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土曜日のおやつどきに駆け込む羊香味坊

ーどういうスタンスでお店に入ろうかー

冬晴れの土曜日 午後16時

上野で用事を済ませた私はお腹が空いていた。

「この辺りで行きたかったお店はあったかな〜」とGoogleマップに刺さりまくっているピンを眺める。

「御徒町 羊香味坊」が目にとまる。


神田にあるずっと行きたかった「味坊」という羊肉の焼き鳥屋さん(鳥じゃないんだけど)の系列店。

味坊行ったことないのに行っていいのかな、と一瞬迷う。

ドラマでいえば、第1話を見ていないのに第2話を見るようなものだろうか。

恋愛でいえば、好きな人には会ったことないのに、好きな人のお母さんには先に会ってしまうようなものだろうか。

まあそんな前後関係なんて気にする必要ないか。

と、御徒町方面に向かって歩を進めることにする。


・・・


御徒町に近づくにつれ、あたりは飲み屋街の雰囲気を漂わせ始める。

土曜日のおやつどきから飲んでいる愉快な人たちはたくさんいる。

でも私はおとなしそうな1人の女の子。

圧倒的アウェーである。

歩きながら、「私はどういうスタンスの客として入ることにしようか?」と悩む。

羊肉の焼き鳥屋×休日のおやつどき×女1人×そして飲み屋なのは知っているけれど、お酒を飲むつもりはない


ゴクリ。


結局あんまりいい案が浮かばなかったため、「私は!ラム肉が!食べたいんです!」っていうオーラで正々堂々と突入することにした。

(ぶっつけ本番)

カウンター席に通される。

店内はにぎわっていて温かかった。

メニューを眺めて、とりあえず「魚羊湯(白身魚とラム肉のスープ)」と「ラム串5本セット」を頼んだ。

他にもラム肉のクミン炒めとか、ラム肉の小籠包とか、ラム肉の餃子とか、ラム肉の腸詰とか、よだれラムとか、気になるメニューは山ほどあったのだが、圧倒的に胃袋の数が足りていない。無念。


最初はスープで暖を取る。

(いきなり〆みたいなメニューを頼めるのも1人ならでは。)

一口啜ると、「胡椒と香草を極限まで入れたらこうなるのか!」って感じのダイレクトなヒリヒリさで、白身魚とラムのだしが口の中で広がった。


そうこうしているうちに、お待ちかねのラム串が到着!


すっごくいい香草の匂い。

スパイシーというよりもジャンキーでハーバルな?匂い。

特にクミンが香る香る。

中学の体育の後の教室の、あの汗臭い感じを思い出す。

(悪口じゃないです。信じてもらえないかもしれないけど。)

ラム肉は臭みがなくて、部位によって、ぎゅっとする歯ごたえのものや、ぶわっと脂身が広がるものがあった。

おいしくて夢中で食べる。

写真の左から2本目は、ねぎまならぬ「長芋ま」、左から4本目は、「エリンギま」。

このエリンギがやけにおいしい。

直火で焼いたエリンギって何でこんなにおいしいんだろう。(定期)


ラム串を食べ進めながら、自分のお腹と相談してまだ食べられることを確認する。

でもガッツリは厳しいかも。

何を追加しようかな。


そういう時、私は大体メニューの冷菜コーナーを見がち。

(ふりだしに戻って満腹中枢を錯覚させる作戦。)

気になった「自家製板春雨の冷菜」をチョイス。

うっわあ〜〜。大きい!汗

つるっと一口食べる。

自家製板春雨、やばいくらいおいしかった。

糖質です!!って感じの純度の高そうなむっにむにさ。

讃岐うどんともまた違う、でんぷん!って感じの。

細くない春雨はもはや春雨じゃないような気もするけど、もちもちしてるからオールオッケー。

冷たくてさっぱりした。


満たされつつも軽やかなお腹をさすり、お店を出た。

あたりはすっかり暗くなっていた。

今度は誰かを連れてきたいな。

そしていろんなメニューを食べながら堂々と楽しむんだ。


・・・

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