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noteで出張展示。企画展「Art Jungle 藝大動物園」より一部をご紹介します

こんにちは。藝大アートプラザと和樂webのスタッフ、鳩です。

▼和樂webがなぜ藝大アートプラザを? そもそも藝大アートプラザって何?という方はこちらのnoteをお読みください

現在上野の藝大アートプラザでは企画展「Art Jungle 藝大動物園」が開催中です。50名を超えるアーティストたちによる、思い思いの「生き物たち」が展示されています。

展示風景

先日、Twitterで作品をご紹介したところ、大反響をいただきました! そこで、今回noteでは、企画展に出品されている作品の一部を、作家のコメントと共に、出張展示します。 限られた点数ではありますが、ギャラリーで鑑賞するように、ゆっくりお楽しみいただけたら幸いです!

さあ、Art Jungleへ! 出張「藝大動物園」

私たち人間もいつか元素に戻り、この世のあらゆるものに循環するイメージの中で、いつか花びらの一部となることを夢見て作りました。小さな金色の粒の部分が元素をシンボル的に表した部分です。
(青木 飴色)

暮らしの中で寄り添うような、気持ちが安らぐ作品になれば…と思いながら制作しています。動物たちは、遠い記憶に思いを馳せているような、どこか遠くを見ている眼差しをイメージしています。
(長久保 華子)

「はねうさぎ」と「はねひつじ」は一緒に暮らしたいと思う架空動物です。哺乳類ですが羽毛を纏い、飛べませんが跳躍します。胸に赤いハートの羽毛を蓄え、人に懐き甘い匂いがします。体温は人より高く寒い日に重宝します。冬は羽毛を広げて温まるので丸く、夏はスリムになります。
(小林 佐和子)

蛾をモチーフに、陶の素材を用いて立体作品を作りました。小さな生物の愛おしさと、何を考えているのか分からない虫の雰囲気を意識して制作しました。
(浅野井 春奈)

素朴な鶏(烏骨鶏)にそそられ、彫刻にしてみたいと思い制作しました。細かい羽根の形などよりも、全体的なフォルムに魅力を感じ、スピード感を意識しながらクロッキー的に彫刻しました。
(鈴木 友晴)

彼女は繊細で聡明で、臆病な犬でした。常に耳を澄まし、小さな物音も聞き逃しません。しかしある時から、自分の名前やドアホンの音にも反応が遅くなりました。年齢とともに聴力が衰えてきたのです。はじめは動揺していたようですが、次第に穏やかに昼寝を楽しむようになりました。隣人の声も遠雷も彼女を煩わせることはありません。聴力を失い、彼女はあらゆる不安から解放されたようです。 今、彼女の耳は全く聞こえません。静けさとはどのような音でしょう。世界はいつも恐れと喧騒で溢れかえっています。 この作品はある一匹の老犬の耳に流れる平穏な静寂を形にしたものです。
(平良 光子)

そっと吹く春の風のように身体を包み込んでいる。孤独はいつもそこにあるもの。待ち続ける子供は凛として愛おしい。
(東條 明子)

動物は人間と変わらない感情を持ち、時に寄り添ってくれる優しい存在。私達との違いは毛がもふもふで4本足くらいだと思っているので、その境目が分からない生き物を想像しました。前足2本がぶらんとした鹿とクーズーという動物です。たくましすぎる首と信じられない小顔にびっくり。
(ねがみ くみこ)

犬は1万年以上前から人間のベストフレンドらしいです。コントロールされている生き物に哀愁を感じる一方、実は人間こそ手のひらで踊らされるのではないのか、とふと思うのです。人間によって作られた革風のツギハギ犬が実は意志を持っている。そんな作品です。
(ねがみ くみこ)

おまるごと移動ができたら無敵なのではというコンセプトの元に制作をしました。 一生のうちでトイレで過ごす時間は3年という話もあります。人生の大問題がこれで解決。おまるの定番はアヒルさんですが、ちょっとだらしのない顔をしたバクのおまるに私は乗りたい。
(ねがみ くみこ)

