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便利さを享受するのも大変だ

先日インフレの悪魔の囁きに背中を押されて新車の契約をした。
納車は年明けごろだろうか。

正確には購入を決めたのは夫だ。
私は運転免許証は所持しているものの、運転は大の苦手だ。
事故は起こしたことがないが、運転している間中緊張がすごくて短時間でもメンタルが壊れそうになる。
これはきっと慣れの問題だ、慣れればできるはずだ、と思い直し
数年前一念発起してリフレッシュ講習を受け1ヶ月ほど都内や旅先で運転をしたが、やはりだめだった。
とにかく怖い。合流怖い追い越し怖いスピード怖い。
高速道路でのろのろして渋滞を起こす迷惑運転そのものだ。
ということで、運転は夫にすべておまかせすることにしている。

そんな状態なので、私は車の運転性能や走行感覚に関しては細かいことは口を出せるはずもなく、車の購入に関しては価格以外夫に全権を委ねた。
一つだけお願いしているのは
『価格で安全性能を妥協しないでほしい』ということだ。

我が家はアウトドアアクティビティのために長時間の車移動をすることが多いのに、
なにしろ私は運転の交代要員として役立たずの極みである。
運転の疲れはまるまる夫に蓄積してしまう。
せめてもの思い出『無理な行程で長時間運転を強行しない、適切に休息を取る』というのは
徹底するようにしているのだが、
さらに重要なことが、
『疲労やストレスを軽減し、安全を高めてくれる機能はちゃんと吟味してつけること』だと思っている。

今乗っている車に買い替えたとき、初めてまともなクルーズコントロール機能のある車になったのだが、これは本当に良かった。夫いわくこのおかげで運転のストレスはものすごく減ったらしい。
今ではこの機能のない車など考えられないそうだ。
可能な限り事故のリスクとなるものを減らし、疲労やストレスなく運転できる機能は絶対に取り入れるべき、とクルーズコントロールの威力を体感し大感動した夫(とそれを聞いた私)は、今後自動車を購入する際には安全をケチらない、と心に刻んだ。
いくら運転には集中力が必要といったって、人間の集中力の維持には限界がある。どうせ車線内を走るだけであれば、機械が補助してうまいことやってくれれば人間の集中力消耗だって減らすことができるのだ。
心からとにかく車が、運転が好き!という人間ではなく、便利な移動の手段として車を利用している我が家にとって必要なのは、やんちゃで癖のある愛されじゃじゃ馬ではなく、気楽に疲れることなく長時間運転できる安定した車だ。

今回の新車購入にあたってディーラーに試乗しに行ったわけだが、これまた夫は感動していた。
選んだ車では、クルーズコントロール機能はさらに改善されて賢くなり使い勝手が良くなっているし、オートブレーキホールド機能もついているという。渋滞時にブレーキを踏み続けて足が疲れる、ということが軽減されるのだ。ついでに電源の車外供給も可能で停電などの緊急時にも役に立つ。
これ疲れるんだよな、ってところが運転支援機能として強化されより便利で快適になっているではないか!(夫談)

今乗っている車が発売されておよそ8年、新車同然のよいものと出会え中古で買って約7年乗ってきた。8年前には随分と良い車だったのだが、この8年の間に、車は確実に進化していた。

手段として使う道具は適切に更新しなければならないな、と痛感させられる。

3年ほど前に、次の買い替えはこれくらいかな、なんて見込んでいた当初の自動車購入予算より随分と高価になってしまったが、物価高騰は仕方のないこと、高いからと言って安全を削ってはならない。
どんどん年を取り若さが失われるからこそ余計に、安全強化や労力の節約にきちんとお金を使わなければならんなと思う。

洗濯機だって、一度使ってみればもはや乾燥機なしの洗濯機を購入することなど考えられない。
便利さというのはいつの間にか更新されているのだ。

わたしが家電のルールとして決めていることが一つある。それは、
「壊れたら買い替え、壊れなくても10年経ったら強制買い替え」だ。

前にも書いたけれど、大物の家電や自動車といった高価なものは
気づいたら10年経っているなどということはよくあることだ。
だがお値段がお値段だけに「でもまだ使えるからなぁ」と買い替えを躊躇しがちである。
そうしてだらだらしているうちに、テレビもオーブンレンジも冷蔵庫もエアコンも自動車も、とんでもなく賢く便利でエコになっているわけだ。
10年一昔とはよくいったもので、科学技術というのは日進月歩。
この10年の進歩が著しい、ということは次の10年はもっと早い変化をするのだろう。

だから決めた。
壊れていない、使える、といったって、世の中は変わる。
「自分は困ってないから」と言って生活を変えないでいたら、ふと気づけばどんどん変わる世の中に追従せず変わらない私が知らず知らずのうちに周囲に迷惑をかけている可能性がある。
最新に常にアンテナを張ってはいられないが、10年を目安に強制アップデートをしよう。


不惑の年を迎え、自分の衰えというものに直面させられることが増えてきた。
10代20代の頃なら当たり前のようにアンテナに引っ掛けて取り入れていた最新の流れを、取りこぼしていると思うことが多々ある。
新しいものを取り入れる積極性や柔軟性も、ちょっとずつ弱くなってきているようだ。

便利は、口を開いて待っていればやってきていつの間にか生活をよくしてくれるものではなく、頑張って追いついて生活に積極的に取り入れていくものなのだなとつくづく思う。

マイナンバーの騒動を見ていると、もっと年を取ったら私もああいうふうによくわからんから反対!というようになるのかなぁとちょっと怖い。
セキュリティーの問題を現段階クリアし、その後も更新し続けなければいけないだろうが、あらゆるものが紐づけば諸手続きが簡素化して役所側にとってもユーザー側にとっても便利だと思うのだが。
マイナンバーを落としたら大変だからだめだ!とか、紙しか使えない人がいるからだめだ!とか、ちょっと何言ってるかわからない。財布落とそうがスマホ落とそうが、落としたら大変という問題はマイナンバーに限らないのに。この複雑化し人材不足が叫ばれる世の中において紙しか使えないほど時代についていけてないなら、マイナンバーカードさえあればどうにかなった方がよっぽど楽だろうに。

まぁ話がちょっとずれたけれど。
世界はよりよくなることを目指して発展しているはずなのだ。
ときには強制的に自分も最先端に持っていくようにしないと。

自分はどんどん年をとる。
せめて新しいものを頭から否定する人間にだけはならないように。

便利さを享受する、それは必要なアップデートだと、老体に鞭打ってちょっと歯を食いしばってやっていこうと思うのだった。

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