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警察学校にイジメはない!? 警察学校を卒業しないと気付けないこと。

1、警察学校はイジメの場?

 「警察学校はイジメが横行している!」

と意見している人を見掛けます。


 その人物がどのような人か知りませんが、私からすると警察学校でイジメはありません。


 すぐ怒られたり、「自分を目の敵にして退職させようとしていない?」とか、無理な課題をやらせようとしたりとか、は普通にあります。


 そのため、それらに屈して退職した人では、この必要性を知り得ませんのでイジメと感じると思います。


 しかし、警察学校を卒業した時にこれらがどれだけ納得のいく普通のことか理解できます。


 今回はその部分を少し見ていきます。



2、無理な課題を出される

 警察学校はかなり時間に追われます。

 日々の生活だけで精一杯な状態です。


 しかし、そんな中で無理難題をだされることがあります。

 例えば、刑法全文書き写し3回を1週間でとかですね。

 ちなみに刑法は264条あります。


 しかし、こんなの書き写しても頭に入りませんので勉強にはなりません。

 それでもやらせると言うことは、

「イジメ?辞めさせようとしている?」

と感じるかもしれません。


 しかし、警察官として社会に出たらもっと時間に追われ得ます。

 警察学校のように誰かのサジ加減で調整は出来ません。


 しかも、警察学校なら達成できなければ物凄く怒られるだけで済みますが、警察官だと不祥事になります。

 全国的なニュースで報道されるほどの不祥事です。

 下手をしたらそれだけで違法なことにすらなります。


 警察学校で無理難題を出すのは、生徒を将来全国報道で不祥事を起こした警察官、又は犯罪者にしたくないからです。

 そのための訓練なだけです。



3、鍵の掛からない場所への保管

 寮内での物の保管は全て鍵の掛かる場所にしなければなりません。

 このチェックをされます。


 授業中にコッソリ抜き打ちで部屋入られて、鍵の掛かっている場所以外に物を保管していると部屋中荒らされ、物は没収されます。


 ちなみに、ベッドを壁に立て掛けられたり、をひっくり返されるレベルで荒らされます。


 「これこそイジメだろう!」

と思いますか?


