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▼北陸への旅▼⑥:北陸新幹線開業に湧く、敦賀へ(後編:日本海の玄関口の凄い街)

北陸新幹線開業を契機に訪れた、福井県敦賀の街。通称・敦賀港線は、なかなか見ごたえ十分な廃線跡でした。(前回はこちら)

前回あるいたルートは、廃線マニア以外の一般の観光客はほとんどいらっしゃらないような場所でしたが(苦笑)、たどり着いた敦賀港駅(金ヶ崎)周辺は、お祭り開催中で人が賑わっていました。ここから、敦賀の街の(表側の)魅力に迫ってみたいと思います。

■お祭りムードに湧く、金ヶ崎

敦賀港駅近く。車で来る観光客が多く、ガードマンさんが出動するほどの賑わい。
ここは、金ケ崎城跡という名跡で、ちょうど「花換まつり」が開かれていました。
新幹線開業との相乗効果か、とても賑わっていました。

桜の花の小枝を交換して愛を確かめ合うという、ロマンチックなお祭りに多くの観光客がのんびり楽しんでいる雰囲気を少し味わいながら、あまり時間が無いのでそのお祭りムードだけを楽しみ(笑)、見つけた場所がこちらです。

金ヶ崎公園駐車場の片隅にあるのが、
旧・敦賀港駅ランプ小屋。
きれいに整備された小屋の中。しかしお祭り会場の片隅に
ひっそりあるので、訪れる人は皆無でした。
なかなかお洒落な展示解説。ランプ小屋とは、この敦賀港駅にやってくる列車の
ランプとその灯油を保管する小屋。法律で駅長が屋内で保管するルールになっていたとか。
明治時代の敦賀港の様子。とても賑やかな場所だったのですね。
当時のランプや灯油の保管状況を再現した場所。
鉄道施設らしく、「建物財産標」もしっかりついていました。
「大正7年 油庫」との標示が。
お祭り期間中ですが、桜の開花はまだ「ちらほら咲き」。
この日の陽気で、ようやく開花が始まったばかり、でした。
敦賀港駅側を望んだところ。貨物列車の営業は廃止されましたが、
今もトラックでのコンテナ輸送基地としてJR貨物が運営しています。
敦賀駅側を望んだところ。古い小屋がまだ残っていますね。

■赤レンガ倉庫へ

今度は、赤レンガ倉庫へ。
小浜線を走った、急行「わかさ」のヘッドマークを付けた
キハ28が保存されています。昔乗った車両、とても懐かしいです。
こちらは、葉原トンネルの扁額のレプリカ。
その説明板。黒田清隆(第2代内閣総理大臣)の揮毫で、
「同盟国の繁栄」と「鉄道が将来にわたり役に立つ」
という意味だそうです。
この赤レンガの建物、今は内部はおしゃれな飲食店になり、
とても賑わっていました。
この建物は、元々「旧紐育(ニューヨーク)スタンダード石油会社倉庫」
として、石油の貯蔵に用いられていたそうです。
よく見ると、右から「紐育スタンダード石油」の文字が。

■敦賀鉄道資料館へ

赤レンガ倉庫から少し歩き、大きな道路を隔てた反対側に、
レトロな建物が。
こちらが、敦賀鉄道資料館。敦賀港駅の駅舎を移設したもの。
入館無料なのがありがたいです。


当時の敦賀港の様子を再現。
外航航路の玄関口だった場所です。
敦賀港100年のあゆみ。欧州に行く玄関口の役割だった時期も。
敦賀からウラジオストック経由でシベリア鉄道に乗り継ぎ、
欧州につながる地図。なかなかロマンがあります。
ヨーロッパ連絡時刻表。日本からは、
下関~プサンか、敦賀~ウラジオ間の船なのですね。
湖西線など、最近の歴史もきちんと展示されています。
赤い字幕「湖西線」の113系は、子供時代によく乗りました。

これを見ると、なぜ敦賀港が衰退したかが一目瞭然。終戦を迎えて、ソ連や北朝鮮に自由に渡航することができなくなってしまい、日本海側の舟運が思うようにできなくなったから、ではないでしょうか。

