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不倫はあらゆる人の人生を狂わせる。

最近タレントの不倫問題がまたニュースになっていたりするが、世の中にはその何百倍もの数の一般の男女が昼夜不倫を楽しんでいる。

特に会社勤めしていると、飲み会のあとや、毎日一緒に仕事をする中で、あれやこれやで男女の関係になっていく人間は少なくないのではないだろうか。

自分も一応会社員をしてはいるが、日中は全くわからないが、夜になると男女たちは動き出す。人知れず・・・。

男が妻以外の女に手を出すときは、仕事のストレスを忘れたい、妻よりも若い女に性的魅力を感じてしまう、など軽い理由で手を出す。

女もはじめはそうなのかもしれない。若い女にとっては、既婚者はなぜだか魅力的に見え惹かれるところから始まるパターンや、不倫もしくは浮気ごころに火がついてちょっと火遊び程度に体を許してしまうパターンが大概ではないか。

需要と供給がマッチしているからそれはそれでよいとは思うが、不倫の先に待っているのは、残念ながら大抵はハッピーエンディングは待っていない。

その終焉に待っているのは、女性の場合、下手すると相手の妻からの裁判出頭願いの書類か、ポッカり空いた大きい心の穴、そして知らない間に結婚出産のタイミングを逃し、後戻りができない女の旬が過ぎた自分自身だ。

私の友人でも会社のひとと一晩男女の関係になってしまった、これは不倫だよね?!などと、一晩限りの関係を不倫と鼻高々に自分が"旬な女"であることを自慢げに言ってくる女もいるが、不倫を一度でも経験したひとならわかるだろうが、それは、不倫なんかでもなんでもなく、ただ"遊ばれた"だけだ。現にそう私に自慢してきた友人とその相手は、その後何も発展しなかった。

一晩限り(もしくは数回の体の関係)の関係は単なる"浮気"で、"不倫"なんて域には全く達していないのだ。不倫はもっと命がけなのだ。

では、命がけの不倫とはなにか。

結婚する前は、とても単純に考えていた。若い女子と3、40代男性の快楽もしくは"純愛"に近い感情を楽しむもの、くらいに捉えていた。もちろん、相手の奥さんに対しては申し訳なさや慈悲などといったことはほぼ考えたことはなかった。

しかし、結婚した今、不倫とは、された方(妻側)の立場が痛いほどわかるし、相手の女に復讐したくなる気持ちが痛いほどわかる。

やはりひとはいざそのひとの立場に実際に立たないと、本当には理解できないんだろう。

こんなことを書いているんだから、だいたい想像はつくとは思うが私も例外違わず経験者ではある。

あの時は、ただの恋愛をしている感覚だった。ただ今までの恋愛と違ったのは、心が苦しい時が多かった。会えない時間が恋しくなってしまうが故に余計その恋心に火がついてしまったんだと思う。

それ以降の恋愛相手はだいたい既婚者だった。独身20代女子にとって、30代40代既婚男性は美味しい餌がぶら下がっているように見えてしまうのだ。わざわざ狙って既婚者と関係を持ったわけではないが、既婚者に魅力を感じることは多かった。

だが、私は1回目の不倫という恋愛で痛い目にあっているので、そのあと関係をもった既婚者に対してお熱を上げることはなく、ものすごい冷静にある程度の距離感を持って接していた気がする。

まあ、私の話はさておき。

今回は私が知る中で、最も衝撃を受けた"本物の不倫"を紹介したい。

その不倫愛は、今年で29年目に入るという。

29年目って・・・もうそれって浮気なんかとっくに飛び越え、不倫も飛び越え、ある意味ホンモノではないか。

私が今年31歳。私の人生とニアリーイコールだ。

もちろん、男性は結婚している。だが、女性は独身だそうだ。知り合ったきっかけは、社内。女性がほぼ新入社員の時からの関係だ。気づけば、女性も50代に突入しているという。男性は出会った時にはすでに妻子がいた。

