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キーワードは「出口」と「素材」Webメディアと記事の役割を初心にかえって整理した

「なんとなく仕事してない?」運営開始から1年、月間UU100万に成長した和樂webですが、編集部はモヤモヤと悩んでいました。この数字って何のためにあるんだっけ?記事は何のために存在しているの?Webメディアって何のためにあるの?このままなんとなく進めていいの?

このnoteでは、編集長と私鳩が議論したことをもとに、和樂webにおけるWebメディアと記事の役割を整理していきます。


(たぶん、ライターの方、そしてオーディエンスのみなさんにも、ちょっとだけ役立つお話です!)

なんとなく仕事してない?

みなさんリモートワーク、していますか?私たちも、ZOOMやSlackを駆使して日々会話をしています。

しかし。パッと思いついたことを提案したり、気になることを呟いたり。そうしたちょっとしたコミュニケーションがとりづらく、もどかしい状態です。

この環境を言い訳に、なんとなく仕事をするようになった気がする。

数日前の編集会議で、編集長が呟きました。現在の混沌を抜けたあとは、よりシビアで、現状を疑わずに仕事をしていると、どんどん淘汰されていく世界がくると思う。それは仕事のスタンスだけでなく、メディアの存在も同じ。今の和樂webも、良い意味でも悪い意味でも慣れてきちゃって、なんとなく存在してない?そんなことを話して会議は終わりました。

▼最初はSEOもわからなかった

出口のないメディア

和樂webが、なんとなく存在しているような感覚。結論から言うと、その理由は、このメディアに「出口」がないためです。記事に辿り着くと、多くの人がちらっと読んで「へ〜」と呟いて、閉じたり戻ってしまうのです。

記事は何のためにあるのか?

2019年4月にスタートしてから「和樂web」の数字は順調に伸びています。

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一方、それを維持するために常套手段をとるようになり、既存の大手ニュースメディアと同じような戦略、思考が増えてきました。

中でも数値目標達成のため外部配信を頼ったことは、和樂webの方向を大きく転換しました。「外部配信からWebメディアへの流入をいかに増やすか」それに注力する。コンテンツのテーマこそ即時性のない「日本文化」ですが、やりかたは、ニュースメディアのそれと同じです。

これによって、和樂webの記事の存在意義は、一瞬でもたくさんの人に読んでもらうこと。たとえ回れ右して帰られるとしても、オーディエンスが記事にたどり着くことが、重要視されるようになりました。

▼こんなかんじで、ここしか見えてなかった。

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Webメディアである意味

たくさんの人に記事を読んでもらいたいことは間違いありません。しかし、それだけのミッションであれば、ブログでだって実現できる(noteでも)。じゃあなぜ、わざわざWebメディアをやっているのか?

日本文化の入り口マガジンである「和樂web」。そのミッションを一言で表すと「日本文化の民主化」です。多様な日本文化の楽しみを伝え、シェアし、語り合うための場所と入り口をつくる。個人の発信ではなくライターもオーディエンスも編集部も、みんなが活動できる場所を実現するために、ブログではなく柔軟な表現と進化が可能なWebメディアを持っているのです。

それなのに、シェアし、語り合うスペースもない。入り口ばかりに気をとられていたからです。気づけば、和樂webは本当の意味で「入り口マガジン」になってしまいました。そこに「出口」がないのです。

ひとつひとつの記事の出口

記事の出口とは?それはオーディエンスへのプレゼントだと、私は解釈しています。記事を読んだ後に持ち帰ってもらう何か。具体的な例を挙げると.......

