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漢方の『脾』の働き知っていますか?


漢方養生士のオリタユカリです。

食養生、漢方養生が自分でできて、病気知らずになれたらいいですよね。

それには、まず心とカラダがどのようにつながっているのか、漢方の視点で知っていただきたいと思い、発信しています。

今週上げた、ポッドキャスト 五臓の働きシリーズ『脾』の内容をまたとめて文字にします。是非読んでください。


『人のカラダは五臓と、六腑でできていて
カラダの中の経絡とつながり、作用しあって働いています。
その目的は、気血水という体を構成している物質を作り、体中をめぐらせています。』今回はその五臓の中の脾のお話しです。

五臓の中の『脾』って、聞きなれないですね

脾というのは、現代医学でいうところの、消化機能+αのことをさしています。

いろいろと聞きなれない単語が出てきますが、カラダの中の動きをイメージしてみてください。

脾の主な働きは
・運化を主る ・昇清をつかさどる ・血を統血する ・昇提を主る ・肌肉、四肢を主る
という大きく分けると5つの働きがあります。

初めて知る言葉の方も多いかと思います。

運化を主る、って
カラダに入れた飲食物の消化吸収を管理していると考えてください。
吸収した栄養物を、気血水に変え、全身に供給して老廃物を外に排せつするという一連の活動を、運化作用といいます。
この働きが悪くなると消化吸収能力が落ちるので、食欲不振、もたれ、食後の眠気、軟便、下痢 などになります。


昇清を主るというのは
脾でつくられた栄養物を上に持ち上げることです。
上に持ち上げるというイメージがつきますか?
栄養を頭部をふくめた全身に行き渡らせるという想像をしてください。脾は栄養を気血水に変えて上部を含む全身に行き渡らせることをしています。
この作用が弱まると、痰などとして残る、老廃物として体にたまるなどしてからだに悪さをしてしまいます。

脾は統血するというのは
血は脈の中で流れていますが、脾の統血作用が弱まると、脈の外に血が漏れ出したりしてしまうのです。

怪我をしたり、ぶつけたりしていないのに、鼻血がでたり、吐血、血便、血尿、月経がだらだら続くなども、この脾の統血作用が弱っているから起こることなのです。

昇提を司どるというのは
脾は内臓や組織が本来あるべき位置から落ちないように維持する働きがあります。これを昇提作用というのですが、
この働きが弱まると、胃下垂などの内臓下垂、脱肛、眼瞼下垂などが起こってきます。

脾は肌肉、四肢を主る
筋肉をつくったり、手足の運動能力も脾が管理しています。
脾の消化吸収能力が高いときは、食べたものが栄養になり、筋肉をつくり、手足もスムーズに動きますが、働きが弱まると、食べたものが栄養になりにくくなり、筋肉、手足の運動に問題が出てきます。

加齢と共に脾の働きが悪くなり、食べたものが、筋肉にならずにタブついてしまう悲しい現象がありますね。 

ですが、脾を労わった生活をすれば、年齢のわりに、食べたものを肌肉にしやすくするということはできるわけです。あきらめずに頑張りましょう♪

脾の不調は口に表れる
脾の働きが弱まると味覚に影響が出て味がわからなくなったりするのです。だいいち美味しく食事ができなくなってしまいます。

唇に表れる
また唇の色ツヤにも出てきます。健康なときは、血色が好くツヤがあります。

憂いすぎ、悲しすぎる感情は脾を傷めます

憂いすぎたり、悲しみすぎると脾の働きが悪くなります。

でもこのような心もちのときほど、甘いものが食べたくなりませんか?  少しの甘いものは神経をゆるめてくれるのですが、多すぎるとよろしくないです。

脾は甘いものに注意です

甘いものの食べすぎは、脾の力を低下させるのです。消化が弱くなって、むくみやすくなります。

世の中に甘いものがあふれていますから、つい口に入れてしまいますけれども、これは注意。

薬膳料理教室をしていたころは、デザートもつくりましたが、甘味を控えたものでも、想像以上の量の砂糖を使わないと、美味しくならないのです。市販のスイーツがどれだけの砂糖を使っているか、想像すると気軽に食べられなくなりました。

ですが、このコロナ禍ストレスで、スイーツ摂取量が増えていて、まずいなとは思っている私です・・・・(´;ω;`)ウッ…

気を付けるべき季節は梅雨から残暑の蒸し暑い時期です

脾は、湿気を嫌います。
湿っぽいと脾は働きが弱まります。
ですので、夏のムシムシした気候で脾が弱ったところで、さらに冷たい飲み物、食べ物を口にするこの季節は、脾に負荷がかかって働きが悪くなります。

以上が主な脾の働きです。

初めて知ることもあったかと思います。

脾の働きで氣血水がつくられるという意味から、生命を支える大事なところです。


冷たいものを飲みすぎたり、甘いもの、脂っこいものなど食べ過ぎて、脾をよわらせることなく働いていただくことが、元気な心とカラダづくりになりますね。

よく、脚がむくんでしまう方がいらっしゃいますが、脾に問題があり、昇提作用が弱まり、又栄養が肌肉にならずに、水分として
カラダに溜まってしまう現象と考えられます。水は重いですから、下に行きやすいので、脚がむくむのです。

むくみや、痰がらみ、膝に水がたまる・・・などの症状に悩まれている方も多いと思うのですが、『脾』が健康になる対策をまずとってほしいです。


ポッドキャストでも音声で説明しています。

収録を聴いてみて思うのですが、
ほんと、まじめなお話しで・・・

ですが、これから、いろいろな症例などもお話ししたいと思っているのですが、この漢方基本知識が必要になってきますので、おさらいのつもりで
良かったら聴いてください。

織田 縁 東京都杉並区で日本のハーブブレンド『チャカラティーズ』を製造販売する会社㈱ワイズ・ドット・ファームを設立。登録販売者。国産ハーブブレンド、漢方薬・健康食品の販売、上級漢方養生指導士。


お問い合わせhttp://ysdotfirm.co.jp





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