとおばあさんに教え、親切なおばあさんは町の人々に伝えるが相手にされない。
ある夜、意地悪な男たち

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しっぽの釣り

しっぽの釣り

ウソつきで怠け者のキツネが大雪の冬にお腹を空かせていると、魚を捕まえているカワウソを見つける。
人のいいカワウソはキツネに魚をあげるが、満腹になったキツネの態度でいつもひどい目にあわされているのを思い出し、仕返しを考える。
魚の取り方を聞かれたので、寒い夜に湖にはった氷の穴にしっぽを垂らして長い時間をかけると大物がつれると教える。
キツネは言われた通りにしてみると、しっぽが抜けなくなり、力まかせに

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ブレーメンの音楽隊

ブレーメンの音楽隊

人間に役に立たたずと言われた年老いたロバ、イヌ、ネコとニワトリが、音楽隊を作ろうとブレーメンを目指す。
森の奥で夜になり、寝る場所を探していると泥棒の隠れ家を見つける。
4匹は合図と共に同時に大声で鳴くと、泥棒は化け物の声と勘違いし、逃げ出す。
ご馳走にありついた4匹は戻った泥棒を再度追い出し、この家で毎日楽器を奏でながら楽しく暮らす。

グリム童話 ドイツ

物語の類型
「危険回避」「多様性」

かみそり狐

かみそり狐

野原に人をたぶらかしては頭の毛をつるつるにそってしまう狐の一族が旅人をだまして丸坊主にし、村中の人をつるつるにする。
唯一頭をそられていない才造が女に化けた狐を見破り追いかけると、今度は枯れ草を赤ちゃんに変え、おばあさんの家に入ったところを捕まえる。
狐を煙ぜめにするが、だまされているおばあさんに止められても続けると女と赤ちゃんが
死んでしまう。
おばあさんに人殺しと言われ、うなだれた才造が出家す

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