20××年12月。高校三年生の私は受験勉強に勤しんでいた。 そんな時、晩御飯にアジの干物が出されたのである。 夜遅くまで塾で勉強し、晩御飯をすぐに食べ、勉強しようと思っていた。共通テストも1ヶ月に迫り、非常に焦っていたのである。後で思えば、この焦りが非常によくなかった。“早く”食べて勉強しなきゃと自分を追い込んでいたのだ。 目の前に広がっていたのは、身に骨がへばりついた難攻不落のアジである。早く食べられるような代物ではなかった。 「なんか喉の奥が痛い」 そう思
私はどうしようもない貧乏性だ。 コンビニにあるパンの陳列棚を見るだけで食べた気になって買わなくて済むくらいに、だ。 貧乏性なくせに、大分県に旅行へ行きたい。そこにある「進撃の巨人ミュージアム」がどうしても見たい。 なんて愚かなのだ。旅行なんて、私のような大学生がやる行為の中で最もお金がかかるというのに。 私は考えた。 捻り出した。 「働きながら、旅行をすればいいではないか!」と。 私はある大分県にある高級旅館で1週間程、仲居をすることに決めた。 当日を迎え