第17回ど文系のお金の話

第17回ど文系のお金の話。今日から国際金融について解説スタートです。
今日のお話入る前に少しだけ復習ですが、お金の価値の本質とは信頼です。とある貨幣を使用する人どうしが、「貨幣は肉や魚、野菜など様々な財やサービスと交換することができる」と信頼しているので貨幣は商品と交換ができるのです。いつものお札、日本円で買い物できるのは日本人が日本円には価値があると信じているからです。詳しくは第2回ど文系のお金の話をごらんください。

さて国際金融についてですが、国際金融は国ごとに中央銀行が異なり、異なる通貨を発行しているため必要となります。当たり前のことですが、ある国の通貨は他の国では使えません。なぜならその通貨は他の国では価値が保証されていないため、信頼されておらずただの紙切れも同然となってしまいます。このため世界規模で取引をするためには各国の中央銀行が協力し、各国の通貨を一定のレートで交換する必要があるのです。

この世界的な交換経済を支えているのが基軸通貨です。世界で最も信頼されている通貨とも言えます。基軸通貨を通してとある通貨は実質的に世界中の貨幣と交換することができます。現在この世界の基軸通貨はアメリカドルです。現時点でこの世界の中で最も信頼されている経済がアメリカ経済でありアメリカドルなのです。このアメリカドルが基軸通貨となることで、日本円はユーロとも、ポンドとも、はたまたランド(南アメリカの貨幣)とも交換することができるのです。

外貨と国内通貨が交換できる比率のことを為替レートと呼ばれます。為替レートには変動レート制と固定レート制があります。変動レート制とは為替レートの動きを市場に任せる自由なレートのことで、固定レート制とは為替レートが基準値から離れないように国が介入し基準値に引き戻す制度のことです。

ここで前回お話しした円安と円高についてお話しします。複利と単利、インフレとデフレのように、円安と円高って何が何だかわからなくなりやすい項目だったりします。簡単に言うと円安とは日本円の価値が外貨と比べて低い状況のことです。円高とは日本円の価値が外貨と比べて高い状況のことです。1ドル100円の状態から1ドル110円になるのは、円の価値が下がってドルを買える量が減っているので円安です。1ドル100円の状態から1ドル90円の状態になるのは、円の価値が上がってドルを買える量が増えるので円高です。

円高円安の理解がなぜ難しいのかと言うと、とある1つの状態で判断できいる概念ではなく時間の経過によって円安円高か判断するものだからです。絶対的指標ではなく相対的指標であるとも言えます。なーにいってるかわからないと思うので、別のもので例えてみましょう。コップに水が入っているのを想像してください。この水を冷やせば氷になり、加熱すれば蒸発して気体になります。しかしみなさんご存知の通り水がいきなり氷になったり気体になることはありません。水が徐々に氷になったり気体になったりするのです。唐突に氷、唐突に水蒸気にならないように円安円高も時間の経過とともに決まります。昨日と今日の比較で昨日よりも円高なのか、円安なのか、円の価値が下がったのか上がったのか判断されるのです。

最後にまとめると、昨日と比べて今日1ドルが安く買えるなら、円の価値が上がったので円高。昨日と比べて今日1ドルが高くなったなら、円の価値が下がったので円高です。

本日はここまで、お付き合いいただきありがとうございました!
明日は為替レートの決定要因と国際金融のトリレンマについての解説です。
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