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ジュニア育成のためのテニスコート考察Vol.1 「理想」と「現状」の確認


皆さん、こんにちは。
「Change Court」記者のtakableです。

この記事では、日本のサーフェス(テニスコートの種類)とジュニア育成の関係性について調べます。(2022.3.8現在)

※記事をより簡単に読んでいただくため表記に独自のルールを利用しています。

 今回の記事作成の背景は、Twitterで繋がらせていただいた、九州のパパさんたちより、「九州各地にハードコートを作りたい」、「九州にハードコートがない!」、「デコターフのハードコートを…!」という声を伺いました。
 そこで、今回の「ジュニア育成のためのテニスコート考察」では、日本のテニスコート事情を一緒に確認しながら、下記3点を考察します。

・九州だけではなく日本にハードコートが少ない?
・日本育ちの子どもが将来、世界No1やGSタイトルを獲得するために、ジュニア育成に適したサーフェスはどのサーフェス?
・その他、サーフェスについての課題や解決策は?

 最初に、「サーフェスって何!?」、と思われる方もいらっしゃると思います。サーフェスは「テニスコートの種類」です。

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 日本では、上記5つのサーフェスでテニスをプレーする機会があります。世界での主流となるサーフェスを以前の記事、「日本の企業は全然テニスに注目してない(力入れてない)でしょー?」の疑問を考察 テニス×日本企業(ボール・サーフェス編)より、確認します。

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 上記の表から、世界で主流となっているサーフェス は、ハード、クレー、芝であり、17大会のうち12大会(70%)がハードコートを利用していることが確認できました。

今回の考察方法の整理


 今回の記事では、下記①~③を確認することで、ジュニア育成に適したサーフェスを考察します。②・③は2017、2018、2019の過去3年間の大会を参考にしました。理由は、2020年~2022年の間は新型コロナウィルスの影響で中止になる大会があったり、まだ開催されていない大会があるからです。

①ジュニア対象者:U-12(12歳以下)で出場する子どもの年齢
②盛田正明テニスファンド(MMTF)の選考対象の3大会サーフェスを調査
③上記の予選である地区大会の大会会場サーフェスを調査


①ジュニア対象者の年齢設定の理由


 CCでは、世界で活躍する選手に成長するためには、12歳~15歳(中1~中3)で留学を勧めています。そのため、今回の考察は12歳以下の子どもを対象にしました。その理由は、下記3つの考察をご確認ください。

12~15歳で留学を勧める理由の参考記事(3例)

CC100名考察による、世界で活躍するテニス選手100名の平均年齢
→「より専門的な環境へ移動する」時期は11.7歳と算出。

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「日本出身の選手は世界で活躍できる!?」
→日本人選手で留学経験者5名の留学年齢は13.4歳でした。U-12の頃から活躍している選手が多く、一番留学が遅い西岡も12歳の頃から留学を希望していたことを明かしています。

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LTDによる、スポーツサイエンスに基づいた年齢
→「より高いパフォーマンス」への流れより、11〜12歳と確認。

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 上記の3点により、12歳から子どもの身体の成長や大会成績に合わせて、練習環境が変化することが理解できます。以上により今回は、U-12のジュニア大会を基準として考察をします。

②MMTFの選考対象、3大会サーフェスを調査

 12歳から留学なんて、「費用が払えない」、「どうやったらいいのかわからない」、「サポートして欲しい」などの声があると思います。その問題を解決する1つのアイディアは、盛田正明テニスファンド(MMTF)による、留学支援です。
 この留学支援を受けることができれば、錦織、西岡、望月のような日本を代表するテニス選手と同じIMGを拠点にテニスができるようになります。
※IMGはテニスコート55面でハードとクレー

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 今回は、2021年のMMTFの選考基準を参考に、U-12の選手がMMTFの支援を受ける登竜門となる大会を基準にジュニア育成について考察します。 

 MMTFへの応募資格を得ることができる大会は下記3つで、日本国籍を持つ男女シングルスベスト8以上が対象です。

CC内では、下記の3大会を「Jr登竜門大会」と総称して表記します。
(ⅰ)全国小学生テニス選手権大会 (以下、全小)
(ⅱ)全日本ジュニア (以下、全日本Jr)
(ⅲ)全国選抜ジュニア (以下、選抜Jr)

 上記の大会に出場するためには、県大会→地区大会突破が必要です。要項はそれぞれの年代、大会、地区により異なりますので、お住まいの県や地区の要項をご確認ください。また、県・地区それぞれ3位に入ると次の上位大会に進出できるとイメージして記事をご確認ください。

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 Jr登竜門大会は過去3年間毎年同じ施設でした。このことから、「ハード」と「クレー」のサーフェスに対応できる力がU-12の選手には必要になることが確認できます。
※施設数が4の理由は、(ⅱ)全日本Jrが日程によって会場が異なるからです。

③予選である地区大会の大会会場サーフェスを調査

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 9地区で過去3年間3大会で使用された施設数は25県36施設でした。サーフェスでは「オムニ」が圧倒的に多く、29施設で80.6%になりました。クレーを利用しているのは、山梨県(全小の関東大会)の施設のみです。

 特に、北信越、東海、九州はオムニでの開催が100%です。九州のパパさんが、「九州にハードコートがない!」という声を発した理由が理解できました。

 今回の記事は、U-12の大会からサーフェスの考察をしました。U-12のジュニア育成のために、適していると思われるサーフェスの結論は、「ハード」と「クレー」が理想です。その理由は下記の3点です。

・テニス選手としてプレーするサーフェスは「ハード、クレー、芝」の3つ
・留学の登竜門であるMMTFの選考大会のサーフェスは「ハード、クレー」
・MMTFの留学先のIMGのサーフェスは「ハード、クレー」

 上記の理想に対して現状は、全国大会の予選である地区大会では、ハードコートの使用率が16.7%、クレーコートが3%であるのに対して、オムニコートの使用率が80%を超えています。

 世界の大会だけではなく、全国大会でも利用されていない、オムニコートの使用率が多すぎると思いませんか?
 ご自身だったら、「次の大会と同じサーフェスで練習したい!」、「GSや有名な大会と同じサーフェスで練習したい!」、または、お子さんが試合前に練習するのであれば、「次の大会と同じサーフェスで少しでも慣れさせあげたい!」と思いませんか?
 でも、「近所のコートはハードやクレーなんて少ないよー!」。そもそも「ハードコートが少ないんじゃないのー?」という声もあると思います。

 そこで次の記事では、理想と現状のギャップとして、感じている「日本にはハードコートがない!?」という問題を検証します。


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〜CC(Change Court)について〜
 CCは、テニスのジュニア育成に関する問題や課題を解決していくための考察記事です。
 「うちの地区こんな問題があるんですが…」、「これは正しいのかなぁ!?」、「これってどうしたらいいでしょうか?」そんなテニスのジュニア育成に関する悩みや課題を解決できるきっかけを皆さんと一緒に考察します。
 

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