本当に好きで求めてしまうものにはもう出会っていて、気づかないうちに私の芯の部分に流れていて、新しく出会った大切なものや興味が重なっていく。言葉では伝えきれない経験や想い、感情といった形のないものを線や色を使って表現する時間が気持ちいい。最近はそんなことを考えています。
(内田 惠)

普段から目に見えないものを日本画にて愛嬌込め描いております。今回は妖怪と想像上の生き物の龍を描きました。目には見えなくてもいつも空を漂っているというようなイメージです。
(平良 志季)

博士課程で研究した円山応挙の孔雀図の制作技法を通じ、自然界の装飾美を極めた孔雀の美しさに改めて気づき、応挙が伝統的な素材を用いて美の表現に取り組んだ姿勢を追体験しました。今回は私自身が岩絵具や金箔を使用して、実際の色に囚われず自由に孔雀や鳥の優美な姿を表現しました。
(須澤 芽生)

ユーモアと想像力を使って人の心に明かりを灯すことと、心のシェルターになれるような作品を作りたいと思っています。
(佐竹 広弥)

作品のテーマは、食べ物が持つ形や色、切らないと見えない断面の美しさを動物たちと組み合わせ、新たな生物や世界を生み出すことです。そこには食べる、食べられるを越えた関係があります。もともと動物が大好きで、様々な動物園に取材に行きます。動物たちから感じる印象をどの料理に当てはめれば活きてくるか、まさに料理をする意識で制作しています。今回の絵はデザート系でまとめました。 絵を観る人の目とお腹を満たしていただければ幸いです。
(岩澤 慶典)

動物園なのでいきものがやってきました。うーん なんのいきものなんだろう?図鑑でも見たことのない いきものたちがまだこの世界にもいるのです。それを発見できるかはこころしだい。こどもの頃は図鑑を見なくても たくさんのいきものを知っていたような…なかまたちをひとつ紹介します。さんぽぽです。さんぽぽは足がぽきっと折れたのでなく、もともと三本足で車輪でごろごろ移動します。
(内田 早紀)

犬は人間に飼いならされた最も古い動物といわれています。 身近にいて、親しまれている犬は古くから装飾に使われてきました。 (海野弘著『ヨーロッパの装飾と文様』より) 今回は犬の形をくり返し用いることによる表現を試みました
(筧 由佳里)

パンク・ロック音楽における衝動性や簡潔さを制作プロセスに組み込んでいます。無駄だと感じること・何でもないことは、生活において重要です。今回の作品は、トートバッグの制作時にインクが滲んでしまい、落ち込んだ経験から始まりました。その感情に、同時期に見た動物の脱走の動画を掛け合わせミーアキャット柄のバッグの落とし物看板を見て、動物が脱走したと思い込みで探す2人の風景を描きました。論理性のない一瞬を組み合わせると、不条理な風景と限りない情報が生まれます。全体が個人を作るのではなく、個々の存在が全体の風景を作っていくと思っています。
(川窪 花野)

借金をすると容赦なく取り立ててくるという、恐ろしい鳥を描きました。(長谷川 雅子)

早朝、鳥が一斉に鳴き始めると朝が来た。 1日が始まるなぁ!と思います。 鳥は私たちよりも早く目覚めて、朝の光のうつくしさ、生きる喜びを教えてくれる。
(樋口 亜弥)

未確認生物はロマンだ。『いそうだな…』と感じるラインを行ったり来たりしている。ビックフットを見たとされる写真はなぜかブレている。雲の隙間を飛ぶ龍だという映像は小さく何かが写っているだけ。でもそれが本当だったりする世界を私は想像し、フィクションの世界を感じていたい。
(岩崎 拓也)

和紙にクレヨンで線を引いて、それを残すように岩絵具を塗って制作しています。クレヨンは勢いの良い線が引ける代わりに細かく細密に描けません。なので対象がそれとわかるギリギリの、シンプルな形を探します。形が決まればあとは岩絵具の質感に頼ります。心地よい絵肌になったらそこで手を止めます。形が良いときは余計なことをしなくて良いので、比較的はやく手が止まります。
(杉山 佳)

上野の藝大アートプラザでは、ここでは紹介しきれなかった作品もたくさん展示しています。ぜひ、あなたのお気に入りの作品を探しに、藝大アートプラザへお越しください!


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