こちら、欧亜国際連絡列車の萌えキャラさんです。
カニや鴎がいるのも、何だか敦賀っぽいのですね(笑)。
資料館の外から、湾内の海を見たところ。
資料館の前の港には、海上保安庁の船が停泊していました。

■気比神宮へ

敦賀港を堪能したので、さあ、敦賀駅に向かって市街地を歩きます。

敦賀市のカラーマンホール。
バス停には、メーテルの姿が。後ほど出てきますが、
敦賀市には、銀河鉄道999関係の展示がとても多いです。
中学生の絵を題材にしたカラーマンホール。
敦賀の街の魅力が満載でとても良いですね。
もう一つ別のマンホールが。
そして、歩いているうちに、気比神社に到着。
おくのほそ道の風景地となっています。
境内には松尾芭蕉の銅像と句碑が。
といいつつ、時間が無いので、この場所から眺めるだけでした。
なかなか立派な鳥居と社殿です。
境内には、航海の安全を祈念する常夜灯が多かったです。
海岸にある神社は、そういう祈念をする場でもあります。

■敦賀市のシンボルロードの「銀河鉄道999」

敦賀市のシンボルロード。歩道を広くしたのでしょうね。
とはいえ、歩く人はあまり多いとはいえません・・。
そんな街に、松本零士さんが作る、銀河鉄道999の
パブリックアートが点在。
実に多くのアート作品があるのです。
こちらは「ガラスのクレア」という作品。
こちらは、「旅立ち」という作品。
1kmくらいの歩くコースが、面白くて仕方ありません(笑)。
「永遠の星の海へ」
1999年に敦賀港開港100年を記念して、銀河鉄道999のモニュメントを
松本零士先生監修で設置したのだとか。

思わず歩いて眺めたくなる作品の数々。短い時間の滞在でしたが、とても有意義な敦賀の街でした。

■しらさぎ号に乗り、名古屋駅へ

そして、敦賀駅に無事に戻ってきました。
駅前には、新しい拠点施設「otta」が。
なかなか素敵な町でした。
かにめしと焼き鯖寿司の自販機でかにめしを購入し、
しらさぎ号に乗車。
この良い感じのラベルを眺めつつ、
美味しいカニをいただきました。最高!
途中、米原駅で方向転換のために停車。
みんなでシートを回転させる儀式も、何だかこの列車っぽい。
大垣駅。大垣夜行から降りて、
次の電車の座席を確保すべくよくダッシュした思い出が(笑)。
こちらは、岐阜駅。高山本線との乗換駅。
久しぶりに通過です。
尾張一宮駅。名鉄は「新一宮」から「名鉄一宮」に名前を変えたのですね。
そして、終点、名古屋駅に到着。

名古屋までは、在来線でなく、米原から東海道新幹線に乗ったほうが速かったかもしれませんが、久しぶりに東海道線に乗ってみたくて、しらさぎ号でプチ旅気分を味わいました。えらく遠い終点に来た、と思ったら・・、何故か一駅新幹線に乗ると新横浜に帰る、みたいな旅です。これは楽しい!

■(おまけ)名古屋駅を眺めてみる


名古屋駅の北側では、リニア中央新幹線の工事が進展中。
線路の下を掘る作業が本格化しています。
別の角度から。多くの線路が交差する場所での作業です。
名古屋駅の1番線は、閉鎖されてラーメン屋さんになっています。
剥がすと線路が出てきそうな、不思議な空間でラーメンが楽しめます。
こちらがそのラーメン屋さん。
かにめしを食べたばかりだったので、さすがに食べませんでした(笑)。
新型の特急「ひだ」の到着。ここからはただのオタ活(笑)
こちらは、快速「みえ」号。近鉄特急と競う列車ですが、
こちらは2両編成で慎ましく鳥羽駅を結びます。
こちらは、中央線の中津川行き快速。
名古屋の中央線は、東京に負けずと、中京圏屈指の通勤路線です。
高蔵寺を抜けると、山の中に行きますが。

■終わりに

敦賀の街を短時間で回りましたが、とても魅力的な場所でした。新幹線開通を機に、もう少し知名度が上がると良いと思いました。まだまだあまり知られていない場所ですが、とても楽しいスポットも多く、便利になったので、また是非再訪してみたいと思います!

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