落書短編「こんな未来、如何ですか?」

※以下は、2021年11月15日の私のメモに書かれていたものです。

「こんな未来、如何ですか?」

2023年、
ある凄い発明の発表がなされました。

「過去にあなたが書いたネット投稿が、全て電光掲示板のように、外を歩くあなたの周りに表示される」という薬品の発明です。

しかもその薬品は、既に、

2021年に接種した新型コロナワクチンの中に、

ひそかに加えられており、

それが2023年から効いてくる、という発表でした。

街もネットも、騒然となりました。

その後、新型コロナウイルスは、無事終息に至りましたが、
外出したがらないヒトが一定数、出現するようになりました。

多くの人は、問題なく外出し、
良い書き込みをしていた人は逆に、
新たに周囲や社会から讃えられるようにもなってゆきました。

しかし不思議なことに、
ある政党の議員の多くが、なぜか辞職ラッシュとなり、
その支持者も、勤めていた大企業や大きな組織を辞めるヒトが続出しました。

あるテレビ局が彼らを取材に行きましたが、
誰もがカメラに映る事を拒否しました。

あるネットテレビの番組は、
全員から降板の申し出があり、
なりたたなくなりました。

またあるヒトは、
恋愛をしようにも、
かつてネット投稿した文章が、常に自分の周りに表示されてしまうため、
ネット中傷での憂さ晴らしを執拗に繰り返していたそのヒトは、
二度と、恋愛にも踏み出せなくなってしまいました。

またあるヒトは、
子供やパートナー、親、友人などにその書き込みがバレて
一生、信頼や尊敬をされることはなくなりました。

今まで多くが身元開示ができなかったネット中傷も、証明に至り、
「犯人」は次々と公の罰を受けることにもなりました。

こんな未来、如何ですか。?

ネットの匿名アカウントって、本当に保護されるべきものなのでしょうか。?

新たな国会では、
その薬品は、35年経てば自然と効力が消えてゆくため、
そのまま合法的に「放置」されることに、
可決されました。

2021.11.15筆