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初めては切ない

初めてってなんか切ない。さまざな初めてを経験する度に思う。

ありとあらゆる初めてを経験したい。初めてに対する好奇心とワクワク感は抑えられない。初めての場所に行きたいし、初めての作品を鑑賞したいし、初めての感情と出会いたい。

けれど、「それ」が終わった後に込み上げてくる切ない気持ちもあるから不思議。だって、初めては一生に一度で、経験できないから。

初めてを求めているのに、初めてが終わると切ない。旅・映画・読書が日常の僕にとって、毎日が初めての連続。

どこかに行かなくたって、新しい本を読めば、新たな映画の世界に入りこめば、新たな土地に行けば、
それは僕にとっての初めて。

初めてが自分にとって素晴らしい瞬間であればあるほど、切ない感情は大きくなる。初恋の甘酸っぱさ、初海外の胸の高鳴り、初仕事の達成感は二度味わえない。

この文章自体も初めてだ。「初めて」について初めてエッセイを書いてみた。人生は初めての連続だ。初めてを開拓し、初めてを失う。

そもそも、人生そのものが初めて。生きるも死ぬも初めて尽くし。せっかくの初人生を楽しみ、初の死を迎えたいものだ。


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