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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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【消滅都市】愚者が辿り着いた旅路の終着点【カノ】錬金術とヘルメス主義

スマホゲーム「消滅都市」に登場するキャラクターおよびタロットシリーズに関する記事です。

メインストーリー(天上の世界〜epilogue)をクリアした方に向けて書いてますので、ネタバレを多く含んでいます。まだストーリーを読み終えていない方はご注意願います。

天上の世界で
ソウマの前に現れたカノ

カノは旅の途中にベオと出会い「愚者」のタロットカードを受け取ったタロット所持者でした。

愚者のタロットカードを手にした旅人


"消滅都市0.では,“罪と向き合う物語”をテーマに,新主人公ソウマ(CV:朝井彩加)とカノ(CV:茅野愛衣)を中心とした物語が繰り広げられる。"
4Gamer.net(2018/11/26 18:56記事)


「消滅都市0.」のテーマは"罪と向き合う物語"ということで、今回は消滅都市0.の中心人物【カノ】の人物像を探りたいと思います。


星5タマシイのデザイン
背景に置かれたタロットカードは正位置(通常色)


▼カノについてざっくり解説
カノはソウマたちと天上の世界を旅している途中、かつて仲間だったポラリスやサダクと対立することになる。カノ、ソウマ、ブリキ、タイガはそれぞれの目的を成すため天上の世界でタロットゲーム(※)の勝者を目指す。

(※)ゲームマスターが創造したタロットカード大アルカナ22枚を用いてタロットの所持者が勝ち抜くゲーム。勝者はどんな願いも叶えることができるらしい…が、タロットはゲームマスターの手元から離れ、ベオが21枚のタロットを拾ったことで本来のゲームと異なる使われ方をした。

星6タマシイのデザイン
背景に置かれたタロットカードは逆位置(反転色)


▼カノの最後
旅を続けるなかでカノたちは世界のタロットカードを持ったベオと対決することになる。
最終的にタロットゲームの勝者となったカノ。
カノは自分と正反対の性質を持ったソウマを通じて人間の在り方が正しいのか納得する答えを見出し、タロットゲームの勝者の願いとして自らの命を犠牲にして既に死んだ存在だったソウマを生き返らせた。


消滅都市0.に登場した
カノの一連の行動に関して

・カノは何者なのか(人間なのかも含めて)?

・カノが納得させたかったモノって結局何だったの?

・なぜ、カノは自らの命を犠牲にしてソウマを救ったのか?

など

消滅都市のメインストーリーを読み返しても細かい描写がされておらず、カノの目的が分からず共感できなかった方もいるかもしれません。

配信当時、私は消滅都市0.のメインキャラクターだったにも関わらず、カノの選択した物語の結末にショックを受けました。


「他人を救うために自己犠牲を払うなんて間違っている」

「きっと、この先に奇跡や希望があるはずだ」


消滅都市の物語が、この先どこかで好転することに淡い期待を抱いていた面もありました。

単純に自分自身が物語の事実を受け止められず、別の救う方法があったのではないかと、身勝手な理由や納得する答えを並べ立てたかっただけかもしれません。

しかし、どんなに作りもののゲームであっても
個人の都合良く物語は進行しない

今となっては
自分の考えが甘かったとしか言えません。

現実世界も物事が思い通りに進まないことの方が多く感じますし、人間が知性や感情を持った生命体である限り、何かしらの犠牲を払いながら生きているからです。

・時間
・金銭
・労力
・身体
・生命

代償や犠牲の程度は大小さまざまだと思いますが、現実で犠牲を払っているものは生命だけではありません。

また、タロットカード『愚者』の所持者カノについて、本名も正体も分からないままでしたが彼女の名前について気になることがあります。

カノのコードネーム『カノープス』について、タロット・占星術・錬金術の観点から捉えるとストーリーでは掴み切れなかったカノの人物像が見えてくるのではないでしょうか?

