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漢方の考えを学ぶ『春は怒りっぽくなる?』

春・肝・木・怒り

漢方の哲学、五行説では『春』『肝』『木』が同じグループに配置されていて感情では『怒り』が入ります。
春は『怒り』の感情にご用心です。

「怒りの感情」がなぜこの季節に気を付けるべき感情なのかというと
『肝』の働きにとても影響されるからです。

『肝』の働きというのは、わかりやすく言うと、自立神経に関わる働きをしていて感情の制御に関わっています。
漢方でいう「気と血の流れ」をコントロールしているところです。

春は『肝』が急に働きだす


春は「肝」の働きが激しくなり、肝の気が上がるのです。

多少、気持ちが上がるくらいであれば元気で良いのですが、
肝気が高ぶってしまって、エスカレートすると、カラダに障ります。

どのような症状になるかというと

肝火が上がって、頭部に影響がでる

漢方では、肝に火がつくという考えをします。火は炎上して上にあがり、頭部に影響 を与えます。
その結果    ⇒頭痛、めまい、耳鳴り、目が充肝血
       
感情面では  

カッカして怒りっぽくなる

肝火が経絡に沿って上逆して『怒り』の感情がわきやすくなるのです。
気が立ってしまったときのことを思い出してください。頭に血が上りますよね。

このようなときは、肝をクールダウンしてくれる涼性の薬膳素材を選ぶのが良いです。
漢方薬も肝胆の熱を取ってくれるものがおすすめです。

おすすめの薬膳茶 : ミント 緑茶 レモングラス ドクダミ 
           『紫の香り』(春ウコン、月桃、黒人参)

漢方薬:竜胆瀉肝湯 (竜胆、黄ごん、山査子、沢瀉、木通、車前子、
            当帰、地黄、甘草)    
       

春は『肝鬱』にも注意

怒りの感情の他に、春の『肝』の影響で現れるのが『肝鬱』。

肝の気が上に上がるのではなく、流れが滞ってしまう人は気持ちの落ち込みが激しくなります。
原因は怒りの感情も含めたネガティブな感情や、肝の機能的な問題です。

花粉症で鼻が詰まったりすることでも、気が滞り、気鬱になります。

気血の滞りを放っておくと、情緒不安定になったり、眠れなくなったり、という悪循環に陥りますから、日々の対策が大切です。

対策: 肝の疏泄を促し、気分転換してポジティブな気持ちになる。 
    気の滞りを改善。 適度な運動する。

おすすめの薬膳茶 :ミント、桂枝、ローズレッドペタル、「紫の香り」
漢方薬:加味逍遙散 (柴胡、当帰、芍薬、茯苓、白朮、甘草、生姜、
          薄荷、牡丹皮、山梔子) 
       

春は、「木」のように上がる性質のある「肝」の養生がとても大切です。
男性も女性も『肝』が元気でないと、きれいな気血をカラダ全体に流して、心と体が健やかではいられません。 気血は活力の源です!
春をきっかけに『肝』養生の大切さを知っていただきたいですね。

この話はポッドキャストでもしていますので良かったら聴いてください♪


上級漢方養生士、医薬品販売業者、登録販売者、生態生薬研究会会員 
漢方ラボ チャカラティーズ 織田 縁

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