G1CLIMAX31 注目カード&優勝予想

 初めましての方は初めまして。360です。プロレス歴は1年と半年。10年と半年ではなく1年と半年です。よろしくお願いします。

 コロナ禍の入りにプロレスをYoutubeの新日公式ユニット歴史動画で知り、そこからはや1年。初めて観たNJCでEVIL事変が起き公式Twitterがバチボコに荒れたり、グッドブラザーズの名前は知ってたけど試合は観たことなかったり、ジェイク・リーが佐藤耕平をノックアウトしてしまい「だ、大丈夫……?」みたいな顔をしているのを公式動画で観たり、自分の創作でもプロレスを題材にしたものを始めたりとプロレスどっぷりの生活を送っていたところ、いつの間にやら自分的には2回目のG1。元々ペーペーとは言え文章畑の人間だったこともあって、ここらでいっちょnoteプロレス部デビューでも飾ってやるかと思い立ち、こうして優勝予想記事を書いている今現在、noteプロレス部のヤングライオンといった感じです。

 新日本の推しは後藤洋央紀ジェイ・ホワイトDOUKIです。よろしくお願い致します。やっていきましょう。

注意:本記事では試合や実力の話だけではなく、一部ケーフェイ・ブッキングなどの要素も取り扱っております。あらかじめご了承の上読んでくださると幸いです。



・Aブロック


 Aブロックの出場選手をおさらいしていきましょう。まずはIWGP世界ヘビー級王者の鷹木信悟。続いて再起を図る飯伏幸太、上記2人と同い年の内藤哲也がラインナップされています。

 続いてCHAOSからお馴染みの矢野通。去年はジェイの優勝決定戦進出を阻んだみんなの鬼門こと石井智宏。鈴木軍からは単身ザック・セイバーJr.が出陣。

 BCから初出場のタンガ・ロア、KENTA、高橋裕二郎と来て、最後にUEからグレート-O-カーンが出陣です。

 昭和57年会が中心となり、華やかで見応えのある試合の数々が予想されるブロックです。中心となるであろう3人の他にも、所謂“格”が通用しない矢野通と石井智宏が構えており、この2人が揃っているだけでも意外性とバラエティ豊かなブロックとなりそうです。


 注目すべきはやはり初登場の2選手、タンガ・ロアオーカーン様です。タンガ・ロアは久々の参戦だったワタリで優勝、さらにテッカーズと鎬を削ったIWGPタッグ戦線での暴れっぷりが記憶に新しく、シングルであのパワーを存分に発揮できれば大物も食いかねない印象を与えてくれます。

 どうしてもタッグであったり乱入屋の印象が残る選手ではありますが、今回のG1がシングルでもやっていけるかどうかというのを図る一つの基準になってくれるのではないでしょうか。上の話は全部介入反則が無いという前提で語られており、普通に介入三昧の可能性は多分にあります。まぁEVILとはブロック分かれてるしこれはこれでOKか(ガバガバ判断)。

 オーカーン様は去年のG1末に新日本に凱旋し、そこからUEの広報として走り回っていましたが、コロナ禍における移動制限やウィル・オスプレイの怪我によって割を食ってしまった印象が強く、去年からタッグやリーグ戦含めて約80試合しか愚民の前に姿を表せておりません。いざ書いてみると結構出てるな。

 あんまり出ていないような印象を受けてしまう原因は「①シンプルに最近あんまり顔見せが無かった」「②前哨戦への帯同が多くシングルが少ない」の2点でしょう。数え間違いでなければ凱旋以降行われたシングルマッチは9試合しか無く、こう書くと多いような気もしますが、うち第一試合が2回。NJCが2試合。棚橋、内藤、天山、オカダ戦はどれも5月以前に行われた試合となっており、なんだか本当に最近顔見て無かった上にシングルが少ないんですね。