さらに、消滅都市の物語に隠された

「自己犠牲」も理解できるかもしれません。

この記事の内容は自分の知っている範囲でしか書くことができませんが、消滅都市の物語を理解する手掛かりや参考になれば幸いです。


▼この記事を読むに際してのお願い

この記事を読むに際して、いくつかお願いがあります。

・私個人の感想と意見です。
・自分の意見を押し付けたり強制する記事ではありません。
・自分の考えを誰かと比較して優劣をつけたり、どの意見や誰の考察が正しい&間違いだと主張する意図はありません。
・好みの分野(タロット、占星術、錬金術)から憶測を立てているため、オカルティズムに偏っている部分があります。

長文ですので読み飛ばしていただいて構いません。
みなさんの感性を大切にしていただき、参考になりそうな部分のみご自身のイメージと重ね合わせてお読みください。

なお、どうしてソウマが天上の世界の海に辿り着いたのかはリアルライブイベント『消滅都市 LIVE EXPERIENCE vol.1』関連しています。ご興味がありましたら調べてみてください。

天上の世界まで海を渡って辿り着いたソウマ
誰がここまで導いたのだろうか?



■カノープスとは何か?

カノープスを見つけよう(2022年2月)
引用元:国立天文台
※YouTube動画で使用している同画像は国立天文台の著作物に関する利用規約に基づきクレジット表記及び個人の発表物として利用申請を済ませてます。

カノープスは天体の恒星の名前であり、通説では古代ギリシアのトロイア戦争で船を操作していた人物に由来するとされています。

"カノープスは、トロイア戦争時のスパルタ王メネラーオスの船の水先案内人、操舵手の名に由来するという説がある。ストラボンやコノンの伝えるところによれば、トロイア戦争の後にヘレネーを連れて帰還する途中でメネラーオスの艦隊は難破してしまい、カノープスは辿り着いた先のエジプトで蛇に噛まれて死んだ、とされる。"
Wikipediaカノープスより


カノープスには様々な伝承や意味もあり

・水先案内人
・死者の魂を運ぶ舟
・長寿の星や南極老人星(中国の伝説)
・不老不死
・吉凶の星
・不吉な星(例:日本の房総半島「布良(めら)星伝説」)など

吉星にも凶星にも見える
見る人によって善悪が変わる特性を持った星です。

西洋占星術ではカノープスに木星と土星の
2つの性質があると解釈する場合もあります


カノの名前は組織から貰ったコードネームだとされていますが、なぜ数ある天体の中から「カノープス」の名が選ばれたのでしょうか?


恒星であればシリウスやプロキオン、スピカでもよかったはずです。


そうでなければ、カノープスの名前に意味があると考えています。むしろ、この名前でなければいけない理由や意図が込められているのではないのでしょうか?

それには、少しだけ恒星占星術を知る必要がありますので解説します。


■恒星カノープスと占星術

現代の西洋占星術は地球を中心とした10天体(太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星)を用いる占術が主流です(+αでキロン、リリスなど小惑星を組み合わせて占う場合もあります)


恒星を扱う西洋占星術は、太陽系の外側に存在する恒星(太陽のように自ら光を放つ星)と上記の太陽系の軌道上に配置される天体を関連付けて占う手法を指します。


古代の占星術は恒星を用いることが多かったそうですが、現代占星術では恒星を組み合わせて占う場面は昔に比べると少なくなりました。

そのせいか、国内で出版されている占星術関連の書籍は翻訳本も含めて、恒星を取り扱う本自体が少ないイメージがあります。

ですので、カノープスの動画を制作していた際に個人的に読んでいた洋書と海外サイト、普段から好んで読んでいる本を挙げておきます。恒星にまつわる占星術の読み方&キーワードが気になる方は参考になさってください。


※当記事に添付しているAmazonのURLページは全て非アフィリエイトリンクです


▼参考にした本&Webサイト

参考:CONSTELLATIONS OF WORDS(海外サイト)

参考:演習占星学入門―ホロスコープの考察と演習(著者:石川 源晃)

本書「6 発展する占星学」を参考にしました

同時に、たまたまNHK教育テレビで古代都市カノープスの特集が放送されていたのでエジプト神話や古代都市の歴史に興味がある方は調べてみてください。

古代エジプト文明が栄えていた時代、星座と神話に由来するカノープスは黄金や不老不死(永遠)にまつわる逸話も残されています。

"カノープス(Canopus)は、りゅうこつ座α星、りゅうこつ座で最も明るい恒星で全天21の1等星の1つ。太陽を除くとシリウスに次いで全天で2番目に明るい恒星である。"
Wikipediaより引用

