共依存3


家族に愛されてない。と感じると

愛を求めるようになる。




だれか私を好きでいて。

だれか好きなままでいて。




付き合っている男の子から

『そろそろ帰ろうか!』

と言われるのが怖かった。

私ともう居たくないの?まだ帰りたくない。



デートを断られた日も


友達といるほうがいいの?私はつまらない?




完全に束縛女だった。

それでも必死に色々やってくれた人もいた。

なのにしてもらえればしてもらえる程、

なぜか虚しい気持ちになった。





私は母からの愛しか必要としていなかったのだ。





ある日、父が深夜に叫んでいた。

家のベランダから叫び続けていた。


寝ていた私と妹の部屋のドアを蹴破り父が入ってきた


『おまえらの母親が男と逃げたぞ!!早く起きろ!』


何を言ってるんだろうか。

父までヒステリックをおこしている。


大丈夫だよ。迎えに行くからね。

私はもう朝も近い深夜に自転車を走らせ駅のホテルを片っ端からつぶし母を探した。


母にかけた120回目くらいで電話が繋がる。


やっと会えた。


男の人は私の必死な顔を見て笑っていた。

母と2人きりで話したい。そう懇願すると男が部屋から出て行った。

母はずっと泣いていた。

『ごめんね。ごめんね。』

泣きながら謝っている。


いいよ。早く帰ろう。大丈夫だよ。


私もボロボロ泣いていた。


母は首を横に振った。

『もう帰れない。ごめんね。』

なんで?大丈夫だよ、みんな許すよ。


いままでなにしたって謝らなかった母が

たくさんたくさん謝ってくる。


この日の為にごめんねを取っておいたかのように

たくさん謝ってくる。





結局その日、母を連れて帰る事は出来なかった。


家に帰ると同じように泣きじゃくった父が

リビングにいた。

父は心底母が好きだった。それを知っていたから辛さが痛い程伝わってきた。

私が迎えに行くくらいじゃ帰ってこなかったよ。

妹が行った方がよかったかな。


リビングで一緒に朝まで泣いた。



3日後、母は一度家に帰ってきた。

厳密に言うと出て行く為に帰ってきた。

父がいない時間を確認されタイミングを見計らって来た

もくもくと荷物をまとめる母に私は声もかけれない


『ごめんね。』

そういって出て行った。


父は怒りと喪失感と失望感でよく荒ぶれていた。


妹にはこの状況を、すぐ終わるから。

と何も気付かせないようにした。


離婚届やお金の話は私が伝達役になっていた。

父や母が話したがらなかったわけではなく

男の人が夫婦間でやりとりをするのを許さなかった。


離婚をしてほしくないなら伝達役なんかにならなきゃいいのに。離婚届なんか破けばよかったのに。

いまならそう思えたかもしれないけど


私は結局、母のしたいことを優先させていたのだ。

母が幸せになるように。誰の不幸よりも悲しさ寂しさよりも母だけが幸せであれ。

きっとそう思っていた。















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