 とはいえ期待値が低いかと言われると決してそんなことはなく、ワタリのゴトヨシ戦で見せた戦慄の脇固めや、NJC内藤戦の徹底した足殺し。勝ちこそ逃しましたが矢野劇場に飲み込まれない世界観の強さなど、用意された舞台ごとに毎度新しい驚きを届けてくれる選手ですから、今回のG1でも我々が予想だにしない新たな技術や技を見せてくれるであろうという期待感があります。G1は帝国民待望のシングル連戦ですし、因縁のある矢野、内藤とのマッチアップも控えているため、帝国民以外も注目しておいて損のない選手だと思いますよ。鷹木や飯伏といった強敵相手でもあっと驚くような試合を見せてくれるかもしれない、と期待しています。

 注目カードは「鷹木信悟 vs グレート-O-カーン」「飯伏幸太 vs KENTA」「高橋裕二郎 vs 矢野通」あたりでしょうか。

 「内藤哲也 vs 高橋裕二郎」はかつてのNO LIMIT同士のシングルマッチですし、期待する声は実際多いですが、去年の高橋裕二郎のなんかやってくれそうで結局内容も結果も期待するほど付いて来なかった具合は凄まじいものだったので、私はあまり期待しすぎないでおきます(基本ネガティブ・シンキング)。G1で勝ち越しとまでは行かなくとも3勝くらいしてG1終わった後に1回くらいシングルのメインやるかなと思ったらそんなことはなかった。こんなこと言っておいて内藤が東京ピンプスで食われたら伝説の試合になりますけどね。そんなことがあったら後悔記事を書きます。

 鷹木対オーカーン様は言ってみれば全部オーカーン様にかかっているマッチです。鷹木はどんな試合でもクオリティはある程度お墨付きな印象があるので、オーカーン様がどれほど跳ねるかで試合の跳ね具合も決まってきます。凱旋から一年で早くも世界ヘビーの擬似王座戦となりますね。

 オーカーン様は力づくから関節技まで戦い方が幅広い一方で、シングルの戦績の都合からか終盤の突破力に欠ける印象が強く、G1を通してこの課題を克服して欲しいという気持ちがあります。オカダのツームストンやヒロムのビクトリーロイヤル、棚橋のスープレックスホールドのような、“ここで一気に仕留める!”という時用の象徴的な技が欲しいところです。

 今使ってる『ぶん殴った後自分も勢いそのままフワッと浮くラリアット』も好きなんですけどね。あれは地味に絶技だと思います。アイアンクロー・バックブリーカーもギブアップやレフェリーストップを取ったらフィニッシャーとして定着すると思いますが、やはりここにも上手く繋ぐための重い1発が欲しいという気持ちはありますね。これも地味に凄い技だと思う。

 鷹木は典型的なラストスパート型で、体力が減れば減るほど通常技の威力とすばやさが上がっていくとくせいを持っています。音すらぶっちぎり。オーカーン様がどれくらい鷹木のスピードに食らい付いていけるかが見どころですね。帝国日本代表の奮いどころです。

 飯伏 vs KENTAはG1CLIMAX29の初戦の再戦です。お互いに大きく立ち位置が変わった今、どういった戦いになるのかは単純に興味があります。KENTAはGAME OVERとGTSの二つのフィニッシャーがしっかりとした説得力を持っており、これを打つところまで引きずり込めれば勝つことも全然夢ではありません。海の向こうのBest In The WorldをテメーG2Sは俺のなんじゃ使ってんじゃねぇワレと蹴っ飛ばしに行くためにも、G1ではベストを尽くしたいところ。

 矢野通vs高橋裕二郎はいい試合が見たいというよりも、「これってちゃんとハマるのか!?」という怖いもの見たさ的な側面が大きいです。シングルは調べたところ2016年3月3日、NJCぶりですかね。動画の時間見たら5分37秒って書いてあるんですけど。えっ入退場含めて6分?

