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襲われた時に「助けて」と叫んでも誰も来ない!? 知っておきたい助けの呼び方。

※ 2020年6月9日に更新

※ この記事は4962文字です。


「最近凶悪犯罪が増えて物騒になったねぇ・・・」

「この事件近所だよ!大変!大丈夫かな?不安だよ!!」

「不審者が出たらしいです!何かあったときの対策はないの?」

このように思うことも増えてきましたよね。


 そこで注目されているのが、身を守る為の

『防犯』

です。

 しかし、キチンと学ぶ機会がないので皆さん防犯のことを知らない。


 そこで今回は防犯のプロであるS級防犯診断士&元警察本部刑事部警察官の私が、防犯の基本である

『助けの呼び方』

について解説していきます。


「助けてと大声を出すだけじゃん!」

と思った貴方こそ絶対に読んで下さい。

 それでは誰も助けには来てくれません。


 襲われた時に関係する助けの呼び方について

◎、「助けて」では誰も助けに来てくれない

◎、助けに来てもらえなかった事件とその理由

◎、警察官が推奨する助けの呼び方

◎、S級防犯診断士が推奨する別の助けの呼び方

この4点お話をしていきます。


 この記事を読む事で防犯の基本である助けの呼び方を学べます。

 襲われた時に助けて貰える助けの呼び方を知る事が出来ます。


 実際に私が扱った事件も紹介しますので、少し生々しい部分もありますので、苦手な方はご注意下さい。


 それでは早速見ていきましょう!

「助けて」では誰も助けに来てくれない

 結論:『人は誰かの叫び声が聞こえると身を守る』


 こんなアンケートがあります。

深夜に女性の悲鳴のような声が聞こえたら、貴方はどうしますか?

 貴方自身もどうするか是非少しだけ考えて見て下さい。

 助けに向かいますか?それとも、

「気のせいかな?」

と無視して寝ますか?


 実はこのアンケートで圧倒的に一番多かった回答は

『外には出ていかない』

です。


 恐らく私も

『室内から様子を見る』

だと思います。


「薄情な人達だなぁ!私なら助けに飛び出して行くよ!」

と思った貴方は素晴らしい!


 素晴らしいですが、

『襲われて助けを呼んだ時に、その周囲に貴方のような人間はほとんどいない』

この事実は知っておくべきですよね。


 では私も含め、何故多くの人は

「助けて」

との叫び声が聞こえてもすぐに助けに出ていかないのでしょうか?

