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「ゴスペル日記 22」~コンサートツアー後編~

ゴスペル日記 22 ~コンサートツアー後編~


二日目の夜
私たちのクワイヤがメインで歌った。
ステージに置かれた席に着席。 
パスター(牧師)も語りに熱がこもる。
今夜は一体何曲歌っただろう?
とにかくたくさんたくさん歌った。

サービスも終盤に差し掛かり、それなりに収穫のあったツアーだったな~と想っていると、
「CheeseCake!!」 (←15話参照)
マザーが私の名を呼んでる。
呼ばれるままにステージ中ほどのマザーのとこまでいくと
「ジャパンから来た家族の一員だ」と紹介に与った。
そしておもむろにマイクを渡しながら 
「あの曲を歌いなさい」
でっ・出た~~~~!!!
その時々で違う「あの曲」!! 
つーかここでソロかいっ!?
さすがに今日はもうかなり歌っちゃったし、
何を歌っていいかわからなかったので
その前の週にLAの教会でソロをとった曲
「He Looked Beyond My Fault And Saw My Need」
にした。

でも今回はさほど緊張はしなかった。
ディアンとJがオルガンとキーボードでフォローしてくれてたので、
その場の雰囲気に合わせて思いっ切り
曲の後半部分をフェイクしまくりで歌った。
大盛り上がりだった。
しかしそのとき私は調子に乗っていた。
一区切り付いて本来なら終了だが、さらに歌い続けた。
実はこれがゴスペルの醍醐味!
どんどんヒートアップしてクライマックスへと突入する。
ディアンとJも聞いたことないようなカッコイイ和音をかぶせてくる。
実際、自分自身もかなり歌と会場の雰囲気をコントロールできるようになっていたことにその時初めて気付いた。
ゴスペルを通して神を感じた瞬間だった。
少なくともその瞬間、その場に神は降りてきていた。
使ったことないような音・リズム、フレーズが身体の中からどんどん溢れ出てくる。
自分の歌うゴスペルでたくさんの黒人さん達が両手を天に向け、そして涙を流している。
なんて光景だろう。
マザーも感動して涙を流しながら抱きしめてくれた。
嬉しかった。
こんなにみんなと一体となったステージははじめてだった。
割れんばかりの拍手だった。
聖書を天へ向け、一礼してステージをあとにした。

これがゴスペルなんだと思った。
本物のゴスペルが心に刺さった瞬間だった。

こんな経験、人生で何回できるだろうか?
実に貴重な体験であった。

ツアーの帰り道、本当に見事な夕焼けのミズーリの空を見上げる。
ギタリストのパット・メセニーの「Beyond The  Missouri Sky」というアルバムに入っている
「The moon is a harsh mistress」という
https://youtu.be/8cnSs9JXj-k

ステキなギターの曲を思い出した。 
そりゃこの空を見りゃいい曲も浮かぶよな~

そしてその翌日、
夕焼けを鏡のように映して流れるミズーリ川を眺めながら
帰りの飛行機は飛び立った。

そして、途中カジノにも寄ったが、貧乏過ぎて最初に賭けるお金すらなく、スロットを少しやって$20スッて終了・・・。

飛行機の中ではJJとディアンに黒人スラングを教わったがあまりにも汚い言葉なのでここでは割愛します。。笑

っと盛りだくさんの最高のツアーでした。

・・・・・・・・まだまだつづくよ♪

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