 試しに観てみたんですが、まだ高橋裕二郎がスケベキャラで売ってた頃の話ですね。今は何のキャラなんだと言われると困っちゃうな。SHOの親戚のおじさん? 試合自体は裕二郎が入場中の矢野に殴りかかり、パイプ椅子などで暴行を加えますが、リングサイドで調子に乗っていたら下から矢野に金的され、そのままズリ落ちてリングアウト。1分13秒で決着。もうコメントしようが無い。

 ある程度ちゃんと試合をするという前提で語ると……裕二郎は攻めっ気の強いタイプで、自分から攻撃を重ねる事によってじっとりとした低速のペースを作り、相手を勢いに乗らせないまま勝つタイプです。対する矢野はとことん相手にペースを作らせず、矢継ぎ早に要素を用意することによって相手を撹乱し、隙を見せたタイミングで丸め込む戦法を得意としています。両方とも攻撃でペースを作るタイプのため、先に仕掛けた方が有利っぽいのですが、先に仕掛けても金的リングアウトとかあるんですよね。水面下での駆け引きに地味に期待している試合です。

 なんかこじつけみたいになっちゃったぞ。もう一個くらい挙げておこう。あっ鷹木vs矢野も気になりますね。G1CLIMAX29でも当たった2人ですが、北海道での大会だった都合上登別市観光大使の矢野はちょっとサービスした感じがあり、今回は広島サンプラザホールということでお構い無用。それはそれでどうなの。

 鷹木は本気の(本気の?)矢野と戦うのは初めてということになりますが、それを差し置いても矢野は通年変化を続けていますし、なんならまだメットライフドームで大暴れした余韻が残ってたりするかもしれません。髪の色も黒に戻りきってないかも。我が強い男vs押しが強い男。注目です。

 ブロック突破予想なのですが、ここは飯伏幸太でしょう、と予想しておきます。

 思うに飯伏はまだ完全には復調できておらず、G1の中で調子を取り戻していく展開になると思うのですが、開幕から石井、ザック、矢野通とワイルドカード揃いのマッチアップであり、公式戦4試合目は鷹木信悟戦。新日本側としては温存しておきたかったであろう昭和57年会の擬似王者戦であり、ここが飯伏にとっての峠でしょう。ちなみに峠の下りでヤバそうなのは内藤とワイルドカード枠のオーカーン様ですかね。内藤は飯伏相手のシングル3連敗がかかっているので、地味に意地でも勝ちたいところ。

 なお飯伏を覇者に推すのは、単に飯伏の後のなさが私の念頭にあるからです。IWGPヘビー&IWGPICの封印に際し、ファンからバッシングを浴び続けた2月。ウィル・オスプレイの若さと破天荒さに飲み込まれ、傷つきながらも創り上げた時代の象徴をあっさり失った4月。鷹木に挑戦者として指名されるも、急病により復活の兆しさえ指をすり抜けていった7月。神になった後の飯伏の半年間は、心体ともにどん底を味わい続けた半年間でした。これをIWGPの呪いだと揶揄するファンも見受けられました。

 帆はズタズタになり、船首は軋み、船底には穴が開き、船は沈み始めていました。それでも、太陽は船を見捨てませんでした。船の勇気を、重圧を思い、手を差し伸べてくれました。9.4、メットライフドームでのIWGP USヘビー級選手権試合は、ヘビー転向以降の飯伏にとって、「呪いなのではないか」とすら思わせたIWGPの四文字が、飯伏を救った初めての日だったのです。

 この試合があったからこそ、飯伏は改めてIWGPと向き合うことが……とまで書くとエモーショナルすぎるかもしれませんが、少なくともIWGP USヘビーが、棚橋弘至が飯伏幸太に立ち上がる兆しを、チャンスをくれたことは確かです。あの試合は苦難続きだった半年間のお祓いであり、団体の顔としてメインに出られなかったことの懺悔であり、ある意味で棚橋による、「お前はここにいていいんだよ」という肯定のようでもありました。

棚橋はやはりずっと飯伏を肯定したかったのではないでしょうか。「迷わず行けよ」では無いですけど、前に進む飯伏を励まし、肯定することが、先輩としての棚橋弘至がすべきこと、というよりも、“するといい感じになること“だったのかもしれません。

