騒音 3



翌朝起きると時計は12時30分を指していた。カーテンから光が差し込み、外で子供達が遊んでいる声が聞こえてくる


よく寝たなぁ。まだ眠れそうだ。

だけどお腹も空いたな。


冷蔵庫の中を思い出しても目ぼしいものは

思い浮かばない。


昨日コンビニ寄った時に朝ごはんも買ってくれば

よかったなと思いながら洗面所に向かう


洗濯機をあけるとあたたかさはなくなっているけど

綺麗になったことには満足出来た。


クローゼットにしまいながら考える。

散歩にでも出かけようか。どこかでランチしよう。


適当な服に着替え玄関へ向かう。



ドアを開けると右隣に住むカップルが鍵をかけていた


『こんにちはー』

軽く会釈すると

『あ、こんにちは!!』

と笑顔で返してくれた。

2人とも凄くイケメンだ。

1人の人はファッション系の仕事をしてるのだろうかと安易に想定できる程のモダンな格好をしている。

もう1人は長身でモデルでなければもったいないと思うくらい顔が整っている。髭がまたセクシーだ。


エレベーターを先に押す。

この時間が気まずい。

後方でカップルが会話をしているがなんてことない内容だった。

乗り込むと奥へ進む

エレベーターの中は沈黙だった


変わっていく数字を眺める


モデル風の男が少し振り返り声をかけてきた


『あの、、最近夜、音?気になりません?』


モダンな男がモデル風の腕をたたく

『やだっちょっと!急にやめてよ!すみませーんほんっと。ほんとごめんなさいね!』


すごい勢いで腕をたたく。

『あ、いえ大丈夫ですよ。音、、わたし疲れて帰って来ちゃうからかすぐ寝ちゃって。あまり気になった事なくて。』

『そうなんですね!すみません。唐突に。』

『いやぁ、あ、でもなんか貼り紙?ありましたよね』

『ですよね!あ、それ僕たちが言った訳じゃないんですよ。でもたしかに最近するよねって話してて。』

モデル風とこんな会話をした。モダンはずっとモデル風の裾をひっぱりながら申し訳なさそうにこちらを見ていた。


エレベーターを出るとお互い軽くお辞儀をした

彼らは左に曲がったから私は行くあてもないので

右に向かって歩いた。


歩きながら考える


隣の人が気になってるってことは

もしかしたらウチなのかな

したら下の階から苦情が来たのかもしれないな


当分夜中に洗濯機をまわすのをやめようか。

朝はバタバタ出ていくから時間ないのになぁ。

早起きかなぁ。

でもまわしてる間は家にいたいのにな。

結局考え事をしすぎてランチタイムの混雑したカフェに入る気にもならずコンビニで買い込み家に帰った。







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