正直、私はホロスコープを作成する際に恒星カノープスを意識したことがなかったのですが、この星の性質や影響を受けている人物は優れた才能がある一方で、振れ幅が激しい過激な人生を辿るとの解釈もあるようでした。


ソウマと共に旅をするカノは、恒星カノープスの導き手や水先案内人の意味合いを持った星の特性を持っています。


死者の魂を運ぶ舟や
不老不死の意味合いもあるカノープス


まるで死んだソウマを天上の世界の旅に誘い、魂の導き手も担っていたカノと似ていないでしょうか。

では、そんなカノは一体何者なのでしょうか?
人間なのか、宇宙人なのか、それとも別の存在なのか?



■カノは何者なのか?(カノの正体)

他者への共感力がなかったり想いの薄さもあってカノが人なのか疑う場面もありましたが、人間であることは確かなようです。

人間であることはカノ本人も言及しています

ただし、


①タイヨウと同じ組織に所属していた時期があった

タイヨウを先輩と呼ぶシーンがある


②タイヨウから何かの研究に誘われていた

ポラリスと離れる時期と関連性や時系列は不明ですが、タイヨウの誘いを断り旅に出た?


上記の会話から、過去に失われし世界で組織の研究に関わっていた様子がうかがえます。

▼カノの過去
カノは元々タイヨウがいる施設でタマシイの進化を研究する科学者(※)だったようで、カノがそのときの状況を思い起こす場面もありました。
※メインストーリーのどのシーンで言ったのか失念してしまったので見つけ次第、該当の画像を貼りたいと思います。


一方で自分の命を捨てることにどこか躊躇いがない一面もありました。

タイヨウの研究を断った自分の処分についてカノが述べた言葉

どこか他人事にも感じる言動や他者の感情や想いを汲み取れない印象を受けるカノについて、私は違和感がありました。

もしかしたら、タロットカードの"愚者"、恒星"カノープス"の名前通りに何かの役割を担っていたかもしれません。


▼理由
・カノープスというコードネーム
 →名前の由来、恒星の意味

・命を捨てることが前提のような会話
 →タマシイの進化の研究に関わる?


天上の世界にて旅を続けていたカノには、自分自身を納得させるある目的がありました。


■カノが納得させたかったモノとは?

ここからはストーリーや会話で読み取れない、個人の憶測と妄想によるものですが、カノはソウマたちと旅をする以前から自分の死を覚悟し、命を賭ける相手を探していたのではないでしょうか?

カノとポラリスは同じ組織におり、
逃げ出す形で組織から離れたようだ


「ただ命を捨てるだなんてさすがにもったいないもの」

私には、はじめからカノが命を捨てること前提で会話をしているように思えました。

タマシイの進化を研究する科学者だったカノは、人間の想いや在り方について自らの研究を証明したかった面もあるのかもしれません。


または、タマシイが進化する過程を研究し、自分が想いの薄い人間だと知っているからこそ、自分の納得できるピリウドの打ち方(命を捨てる)を探す旅に出たのではないかと勝手な妄想をしています。


【ランキング】情報世界の放浪者
【上級】廃亡のイグジスタンスより


また、ゲーム内では隠者のタロットカードを所持したヨミに会うシーンがあり、ヨミから自分と真逆の性格を持ったソウマの存在を聞き、ソウマと共に旅をする決意をしたのではないかと考えています。



▼余談
ストーリーと関係ありませんが、ウェイト=スミス版(ライダー版)のタロットカードには愚者と隠者の絵柄を比較する解説&記述があります。

ウェイト版タロットカードの背景をご存知の方でしたら、この2人の並びに意図を感じるかもしれません。


■タロットカード愚者について

これはウェイト=スミス版(ライダー版)タロットやマルセイユ版タロットなどの絵柄やバージョンの問題ではなく、タロット自体のもう一つの側面(オカルト的原理)で考えなければなりません。