 みんなブーブー言うばっか(「IWGP世界ヘビー、クソダセェよ!」「俺が王者になったら二冠に戻す。飯伏は俺の功績を消そうとしている!!」「俺が王者になったらIWGPの名前なんてついてないベルトに変えてやる!!顔じゃねぇんだよ!!E.V.I.L世界ヘビー級の開幕だコノヤロー!!(※言ってない)」)で賛同の声相当小さかったですからね。ここらで「お前は間違ってなかった!」って言ってあげるのも、戦友として、先輩として優しいことだなぁと思います。こういうこと言ってくれる人が1人くらい居てもいいじゃ無いですか。

 ※実際に誤嚥性肺炎を発症したところまでIWGPの呪いに含むべきか、と言われたら間違いなくNOですが、途中に説明を入れ込むと文章が変になっちゃうのでそのまま流れで書きましたということをここに書いておきます。病気は仕方ないんや。

 チャンスを貰ったからには、その恩に報いるしかありません。このチャンスを逃せば、権利証奪取という分の悪い賭けに出る他なくなってしまいます。権利証奪取は過去に一度だけ。そんな白々しい言い方をするべきではなく、他でもない飯伏が取られているのです。あの髭モジャいじわる28歳に。

 髭モジャいじわる28歳:推し だいすき

 もう一度時代を掴むため、自分の旅路を肯定するために、飯伏はもう一度IWGP世界ヘビーを手に入れる必要があります。そして飯伏は太陽のように、もう一度明けの空に登りつつあります。逆転の飯伏幸太、前人未到のG1CLIMAX3連覇、期待しています。


・Bブロック

 あーあ長くなっちゃった。飯伏だけで書きすぎなんですよマジで。書いた5秒後に読み直しても誇張しすぎな部分があると感じるので本気にしすぎないでくださいね。ここからはササッと行きたい。

 こっちもおさらいしておきましょう。まずは世界ヘビーを落とすもUSヘビー奪取で迫真のV字復活を見せた棚橋弘至。CHAOSからはオカダ・カズチカに加えて、後藤YOSHI-HASHIのいぶし銀熱血コンビ。

 鈴木軍からはタイチがソロ公演に打って出て、ロスインゴからは昨年ファイナリストのSANADA。BCからはバネバネの実の全身バネ人間タマ・トンガ、みんな大好き闇の帝王EVIL、初出場のチェーズ・オーエンズが参戦し、UEからは生まれ変わった鋼鉄(ハガネ)の怪物(ケモノ)、ジェフ・コブがやってきます。

 このブロックで注目すべきは、なんと言ってもオカダのスランプっぷりでしょう。痛い痛い。座布団を投げないで。オカダアンチじゃないですって。

 オカダのスランプに関しては、私が一方的に尊敬しているもるがなさんの記事が簡潔かつ詳しいので、リンクを貼っておきます。第4試合のところです。よんでね。

 念のため自分の言葉でも改めて解説。オカダはレインメーカー封印以降、明らかにスランプ状態に陥っています。元々オカダはレインメーカーをバシバシ撃つタイプだった(※過去の試合を見たりした限りでは)のですが、ちょっとプレミア感が薄れてきたので、NJC2020を機に技の格上げのためにマネークリップを開発。「しめしめ、みんなレインメーカーが恋しくなってきたな」と思い始めたところで、脆弱性が発覚します。これは超単純な脆弱性で、レインメーカーじゃないと倒せないような相手、格下ではない同格の相手が倒せないのです。

 この脆弱性は昨年のG1で明らかになり、タイチや石井は無事に絞め落としますが、元々ほぼ同格だったジェイと飯伏がどうしようもなく、オスプレイにアクシデント負けした都合上6勝3敗となり、同点のジェイと飯伏に直接対決で負けているので決勝進出は叶いませんでした。しかしオカダの気持ちは決勝進出できなかったショックよりも、エセックスからわざわざ連れてきたのに名誉に目が眩んで裏切りやがったオスプレイに向いており、ここではまだ問題は顕在化しません。

