第20回ど文系のお金の話

第20回ど文系のお金の話、今日のテーマはお金の歴史近代編です。
なんと今回でこの連載も20回目になりました。お付き合いいただきありがとうございます!これからもちまちま続けていきますよ〜。お金の歴史近代編というわけですが、今回のお話は貨幣が登場した後の貨幣と金の交換を保証していた金本位制の時代からスタートします。

今お話しした通り金本位制とは貨幣と金を一定比率で交換することを認め、貨幣の価値を保証する制度のことです。今ほど政府の信頼が高くなかった時代、交換経済において貨幣の地位を安定させるために価値のある金との交換を保証することで貨幣の価値を保証していました。金本位制のメリットは金の採掘量が限られているため、発行可能な貨幣の量が制限されるのでインフレになりにくいという点です。しかし貨幣の量が制限されるということは、貨幣を大量に市場に流通させる金融緩和など不況対策の政策を打ちにくくなります。そのため戦費調達や大恐慌など、多くの貨幣を必要とする状況に当たり多くの国が金本位制から離脱していきました。

少し脱線して、インフレーションを誘発するヘリコプターマネーについての解説です。ヘリコプターマネーとは政府が戦争やデフレなどによる不況打破のために、市場に流れるベースマネーの量を無理やり増やそうとし、無理やりお金をお使うことを言います。財政支出を増大させたり減税によって経済を刺激する際に、必要となる貨幣を中央銀行に買わせることでベースマネーを増やします。適度にやって適度に終わらせるのであれば問題ありませんが、やりすぎると貨幣の価値が低下しインフレーションが発生します。

金本位制の崩壊と固定レート制から変動レート制への移り変わりを見ていきましょう。第二次世界大戦後のブレトンウッズ体制下のアメリカにフォーカスします。当時の国際金融では各国が米ドルに対して為替レートを固定し、さらに金1オンスを35ドルと交換できる間接的な金本位制のもと取引が行われていました。この制度によりアメリカは自国の景気に注目した金融政策を実施することが可能となりましたが、マクロ政策の規律を欠いたため1970年台前半にこの間接的金本位制は崩壊し、各国の国際金融政策は固定レート制から変動レート制へと変化していきます。

変動レート制に世界の経済が変わっていくと国際資本の移動規制が緩和されました。これにより各国の資金の貸し借りや投資商品に対するリスク変換が活発化していきました。このため投資の内容が不透明になり危険ん投資が増加したり、新興国の極度な借り入れが発生したりと自由な経済が活発化していくなかで多くの金融危機が発生することとなります。

今回のお話はここまでです。次回は最後に触れた諸外国の金融危機について説明していきたいと思います。本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました!気に入っていただけたらフォローお願いします。