19世紀に活躍したフランスの神秘思想家エリファス・レヴィ

※リンク先のAmazonページは非アフィリエイトです

↑原書はフランス語のため、生田耕作氏が翻訳した上記2冊の訳文を参考にしています


この著書(教理篇・祭儀篇)はじっくり読むとエリファス・レヴィによるタロットカード(大アルカナ22枚)の教理とそれを用いた魔術の実践が書かれています。

19世紀末にイギリスで創設された魔術結社『黄金の夜明け団(Hermetic Order of the Golden Dawn)』はエリファス・レヴィの研究した魔術思想を体系化した団体でもあり、実際にウェイト=スミス版タロットはエリファス・レヴィの影響を受けてタロットを考案&デザインされています。


エリファス・レヴィ著書『高等魔術の教理と祭儀(教理篇・祭儀篇)』
彼の思想に基づくと、愚者は世界を旅したあと、自らがそれによって手に入れた財産、資産、経験全てを放棄することで、人間の神性を手に入れて魔術の奥儀(大秘奥)を成就させることができると言います。


エリファス・レヴィの著書はカバラ、錬金術に関する秘教&ヘルメス的思想が根底にあり、タロットカードの知識だけでは難解な内容ですが、自己解釈も含めて端折って解説すると、

タロットカードの象徴世界を旅を通して得た経験や知識などあらゆるモノを手放すことで、愚者は世界を制して予言と奇蹟を示すことができるというのです。

このような秘教的解釈を予備知識として知っておくと、ソウマを救うために愚者のタロットを持ったカノが手放したモノ、愚者でなければ示すことができないモノも理解できるかもしれないです。



■愚者のタロットと力の代償

世界のタロットカードを持ったベオと
愚者のタロットカードを持ったカノ

ベオによると、タロットゲームの勝者の力はタロット所持者の出来ると確信する範囲の出力だと仮定しており、その限界を少し超えた程度だと言っているので、本人が出来る範囲の力を大幅に超えた願いを叶えるのは難しいと言えるでしょう。


愚者のタロットカード
テーマ『無限の可能性』

・カノープス(恒星占星術)
水先案内人、死と再生、善悪の二面性(※)
(※)他者への行為が悪意→善意、善意→悪意となる

・タロットカード(秘教的解釈)
愚者の旅による「大いなる業」または「大秘奥」の成就(※)
(※)カバラ、錬金術、トートタロットに由来する教義


これらを総合的に考えると…

カノープスであり愚者でもあるカノにしか出来ないタロットゲームの勝者に与えられる代償とは・・・

・自らの命を犠牲にすること
・旅で得たすべてのモノ(記憶や想い、経験など)を手放すこと

タロットゲームを通じて、間接的にでも0.愚者から21.世界までの過程(愚者の旅)を経たカノにしかできない経験を手放し、既に死んでいるソウマの肉体を復活させたのだと推測します。


▼当タロットシリーズ動画の順番について

私の制作したタロットシリーズ動画はウェイト=スミス版タロットの考案者アーサー・E・ウェイトの解説とエリファス・レヴィの思想に則り、21.世界の直前に0.愚者を再編集して投稿し直しました。

タロットの種類やその人の思想によって愚者のタロットを添える順番が変わるので、私の順番も参考程度にお考えください。



■なぜ、カノは自らの命を犠牲にしてソウマを救ったのか?

自己犠牲と聞くと命を捧げることや他人へ尽くすことなど、ネガティブなイメージもありそうですが、Wikipediaによると以下のような説明がありました。

"自己犠牲(じこぎせい、self-sacrifice)とは、何らかの目的や他者のために、自己の時間・労力・身体・生命をささげること。"
Wikipediaより引用

他者への共感力が無かったり想いが希薄だったり、冷淡さや非情さが見える態度のカノの言動にはソウマも頭が痛くなっていましたが、

善悪を感情と共感で判断せず、物事を知識で理解しようとするカノの姿勢からは、他人の感情や想いに左右されない、ある意味で自分に正直な裏表のない性格にも思えました。

昔食べたオムライスのエピソードを語るカノ
美化された記憶も次第に曖昧になり忘れていく
鏡写しのように自分と正反対の性質を持ったソウマに対して、カノは無意識に嫌悪していたのかもしれない

自他の想いを優先せず、物事を効率で考えるカノ


ソウマに惹かれたのも、ソウマの存在を理解することで自分にないものを持っている彼から経験や知識を得ようとしていたカノなりの納得の仕方だったのかもしれません。


ブリキ、タイガ、ポラリス、サダク、メシエなど
それぞれの人々の想いや意志を理解すること。



それが、カノにとっての『愚者の旅』と言えるのではないでしょうか?

