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血まみれ小学生 vol.2

鉄棒からまっさかさまに頭から落ちた小学生の僕。
そのままドッチボールになりました。

僕らのチームは劣勢で、次々にボールに当てられて僕だけが生き残ってしまった。

顔の中央の鼻っぱしに至近距離でボールを当てられた。

けど顔面はセーフという地元のルール。
「顔面セーフ、顔面セーフ」
僕はそう言いながらボールを拾い、自軍の外野にボールを投げた。
敵はまだ7.8人残っている。

ここから奇跡の逆転劇をみんなに見せてやる。

さっきから投げているボールが少し滑っている。
よく見ると、手が血だらけだ。
なんで手に血がついているんだろうと思っていたら、さっきの顔面ボールを食らって鼻血ブーらしい。


血だらけになっても試合を諦めず、戦う、俺。

完全に自分に酔っていた。
血染めのボールをビューと投げ、敵を一人しとめた。
ヨシッ、イケる! 勝てるぞ、この俺が勝利へとみんなを導くぜ!

血と砂の混じったボールを受け取り、投げようとした時に大人の女性の悲鳴が聞こえた。
どっかのクラスの先生が僕の方に来る。
「今すぐ保健室に来なさい」
「いや、でも顔面セーフだから!」
いいから来なさいという言葉に、顔面セーフだからと言い返すが大人の腕力でコートから出された。
テクニカルノックアウト(TKO)で負けてしまった。

保健室についたら顔面を水道でワシワシと洗われ、脱脂綿を鼻に詰められた。
「なにこれっ!」
頭のテッペンのデッカイたんこぶに気づいた先生。
どうしたの? なんで? の問いに、
「…………ボールがぁ……」
とか細く答えた。
絶対に大倉スペシャルの失敗を認めたくなかった。

教室に戻ると午後の授業が始まっていた。
僕は静かに自分の席に戻った。
「やっぱ、痛かったんじゃん」
頭のテッペンのデッカイ絆創膏を見て、後ろの席の審査員の女子に言われた。

そんな事を娘の運動会の時に、鉄棒に寄りかかっていた時にブワァーと思いだした。
娘の徒競走は断トツにビリでした。
やっぱりな、足、遅そうだもんウチの娘。
たぶん、鉄棒も手こずるだろうな。
あっそうだ!
娘に大倉スペシャルを伝授してあげよう。

その娘が書いたイラスト。
良く描けてる


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