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「イコライザー2」を観てきたよ

アントワン・フークワ監督、デンゼル・ワシントン主演の「なめてた相手が殺人マシーンでしたモノ(byギンティ小林)」ジャンル映画です。

このジャンル映画ファンとしては「ジャック・リーチャー」に次いで外せない映画ですが、ジャック・リーチャーの二作目「ネバー・ゴー・バック」は一作目「アウトロー」が100点だとしたら残念ながら70点の出来でした。

続編がパワーダウンしたわけではなく、構成要素(親子モノ)が増えてしまい一作目のシンプルさを求めていた僕のお口に合わなかっただけで、映画としての完成度は上々だったはずです。

しかし、語り口と映画としての味わいは一作目と二作目は違っていて、一作目の監督がクリストファー・マッカリーだったのに対し二作目がエドワード・ズウィックだったことが大きな要因だと思います。

今回の「イコライザー2」で懸念したのは、この監督問題でした。

ハリウッド映画では続編を一作目と同じ監督がメガホンと取ることの確率は半々くらいなのです。(個人の印象です)

そして、監督がチェンジした二作目の「鳴かず飛ばず率」も割と高めだと言う・・・。(同じく個人の印象です)

一作目が好評だった本作に、わかってないプロデューサーが他の売り出し中の監督を抜擢することは容易に想像ができました。

しかし、「イコライザー」はアントワン・フークワ監督の発明品と言って良いような作品だと僕は思います。

そんな作品の監督をフークワ以外が担当しても前作を凌ぐ映画になるとは思えないのです。

実は「イコライザー2」を劇場に観に行くまで、ストーリーはもちろんキャストやスタッフまで含め、一切の情報をシャットアウトして臨みました。

フークワ監督じゃなくても、どうせ観に行くものですから。

そんな状態で劇場の座席に座ったとご想像ください。

冒頭でイコライザーのイコライザーたる裏稼業のシーンから始まる。

その後、前半は主人公を取り巻くアメリカの風景が延々と続く。事件が起きない。観ていて退屈とも言えるのだが、必ずどこかからイコライザーのシーンが延々と始まることは解りきっている。イコライザーのシーンとそのカタルシスを観に来たクセに、せめて少しでも長くこの平和なシーンが続いてくれと願うこのアンビバレンツな気持ち。

もちろん平和なシーンだけでは冗長なので、プチイコライザーな出来事は起きる。

「プチイコライザーな事件だけでも十分楽しいのにな」と不埒な考えが首をもたげる。

何故ならば、平和な描写が長ければ長いほど、デンゼルくんの裏稼業を知らずにデンゼルくんに接する市井の人々が、今後起こるであろう事件の被害者になるのだ。巻き込まれてしまうのだ。ひどい目に遭ってしまうのだ。やめてくれぇ感がいや増すのだ。

しかし、延々と貼られた伏線は回収の時を迎えてしまう。

あちこちにバラ撒かれた(撒きすぎとも思える)伏線はさすがに今回は19秒では回収はできないが、胸がすく方法で懲悪してくれる。

とてもよくできた映画を見たと言う充足感とともに、エンドロールには「アントワン・フークワ」の文字が。

あー、良かった!

ネタバレを避けているのでこの文章だけでは何の事かわからないと思いますが、とにかく長く事件の起らない前半を我慢して耐えてください。

後半のための蓄えの時間です。

劇場から帰ってネット上のレビューを読んだんですが「悪役が弱すぎ」と言う意見が多いのが残念でした。

そうじゃない。そうじゃないんだよ。「悪役が頭が悪すぎる」だけなんですよ。

弱い相手じゃないんです。デンゼルくんが冷静なだけなのです。

デンゼルくんの、怒りや恐れに屈しない精神を見るべきなのであって、悪者の弱さを指摘するのは見当違いである。

一作目を未見の方は、必ずDVDで予習をしてから観に行くことをお勧めいたします。

観るべし!!




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