この時点では犠牲にするものを知らないソウマ
カノの名前(実名)を知らないことを、ソウマは気づいていない

自己犠牲は様々な場面や立場によって良い意味にも悪い意味も変わります。他者への奉仕を尊さとし、自己犠牲=無償の愛とされる宗教(主にキリスト教)もあります。

恒星カノープスの特性も、人によって善悪の矛盾性を併せ持つ星ですし、カノはソウマに悪意をもってソウマを生き返し(肉体を復活させ)ました。


正義と悪
善意と悪意
好きと嫌い


私は本来、人間は誰でも上記の性質を同時に併せ持っているものなのだと考えています。

人によって善意は悪意に、悪意は善意に変わる矛盾が常にこの世界に孕んでいる。

正義と悪のどちらが良いと優劣の差を付けたり、二元論で判別できないものが存在している。


物質世界で生きることは、肉体を通して労苦を伴うこと。古代ギリシアでは「人間とは労苦のなかに幸せを見つけるのだ」と唱えた哲学者もいたそうです。

ソウマのいう幸せは人として、肉体で得られる幸せも求めていたから生き返ることを望んでいたのでしょう。


しかし、肉体を介しての幸せには痛みや苦しみも経験しなければならず、労苦の中からでしか幸せが得られません。


名前を知ることは相手を知ることになる
特に実名は、魂や霊的人格を支配するといった言い伝えも…


▼肉体の死は平等に訪れる
権力や財産など物資に満たされた幸せを得られたとしても、死は誰しも平等にやってきますし、肉体の死を迎えたとき、生きていたときに得た物資的豊かさは全て手放さないといけません。


逆に精神的な幸せを満たしたとしても、経験、技術、名前、人との繋がりでさえ死を前にすると放棄さなければなりません。

ただひとつ、想いを残して。


未来の可能性は無限に存在していて、その瞬間を体験することも、無限の可能性から選択するしないも自由です。

想いや創造力が未来を創り出すのだとしたら、自分の意識をどこに向けるかによって観測する現実も変わるのだと思います。


それらを自己認識し、恐怖や無知とも向き合う勇気と覚悟ができたとき、はじめて人間はカノのような愚者になり得るのではないでしょうか?



■最後に

放浪を助ける力があった愚者のタロットカード
ベオからタロットを受け取っていた模様


カノの特性について個人の感想と妄想であれこれ考えてみましたが、どんなに憶測や考察をしても運営&開発チーム様の想定した設定とは程遠いかもしれません。

しかし、愚者のタロットカードを所持する人物の名前に『カノープス』の名前に当てたことに、今でも大きな意図を感じています。


消滅都市で起こった奇跡も、願うだけでは叶わない。


自分を犠牲にしてでも他者を想う意志と行動が必要な場面もあるのでは…自らを愚者と呼ぶカノに、私はそんな解釈を重ねてみました。


愚者について、それぞれで思いや考えを巡らせてみると、別の視点で新しい感想や意見も生まれると思います。

引用元:『消滅都市0.』天上の世界 第3章 物語の果て 予告PV

前を向き未来(右)へ進むタクヤとユキ
過ぎ去った過去(左)を取り戻すため天上の世界を旅するソウマとカノ


私の見解も一つの視点に過ぎませんので、全く参考にならない部分もあります。

現在も恒星占星術を学んでいる最中ですので未熟な面もありますが、またカノープスについて新しい発見がありましたら別の形で掘り下げてみたいと思います。

次回はベオの正体を惑星の水星やギリシア神話のある神と結びつけて考察します。


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