・ほったらかしベーコンのレシピに挑戦して料理をするようになった。
・初代館長がホルマリン漬けになってる自然館に行きたくなった。
・5000文字超えの戦国記事でもっと知りたくなって、武将辞典を買った。

など(これらは編集部の実体験です)。心をゆさぶられたり、人生を変えるような出会いがあったり、何かアクションを起こさずにはいられなくなる体験。それがプレゼントです。(どうすればオーディエンスの心をゆさぶられるか?ヒントは以下の記事にある企画8箇条で。)

プレゼントが増えるほど、ライターのファン、ひいては和樂webのファンが増えていくことにつながります。楽しい!好き!おもしろい!そういう気持ちが溢れたときにはじめて、シェアし語り合う、双方向のコミュニケーションの場が必要になるのです。

和樂web=intojapanwaraku.comだけではない

ここでもうひとつ考えを改めなくてはならないことがあります。それは、「和樂web」=intojapanwaraku.com(Webメディア)だけではないということ。

SNSをはじめ他の情報発信手段も全部ひっくるめて「和樂web」の活動で、それらすべてが「日本文化の入り口をつくる」に帰結するということです。双方向のコミュニケーションの場所を今すぐにintojapanwaraku.comで実現せずとも、noteやTwitterやInstagramで実現すればよいのです。

▼理想の状態

和樂webの現状図

たぶん、ZOOMを使ってライターの方と一緒に週1で開催している「オンラインスナック」のような活動を、もっとオープンかつ積極的に展開しなくちゃいけません。

intojapanwaraku.comは素材集である

最後に大きな和樂webの活動の中において、intojapanwaraku.comはどんな存在であるべきか?大きな指針として「intojapanwaraku.comは素材集になるべきではないか?」と話しました。和樂webの記事1本1本は日本文化を楽しんでもらうための、おいしい素材である。オーディエンスや編集部は自由に料理して、シェアして、語り合う。和樂webはそういう場所を目指す。オーディエンスとライター、そして私たちが、それぞれ同じ素材に違ったかたちで関わり合い、新しい楽しみ方を生み出していく。intojapanwaraku.comは、日本文化のスーパーマーケットのような存在になろうとしています。

記事は出口ではなく入り口である

ここまでの話をまとめると以下のようなかんじです。

・intojapanwaraku.comへの流入=入り口ばかりを気にしていた
・記事の出口を意識するようにする
・intojapanwaraku.comを含む全ての表現手段が和樂webの活動である
・SNSを使って和樂webにシェアし語り合う楽しみを増やす
・intojapanwaraku.comはそのための素材になる

私は、過去の仕事でいくつかのWebメディアやサービスに関わり、広告や販売など収益的な意味での「出口」を議論してきました。しかし、関わるライターやそこに訪れたオーディエンスのみなさんにとっての「出口」について、熱く議論したことはほとんどありません。

それは、記事=Webメディアの世界をつくるためのパーツであり、Webメディアに誘うための要素であると、信じられていたからです。

私たちも危うく「上から目線」に陥いるところでした。もしかすると「なんとなく」仕事をするうちに、多くのメディアが「上から目線」になっていくのかもしれません。オーディエンスに対しても、ライターに対してもそうです。

「上から目線ではなく下から目線だ」と編集長はよく言います。今、和樂webがやろうとしていることは、1年間の知見を生かしつつ「下から目線」をWebらしい表現や方法で再構築していく作業なんだと思います。原点回帰しつつ、全速前進です!ツールもサービスもあれこれ試行錯誤して、1年後にはまったく違う姿になっているかもしれません。

手始めに、ZOOMやインスタライブを使った取り組み、Twitterでのコミュニケーションに注力し始めました。今後の活動もnoteでガンガン発信していきます。どうぞお楽しみに!

\5月15日(金)ZOOMでオンラインスナックを開催します。名付けて/

「スナック日本文化」開催のおしらせ(この回は終了しました毎週火曜日20時オープンしています)

オンライン(ZOOM)で開店!

みんなでわいわい日本文化を楽しみ、シェアし、語り合う第一歩として、5月15日(金)16時〜 和樂webの公開オンラインスナックを開催します!参加するのは編集長セバスチャン高木、編集部スタッフ、ライターのみなさん、そして和樂webのことがちょっと気になっているあなたです。当日は日本文化にまつわるフリートークのほか、運営の裏話もする予定です。


※参加する際はマイク「OFF」でご参加ください。

▼参加希望される方は、所定の時間に、以下のスペースにご参加ください。(5月15日(金)16時〜)




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