「BuzzFeedの広告は記事広告ではない」は楽屋の言葉
という記事が話題になってるけど、この記事を読んで
笑われたらアカン、笑わさなアカンってすごく格好いい言葉やけど、あれ、楽屋から漏れたらアカン言葉やったな
という又吉直樹の「火花」のセリフを思い出した。セリフはこう続く。
あの言葉のせいで笑われるふりができにくくなったやろ、あの人アホな振りしてはるけどほんまは賢いんやて、本来はお客さんは知らんでええ事や。
「笑われたらアカン、笑わさなアカン」という言葉は制作側からするとうなずけるけど、読み手側からすると、「ぐだぐだ言わずに、さっさと笑わせてみろや!」と思われる。
だからBuzzFeedの記事も賛否両論あるけど、制作側と読み手側、どっち側から見ているかで意見は分かれてる。
BuzzFeedの記事中ではこういう説明と図解がある。
BuzzFeedのアプローチは、まずコンテンツありきです。読みたくなる記事が最初にあって、そこに企業がスポンサーとなり、広告としてのメッセージを少し追加する。だからスポンサードコンテンツと呼んでいます。ただ新しい横文字を使っているのではなくて、作り方が記事広告とは根本的に違うのです。
これはスポンサードコンテンツを作っている人からみればその通りだし、私も同じような下の図解を数年間、制作者向けに説明していた。
もしくは著書の中で。
または次のような図解で。
ただ最近はこの図解は使っていない。というのもやはり賛否両論で、「よく分からない」「面白いもん作ればええやん」というツッコミも多いからだ。
この手の、広告かコンテンツか、という話で最近うまいなーと思ったのはオモコロのこちら。
記事中では必要以上に「この記事は広告だ」と連呼している。かつ面白い。
普通なら「広告ではなく記事だ」と言いたくなるのに、逆に「記事ではなく広告だ」と過剰に言うことを芸にしてしまっている。すごいなー。
なんも考えずに、この人等アホやな~って笑ってくれてたら良かったのにな~。
という又吉直樹の「火花」のセリフをまた思い出した。
前からそういったスタイルだったけどさらに過剰になってるのは、最近PR表記についてのツッコミが多くなってきた背景が関係しているのだろうか。私の記事もこれまでは記事末に提供表記をいれていたけど、最近では表紙にも入れるようにしている。細かいツッコミが嫌だからだ。
ところで直近のサイゾーで、「オカルト雑誌でなぜ「ムー」だけ生き残っているのか?」というインタビュー記事がめっちゃ面白かった。
「ムー」の編集長にインタビューしているのだけど、「そもそもムーはオカルト雑誌ではありません。哲学の雑誌です」という答えに笑った。
これも同じ話で、変に「オカルトとは何か?」などと答えずに、バカに徹している。この態度こそ、「ムー」が続く秘訣に見えた。「日本で唯一真実を伝える雑誌」というフレーズもいさぎよい。
BuzzFeedはこれからスポンサードコンテンツに力をいれていくそうだけど、どんなものが出てくるのが非常に楽しみだ。読み手側としてはスポンサードコンテンツか記事広告かはどうでもいいけど、作り方としてははっきり違うのだから。
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