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鳥総松(とぶさまつ)

お正月に備えて入口に飾るものといったら「注連縄飾り」と「門松」日本独特の飾り物です。自宅の玄関などにも飾りますが、神社の注連縄や門松は力強く、神聖で清浄さを感じます。
注連縄は神の領域と俗世間との境界を示し、穢れが入るのを禁じています。注連縄は稲わらで作ります。稲わらは真夏のまだ穂の出ないうちに刈り取って「実取らず」という意味で、それは後の「実り」につながると言われます。
注連縄の縒り方にも様々あり、前垂れ締め、大牛坊締め、大根締めなどがあります。

前垂れ締め

写真は前垂れ締めで、紙垂と藁を垂らしています。紙垂は雷光・稲妻を表していて、邪悪なものを追い払う役目があります。
注連縄が太くて短いものは、大根締め。大根締めを細く長くしたものを牛蒡締めといいます。

代行締め
牛蒡締め

また、「門松」は、年神様が降臨するための神の依り代です。「松竹梅」の「歳寒三友」というおめでたいもので作っています。

竹3本で形を作り、松の枝を周りに飾り付け、藁で松と竹をくくりつけ藁縄で門松の前に梅の模様を編んでつけています。松は常緑樹であることから、不老長寿の象徴とされていて、竹も一年中緑の葉をつけていて竹の子などもでることから子孫繁栄も意味します。梅は年明けて、一番最初に咲く花としておめでたいものとなっています。
そして門松を飾った後の言葉に「鳥総松(とぶさまつ)」というものがあります。門松を立てるための掘った穴に、飾り終えた門松の松を一枝折ってさしておきます。これは、木こりが木を倒した後に神様に供えた風習から来るものです。
何とも日本らしい風習です。「鳥総松」は俳句の季語になっています。



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