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「高校入試」読了

「高校入試」湊かなえ著(角川文庫)

この本は、県下一の名門公立高校高校入試の日にとある事件が起こり、先生方があちこち振り回される…という話だ。ミステリー要素のある群像劇だと考えると、少し読みやすくなる。

私が中学生の頃は中高一貫の進学校に通っており、高校入試は形だけ受験した。全く出来なかった記憶があるが、何故か合格した。
しかし、実は私は通っていた学校が嫌いで、「試験に落ちればいいのに」と思っていた。(転校したい一心で、中3の時に北辰会場テストを内緒で受けたりもした。)そういう意味で、私は「ある登場人物」の気持ちが何となく分かる。

いつもため息混じりで面倒臭そうに授業をする先生、言葉の端々の嫌味が鼻につく先生…今だからこそ「先生方にも先生方それぞれに個性がある」と思えるが、当時の未熟な心では、そうは思えなかった。
ただ、月二回の小テストと何だかんだで月に一回はあるテストに振り回された記憶しかない。
勉強が楽しくなったのは、自分で勝手に資格を取るようになってからの話で、この頃の私は「認められた事など一度もない、落伍者」だった。

私がグレなかったのは偶然でしかない。

そんな、黒歴史とでもいうのか、ほろ苦い思い出を思い出した一冊だった。

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