2020.7.3 マンチェスターシティvsリバプール

久々に書きます。今回は文章のクセ弱めで書いてみたいと思います。

ぜひ最後までどうぞ。


両チームのスターティングメンバ―はこんな感じ。

スタメン

ここで後々重要になってくるのでリバプールの基本的な守り方をおさらいしておくと、相手CBが持った状態になると①フィルミーノがアンカー(ロドリ)へのコースを切る。②サラーとマネがSBへのパスコースを切りながらCBへプレス。③相手CBからピッチ中央に出たボールを強靭な中盤トリオが奪取してそのままカウンター。という方法。

これに対して、編み出された策が両WG(サラー、マネ)の頭を越すボールでSBへ届けるというものだった。これに対してリバプールは2種類の対応を取る。①中盤をスライドさせてインサイドハーフ(以下IH) をSBにぶつける。②SBを飛び出させる。というどちらかである。ただSBが飛び出るのはリスクが少々大きいので、中盤が間に合わないときに飛び出すというのが基本的なルールのように思える。

これがリバプールを取り巻く今までの流れであった。

今回もそうなるかと予測していたが今回グアルディオラが編み出した戦い方が予想の斜め上であった。

シティ ビルド

まさかの4-2-2-2。

ただしっかり見ていくとなかなか理に適っている。背中でコースを切るのが得意なフィルミーノも2つのコースを同時に切ることはほぼ不可能であるし中盤3人衆も後ろにポジション取るデブルイネとフォーデンのせいで迂闊に飛び出せない。詳しく見ていく。

シティ ビルド ゾーン1

シティは図の円のエリアに4vs3の数的優位、図全体でみても7vs5の数的優位を作り、リバプールの激しいプレスの中でも比較的自由にボールを持てていた。(シティの選手たちの技術とプレス耐性があってこそだが)

シティのCBがボールを持つと、目の前にはロドリとギュンドアンの2つのパスコースがある。ヘンダーソンとワイナルドゥムは背後にシティの選手がいるため迂闊に飛び出せず、ロドリとギュンドアンは比較的自由にボールを受け、リバプールの中盤は後手でプレスに行かざるを得なかった。

そしてシティの中盤にボールが入ることによってそこを経由してSBにもボールが入るようになる。これにもリバプールの中盤がプレスを仕掛けようとするのだが、どうしても間に合わない場面が生まれる。そういう場合にはリバプールのSBが突進してくるのだが、ここがシティの狙い目であった。

シティ ビルド ゾーン2

リバプールの中盤がスライドしてシティのSBにプレスを仕掛けるときはシティは急がずに中盤やCBへ戻して作りなおしていく。攻撃のトリガーはリバプールのSBが突進してきた時である。

リバプールのSBが突進してくるということは、もともといた場所にはスペースがあるということである。しかもそこにはデブルイネとフォーデンが位置している。ここはさすがのファビーニョでも手が届かない。そうしてボールをスムーズに進めていく且つ、優位な状況を作りしかもデブライネやフォーデンというスーパーな選手にオープンな状況でボールを渡すことに成功したのである。

要約すると①2CBとダブルボランチで4角形を作る。②中盤経由によってSBにフリーでボールを持たせる状況を作る。③相手が中盤スライドで対応してきたら焦らず数的優位な状況を使ってボールを動かしていく。④相手SBが出てきたらその背後にいるデブルイネとフォーデンを使い前進する。

大まかにいうとこんな感じである。実にペップらしい、巧妙によく仕組まれたビルドアップの構図であった。

対するリバプールはいまいちよく分からなかった。いつも通りといえばいつも通りなのだが、なんとなくはっきりしない雰囲気。

強いて言うならシティの4-4-2プレッシングに対してサリーや片側SB残し、パラを使って後ろを3枚にしようとしていたこと、それとひたすら裏のスペースにボールを送り込んでマネの質的優位を生かそうとしていたくらいしか見えなかった。ただすべての対応が試合中に慌てて立てた対応策のようにしか見えなかった。

この結果も納得な気がする試合であった。

エピローグ

この試合は事前準備の差がはっきり出たように思えた。

プレミアを制覇したリバプールに対し、必ず復讐するとすべてを用意周到に計画していたペップシティ。ここまで緻密に計画立ててくるとは思っておらず、すべての対応が後手に回ってしまったクロップリバプール。

もしこの試合が前期に行われていたらと思うともったいない気もする。

さて、ペップは宿敵リバプールへの最適解を見つけたように思える。これに対してクロップはどんな対策を立てるのか。

ただ一部の報道ではペップは今季限りでマンチェスターシティを退団すると報道されている。去就がどうなるかは定かではないが、もし真実だとするとこの二人の対決は最後かもしれない。ペップの勝ち逃げになるのか、、。


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