 その理由を見ていきましょう。

助けに来てもらえなかった事件とその理由

 結論:『自分の身を守る事が最優先だから』


 その理由は大きく2つあります。

◎、襲われているのか、酔っ払いの騒ぎか判別が難しい

◎、事件から身を守る為

です。


 サラリーマンでも、大学生でも、酔っ払ってふざけ合いながら路上を歩いていることはあります。

 仲間内のやり取りで

「助けてぇ~」

なんて叫んでいる酔っ払いも多くいます。

 そのため、深夜に「助けて~」との声が聞こえただけでは何とも言えないので様子を見る人も多いんですね。


 しかし、最も多いのは2つ目の理由です。

『事件から自分自身の身を守る為に助けに行かない。』


 もう一度状況をイメージしてみて下さい。

 貴方がぐっすり寝ている時にいきなり外から

「助けてぇ~~~!!!!」


 これだけで

「何か事件か?誰か襲われているのかも!?」

と察知しますよね。


 つまり、そこに無防備に飛び込んで行けば、助けに入った自分自身も襲われる可能性があると言う事です。

 助けに向かったがために、犯人に刺されて一生下半身不随になってしまった。

 助けに向かったがために、犯人に刺されて命を落としてしまった。

 普通にあり得る事です。


 それだけのリスクを負ってまで助けに向かう人は少ないと言う事です。

<助けが来てくれずに被害にあった実話>

 これについては実際に、私が扱った事件で実例がありますので、ご紹介しましょう。


 某年の7月、深夜1時ごろ。

 駅から自宅まで歩いていた女性。

 近所でブドウを育てている畑の前に差し掛かった瞬間、誰かに押し倒されました。

 犯人の目的は明らかに性的なモノだと直ぐに分かり、女性は

「助けて!誰か助けて!!!」

と恐怖の中、声が出にくい状態でも絞りだすように叫びました。

 その結果、誰も助けには来てくれず、女性は最後まで被害に遭いました。


 その後の通報で私達警察官が現場に向かったわけです。

 その場で近所に聞き込みをして回ったところ、ある事実が判明します。

 それは

『近所の人達はほぼ全員が叫び声を聞いていたのに助けには行かなかった』

という事です。


 その理由は全員が

「だって、こんな夜中に「助けて!」って叫ぶという事は、その場に人を襲っている犯罪者がいるってことですよ!」

「私のような一般人にそこに身を投じるなんて無理ですよ!」

「それに近所なんですから私だけの問題じゃなく、何かあれば家族にも被害が及ぶと思ったら助けには行けません。」

 このような理由でした。


 ごもっともですよね。

 正義感の強い貴方が納得できるかどうかは分かりませんが、理解はできますよね。


 だから、

「助けて!」

と叫ぶ助けの呼び方では助けには来て貰えないんですね。


 ではどうしたら良いのか?

 それを見ていきましょう!

警察官が推奨する助けの呼び方

 結論:『「火事だ~!」と叫ぶ』


 先ほどの例を再度見て下さい。

 夜中に

「助けて」

では、そこに犯人がまだ居り、自分も被害にあうかもしれないから助けに行かなかった。


 つまり逆に、外に出ないと被害に遭うかもしれない状況を想定させれば人は外に出て来るわけです。


 それで一番人が直ぐに家から出て来るのが火事なんですね。

「どこで火事が起きた!?声が聞こえるくらいに近所だよな!見に行かないと!」

と家から飛び出すんですね。


 今から性的に女性を襲おうとしているところに大勢が家から出てきたら、犯人は間違いなく逃げますよね。

 その人達が助けに向かって来なくても、人が出てきた時点で犯人は逃げていきます。


 だから家から出てきた人達にも犯罪被害は及びませんので、迷惑度合いもそこまで高くなく済みます。

 そのため、適切な助けの呼び方が

「火事だぁ~~~!!!!」

なんです。


 これは実際に私が警察官時代にも教示していた方法ですし、元警察官で犯罪ジャーナリストの小川泰平さんも推奨している方法です。

S級防犯診断士が推奨する別の助けの呼び方

 結論:『110番通報して下さい』


「火事だ~!」

の助けの呼び方は基本になります。

 しかし万能ではありません。


 実際にこれでは助けてもらえないケースが存在するんですね。

 それが

『繁華街での犯罪被害』

です。


 繁華街だと大声で叫んでも

「酔っ払いがうるせぇな!火事なんて起きてないじゃないか!迷惑な!」

で終わってしまうんです。


 ちなみに

「助けて~!」

でもダメです。

「酔っ払い同士がふざけ合いやがって、うるせぇな」

となるだけです。


 ではどうすれば良かったのでしょうか?

 それは

「110番通報して下さい」

です。


 110番通報して下さいなら、何が起きているのかを周囲の人達が判断する必要がありません。

 自分自身が危険な場所に向かう必要もありません。


「助けて」

では何をして良いのかわからないし、何が起きているのかも分からないので動けない。


「火事だ!」

は外では一瞬で事実確認されてしまい意味がない。


 そのため、

「110番通報して下さい」

と叫ぶんです。

 そうすれば最低でも110番通報はして貰えますからね。


 あとは5分間なんとか時間を稼ぐだけです。

>>>【交番・警察署・110】警察はどこへ通報すると、何分で来てくれるのか?元警察本部警察官が教えます。


 これも実際に私が扱った事件で、周囲に沢山人がいる状態で

「助けて!」

と叫んでいたのに、助けて貰えなかった実例がありますのでご紹介しましょう。

<繁華街のど真ん中で助けて貰えなかった実話>

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