不倫といえば、一般的に2〜3年、長くても5年以内くらいをイメージしていたが、そんなのを遥かに通り越し、しかも今でも週2、3回以上逢瀬を重ねているという。

驚くことに相手の男性の妻は、その不倫が始まった頃から気付いてはいたという。なのになんのアクションも起こして来なかったという。

2、3年ならまだしも、29年は、もはやただの夫婦、いや、夫婦以上の心のつながりがそこには存在しているのだろう。

男性の妻は、何度も男性やその親に不倫をやめてくれ!と申し出ていたらしい。しかし、男はその度にやめると言うだけ言って女性との関係を続け、その親もその男の出世のこともあるから見逃してくれと、昭和でよくありそうな理由で結局お金を積まれて口を噤むしかなかったという。

なんて哀れな妻だったんだろう、、。

もちろん、別れることも考えたらしいが、幼い子供二人を抱えて、職もないのに別れることができなかったし、訴えるということすら頭が回らなかったという。

そして、その妻はいつしか買い物依存症という病になっていった。安いものを買いあさり、家の中はモノで溢れるようになった。それをみても男は妻になにも言わずに放置してきた。妻はそれでけではなく、育児すら放棄し、専業主婦だったにもかかわらず家事を一切しなくなった。それもみても男は妻を責めることはなく、自ら家事をするようになった。

どうしてもその女と別れることをしなかった男に代わって、男の親は妻に毎月何十万もお金を渡していた。その行為が悪の循環を生み出し、いつしかその悪の循環はいつしか歯止めがきかなくなった。何度も何度も金融機関から、時にはヤミ金に手を出し、借金は6000万ほどに膨らんだ。その借金は今でも一部返済している最中だという。

そして今年はじめ、その男の親が93歳のこの世を去った。

唯一の理解者であり、パトロンでもあった男の親を失った妻は、誰にもこの事実を明かせずに荒んで行った。しかし、ある日とある人の紹介で怪しい浄化師とであった。新興宗教は嫌いな妻ははじめは半信半疑であったが、だんだんと知らぬうちにその浄化師にのめり込むことになる。わずかなお金を預け、あらゆる不調やあらゆる心の不安を浄化してもらう、と。お金はいらないと言っていた浄化師も、味を占めたのか、次第にその妻から金を毟るようになったという。それでも心が落ち着くなら、とお金を支払うようになっていった。

そんな浄化師が、先日亡くなった。

男の妻は、また心の支えを失った。

そして相変わらず、男は部下である女と不倫の最中だ。出張だと言って、いろんなところへ旅行をしている。


その話が、我が家で起きていることだと知った時は、怒りなのか、ショックなのか、感情が複雑すぎて心を整理することができなかった。

私にとってはとても優しい父だった。自分の親が自分の人生のほぼすべての時間をかけて外の女と不倫を続けているだなんて考えもしなかった。ただただショックだった。私ですらこんなにショックで頭が真っ白になったのだから、母親は尋常じゃないくらいショックだったはずだ。私たちの人生のために離婚できなかったのがどれくらい辛かったか。結婚した今、恥ずかしながらようやく母の気持ちが痛いほどわかるようになった。

自分を犠牲にしてまで、子供を守るのが親なのか。

私だったら自分の心を殺してまで、普通の生活ができるのだろうか。

そんな自信、わたしにはない。

私は長らく、なぜ母親は大量の借金をしてまで買い物依存するようになったのか、理解ができなかったが、この事実を知った今、なんだか申し訳なくなったし、悲しくなった。

なぜもっと寄り添ってあげられなかったのか、と。

母は、寂しかったのだ。

でも、それをどう処理すればいいのか、わからなかったのだ。

これからは、少しでも母親に寄り添ってあげたい。

私を立派に育ててくれて、守ってくれた母に。






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