第15回目ど文系のお金の話

第15回目ど文系のお金の話。今日のお話は株価の決まり方についてです。

株がどのような商品だったかおさらいしましょう。株式とは株式会社が経営の意思決定権を小口分割し販売している金融商品で、購入者は株主として会社の経営に参加できるほか、一定期間株式を保有することで利子を受け取ることができます。株式の価格は日々変動し、投資家は購入時の株式価格と売却時の株式価格の差額で利益獲得を狙います。株式には満期がなく企業が存続する限り配当を受け取ることができます。しかし株の配当は企業の成績次第であり、売買によって得る利益も運用結果が不明確なのでリスクを持つ金融商品です。

個別の株の価格は各投資家が大量に株を売買することで変動する部分と、日本経済が上下することにより変動する部分の二つがが組み合わさって成り立ちます。このうち投資家の大量売買によって発生する価格変動のリスクは様々な業界や種類の株式を保有することにでリスクが分散、軽減することができます。一方で日本経済の変動に株価の変動が影響される部分は、どの程度日本経済に依存するかによって理数の大きさが異なりこの点にリスクプレミアムが発生します。日本経済への依存度が低いとその株式の安全性は高まりますがリスクプレミアムは低下し、利回りは下がります。

ちなみによく聞く日経平均株価とは、投資家の危険資産に対する受給の一致点を示します。市場に出回る株式全ての平均収益率と標準偏差のバランスが取れた点ということです。日経平均が下がるのは投資家がリスクをとることを嫌った結果であり、日経平均が上がるのは投資家が積極的にリスクを取った結果ということです。

ではこの株価を正確に予測し絶対に損しない状況を作るにはにはどうしたら良いのでしょうか。みなさんが気になるポイントだと思いますが、ここで一つ残念なお知らせです。何かいい方法があるんじゃないかと思わなくもないですが、学問的には株価を100%正確に予測することは不可能です。ある程度正確性を維持しながら予測することは可能ですが、市場が健全である限り、株価を100%予想し絶対に損失を出さない状況を作ることは不可能です。なぜなら株の価格を決定する入手可能な情報は限定的で、未来になにが起こるかは我々人間にはわからないからです。これから機会が発展し未来が予知できるようになったとすれば資産価格の予想は可能になるでしょうが、今までの価値観もガラッと変わり株の仕組みも一新されそうです。

先程市場が健全である限りと但し書きしましたが、市場が健全ではない場合とはインサイダー取引のように誰かが一人勝ちで利益を独占している状態や、金融危機のさい誰もがパニックを起こして資産の投げ売りを行なう状態では株価の動向はかなりの確率で予想できます。しかし、市場になんのトラブルもなく互いが株を売るのか買うのかわからない状態の時は未来になにが起きるかわからないので株価は予想できません。

株の売買や資産運用で成功するためには、経済の動向に影響するノイズとシグナルを見落とさないように、経済トレンドに沿った経済活動を行う必要があります。ノイズとは経済動向に影響を及ぼさない経済トピック、シグナルとは経済動向に影響を及ぼす重要なトピックです。しかしとある経済トピックがノイズとシグナルのどちらに属するか見極めることが難しいので、経済動向や株価の予測は難しいのです。

以上が株価の決まり方についてでした。最後までお付き合いいただきありがとうございます!
次回は株の運用方法について解説していきたいと思います。気に入っていただけましたらフォローお願いします!