 いいえ、これにも意味があります。

 この場合の教官は空巣なんです。


 警察官として社会に出た場合、制服等の貸与品は持ち帰り、自宅で保管します。

 そのため、万が一空巣に入られて、それらを盗まれてしまうと大変なことになります。


 制服等をオークションで売られる程度ならまだマシで、泥棒がその制服を着て別の犯罪を犯すことが危険なんです。


 それらによって出来そうな犯罪は例示しません。

 レプリカでもやろうとする輩がいたら危険ですので。


 実際に警察官の家に空巣が入ったと言う事件はあります。

 私も本部にいるとき、警察署所属の警察官の自宅に空巣が入った事件を扱いました。


 そこで、キチンと鍵の掛かる場所に保管しているかどうか?は生死を分けるレベルで重要です。

 私が扱った警察官はキチンとしており、貸与品は盗まれていませんでした。


 この意識を持たせるために、これも重要な意識付けの訓練なんです。



4、何でも連帯責任

 この部分から

「体育会系な組織」

と言う人がいます。


 しかし少し違います。

 連帯責任にしているのは仲間意識を強めるためだけではありません。


 実際に連帯責任で命を掛けることがあるからです。

 その想定は学生運動が盛んだった時代に遡ります。


<学生運動>

 学生運動を知らない人に簡単に説明すると、学生達が自分達の考え等を主張することです。

 ただし、その活動にマルクス・レーニン主義と言う理念が加わったことで抗争にまで発展しました。


 極左思想で、要は今存在している物・者を物理的に破壊しないと変わらないと言う思想です。

 つまり、物を壊したり、人を殺したりする手段のみで、自分達の考えを押し付けようとする活動ですね。

 この思想に則った活動団体を左翼と言います。


 共産関連が有名で、日本では最大派閥ですね。

「コープ生協等を利用していると警察官になれない」

と噂される理由はここにあります。


 コープ生協の経営母体は共産系ですので、そこに資金を入れて、社会を破壊するための支援をしていると解釈もできるからですね。

 噂だけで、私は活動家関連部署経験はありませんので実際の部分までは知りませんが。


<連帯責任>

 その時代は活動家達と警察官は大きな激突を毎日のようにしています。

 そこでは多くの警察官が命を失っています


 その際、警察官は部隊で動きます。

 そのため、鉄壁なのですが、一人でも崩されるとそこに穴が出来てしまいます。

 当然そこを狙われます。


 一ヶ所崩れると、そこから入られて部隊そのものが崩されます。

 先程も言ったように相手の思想は殺すことですので、【崩される=死】です。


 つまり、警察の連帯責任は殺されることの代替的な措置です。

 本当の現場であれば殺されていたのを、懲罰程度で済ませているんです。


 一人のちょっとしたミスで部隊、仲間全員が崩される(殺される)ことを想定しているので、


「こんなミスくらいでこんなの理不尽だろう!」

と感じる連帯責任は全然軽いことではないんです。


<能力が不足しているのに努力しないのは怠け>

 他の記事でも、私は頻繁に言いますが、警察組織で能力不足を放置することは怠けであり、悪です。


 その理由はこの状況を想定しているからです。

 一人が崩されると仲間が崩されるわけですから、一人でも能力が不足している状況は致命的なんです。


 だから、能力が不足している場合は努力以外の選択肢は有り得ないんです。

 大勢の命が掛かっているのですから「苦手、嫌い」は通用しませんよね?



5、理不尽なことで懲罰

 警察学校では

 「そんなの不可抗力じゃん!」

と言うようなことで怒鳴られたり、懲罰を与えられることもあります。


 例えば、警察学校では10分前行動をしないといけません。

 しかし、前の授業が時間内に終わらず、次の授業の準備を行う休み時間まで被ってしまい、次の授業に10分前までに準備出来なかったとします。


 当然前の授業のせいで10分前行動が出来なかったわけで、自分達のせいではありません。

 しかし、次の授業の教官は

「10分前行動が出来ていない」

と怒鳴ります。


ハッキリ言って理不尽ですよね。

しかし、これも警察官として社会に出るともっと酷いことを経験するので、訓練です。


 警察官にそれ以上の理不尽なことを言ってくるのは(自称)善良な市民です。

 よっぽどの警察官好きじゃない限りは、普通は警察に対して不満や不快な感情を持ったことがあると思います。


 今までそのような感情を持ったことがない善良な市民でも、自分が知らない交通違反でいきなり切符を切られれば、そのような感情を持つと思います。


「そんな違反知らないよ!」

と反論すると思います。


 これが最も理不尽なんですよね。

 先程の授業の理不尽さよりも遥かに理不尽ですよ。



 警察は法に則って危険を排除するために取り締まりをします。

 それが仕事であり、逆にしなければ、違法行為にすらなり得ます。

 そのため、違法性を問われないためにも適切に仕事をします。


 それは事故などを発生させないためですね。

 運転手の緩んだ意識を再度緊張させるためですね。


 しかし、そこで言われるのが

「そんな違反知らないよ」

「税金泥棒」

「仕事しろ」

「こんな軽微な違反捕まえるくらいなら、もっと捕まえるべき奴がいるだろう」

等々です。



 警察と言う目線ではなく、貴方の生活で考えてみますか?


 例えば、貴方は取引先と契約を取らなければなりません。

 その契約を取れなければ懲戒処分を喰らう状態です。


 その状態で見事契約を取りました!


 そのことによって取引先から

「そんな契約取らせやがって」

「もっと早く好条件出して契約を取りに来いよ!」

「この給料泥棒が」

「怠けてんじゃない!本気で契約を取りに来い!仕事しろ」

と言われるようなモノです。


 上司から言われるならまだ何とか理解できますが、何で契約先に言われなければならないんでしょうね。


 契約の場合はお互いのための行為ですが、警察の場合は相手のためですからもっと理不尽なんですけどね。


 この例は言える範囲の軽い方ですが、これが日常です。

 だから、警察学校では訓練として理不尽でも怒鳴られます。

 もっと酷い現状に向けての訓練です。


 余談ですが、正直に言うと警察官の多くは善良な市民よりも被疑者の方が好きです。

 だって、善良な市民は先程言ったような文句が中心ですが、被疑者の多くは警察官を労わり、理解してくれますので。


 これは懐柔されているのではなく、一般人では見ることのできない部分での頑張りなども見えるからで、多くの被疑者は捕まったことで反省したり落ち込んでいるので警察を攻撃する意思は薄弱だからです。


多くの善良な市民が

「税金泥棒」

等の暴言を吐いてくるのに対して、被疑者は

「大変ですね」

「私なんかのせいでスミマセン」

のような感じです。



6、最後に

 警察学校で、一般社会から見たら普通じゃない部分。

 「イジメ?」と勘違いしそうな部分について、警察官として社会に出た時の訓練としての意味を紹介してきました。


 「警察学校なんて理不尽で、イジメが横行し、ターゲットを決めて辞めさせようとしてくるんだぜ」

と言っている人は、その意味を理解する前に挫折しているだけです。


 その意見は経験者による意見とは言えないと思います。


 ここまで色々と言ってきて何ですが、私も一県の警察学校しか経験がありません。

 そのため、他県の警察学校ではイジメをする暇があるほど緩かったり、退職対象者レベルの使えない警察官が教官をしていたら話は変わってきます。


 もちろん、状況や運にもよるかもしれません。

 そのため、参考にする程度が良いかと思います。



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