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哲学/哲学対話を学びたい人におすすめの5冊

最近、哲学対話や哲学に関心のある人から初学者向けの本をいくつか教えてほしいという声を頂くので、わたしの知っている範囲でおすすめできる本を5冊紹介します。

今回は、哲学にまったく触れたことのない人/背景知識のない人を読者に想定して本を選定しました。込み入った議論や過去の哲学者の思想が出てくるようなものは避けていますので、これを足がかりに他の本にも手を伸ばし、各々で関心を深めていただければと思います。

哲学対話についてはこちら↓


① 水中の哲学者たち/永井玲衣

世界の不思議さや美しさ、脆さにそっと触れることのできる、やわらかくてやさしいエッセイです。わたし自身幾度となく読み返している一冊で、本棚のいちばんのお気に入りコーナーに置いています。

哲学や哲学対話の前提知識なしにすいすいと読めるため、関心があるけどなにから始めたらいいかわからない、という人におすすめです。


② 食べるとはどういうことか/藤原辰史

食べるとはどういうことかというテーマで、京大の先生と子どもたちが対話した内容を記録した一冊です。狭義の哲学にこだわらず、食べ物という身近なテーマでも哲学ができるということに気づいてもらえるとうれしいです。

ひとつの問いについてみんなで一緒に考えていく過程をじっくり追うことができるので、哲学対話をやってみたいけれどいきなり参加するのには抵抗がある、という人におすすめです。


③ 子どものための哲学対話/永井均

人間は何のために生きてるのかとか、死とはなにかとか、日常に潜む哲学的なテーマについての短い対話が40ほど載っています。さらっと読めるけど、真面目に考えながら読むと一生かかりそうな一冊です。

哲学者の思想や潮流を受けた発言が多いので、哲学に関心があるけどどこから始めたらいいかわからない、という人におすすめです。これを読んだあとに、特に興味を惹かれた箇所の思想家や哲学者を辿っていくと、関心を深められて面白いと思います。


④ 哲学の先生と人生の話をしよう/國分功一郎

読者からの人生相談に、哲学者の國分功一郎がさっぱりと回答していく本です。読み物としても面白いですし、哲学と人生との結びつきを感じることができるという点でも面白く学びの多い一冊だと思います。ただし、哲学へのハードルを下げているぶん、込み入った思想はあまりでてこないので、本格的に学びたい人はこれだけでは物足りないかもしれません。

國分功一郎の著作をいきなり読んで挫折した人や、自分の恋愛・人生についての哲学に関心のある人におすすめです。


⑤ 哲学で抵抗する

「すべてが哲学に見えてくる」という言葉通り、狭義の哲学にとどまらない考え方を知ることのできる一冊です。一風変わった哲学が展開されているので、すこし哲学を学んだあとの人にも新鮮に面白く読めると思います。わたしにとっても自分の関心の範囲から少し外れたテーマが多く、久しぶりの新しい世界との出会いにちょっぴりときめきました。

身近な問いよりは、社会に広く目を向けた問いに関心のある人におすすめです。


おわりに

インスタのほうでは、読んだ本や感想を随時アップしているので、よければフォローして見ていただけるとうれしいです。
また、みなさんからもおすすめがあればぜひ教えてください。感想なども寄せていただけると、なおうれしいです。



おまけ

以下に、インスタで公開済みの私の読書感想文を載せておきます(今回のカバー画像)。
なお、読んだ当時の感想なので悪しからず。

『水中の哲学者たち』(@chances_study.ac)
『食べるとはどういうことか』(@chances_study.ac)
『哲学の先生と人生の話をしよう』(@chances_study.ac)
『子どものための哲学対話』(@chances_study.ac)

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