 いっちょ黙らせたるか&そろそろ一発やっとくかと絶技レインメーカーでオスプレイを沈め、なんか因縁つけてきたEVILもこれでブッ倒します。なまじ勝ち星がついてきていたのでオカダはどっしり構えていましたが、ここでまた静かに問題が発生。レインメーカーを抜き始めた影響で、同格相手へのマネークリップの説得力がみるみる下がっていったのです。マネークリップは同格をギリギリ落とせるか落とせないかのポジションだったところ到底同格を落とせない技になってしまい、レインメーカーはプレミア感を高めたい都合上抜きにくい。なんとも困った状況に追い込まれてしまいます。


 7月末のジェフ・コブ戦こそエビ固めで事なきを得ますが、NJC&世界ヘビー王者決定戦では曲者鷹木にレインメーカーを完全に読まれてしまい、NJCではシームレスに、世界ヘビー戦では投げっぱなしの“DRAGON“スープレックスから強烈なスライディングラリアットでぶん殴られ、両方ともLotDでピンフォール負け。当時は鷹木のIWGP奪取が衝撃的すぎてオカダのことを考えている余裕はありませんでしたが、今振り返ってみると今後のオカダを決定づけるような試合だったと思います。

 余談:NJCの試合はSHOが解説なのですが、メチャ可愛いのでオススメです。聴く癒し。向こう5~10年は聴けないであろう貴重なタジタジSHOです。

 決定打となったのが9.4のジェフ・コブ戦。ここでもレインメーカーがフィニッシャーとして機能してくれず、完全に読まれてあわや島流し。なんとかレインメーカーを当てたいオカダは雪崩式のパイルドライバーなりネックブリーカーなりを狙いますが、下手に煽ったら下からコブの頭が飛んできてしまい、雪崩式島から正調島でピンフォール負け。というわけで2月のEVIL戦を境にレインメーカーは決まることなく、“レインメーカーが撃ちたくても撃てないRainMaker”が出来上がってしまいました。

 また長くなっちゃった……。とにかく今のオカダはレインメーカーは読み切られて撃てず、マネークリップの威力もちょっと怪しいという、なんともしんどい状況にあるわけです。格ゲーで言うならかなりキツめの修正パッチがかかった状態です。特にレインメーカーのディレイは酷く、ある程度やり込んでいるプレイヤーならジャスガし放題という感じ。とりあえず擦っとけという枠から完全に撃ち損の技に化けたのでオカダ専の上位ランカーはみんなエビ固めで勝ってます。有志Wikiではエビ固めの欄に「こっちが本体」「ShrimpMakerに改名した方がいい」などと散々な書かれようです。

 オカダ専の上位ランカーって何?

 何の話してるんだ俺は。とにかくレインメーカーが溜めに溜めて全然決まらない技として周知されてしまったのはマズく、G1公式戦でもレインメーカーを読まれて敗戦、という負け筋が生まれてしまったのは非常に良くない流れです。プロレスは文脈のエンターテイメントなので、「これが出たら勝つ」という技は出れば勝ちますし、「これは決まらない」という評価をされている技は大体決まりません(例:1発目の天翔十字砲 スープレックス・デラ・ルナ)。

 ようやくG1の話に戻れます。長くてすいませんねホントに。つまり何が言いたいのかというと、「オカダは例年勝ち星をドシドシ積み上げるタイプでしたが、ここでその絶対性が揺らぎ始めているので、今年は勝ち星どれくらい取れるかわからないよ」という事です。流石にだいぶ格の差があるYOSHI-HASHI、タマ、チェーズあたりは大丈夫でしょうが、正直他はどれも勝てるかどうかちょっと怪しいような気がします。

 SANADAは連敗していたとはいえオカダにG1で勝った実績がありますし、棚橋もベルトを手にしてグングン調子を上げています。EVILはこのブロックのワイルドカード枠ですし、後藤洋央紀だって「あの日のリベンジ」に燃えているはずです。2016年7月25日のG1以来のシングルらしいですよ。

 あぁ、オカダの話だけでこんなにスペースを使ってしまった……。とにかくオカダが不調ってことは、他の選手にはその分チャンスがあるってことです。個人的な注目選手はジェフ・コブと棚橋弘至ですね。

 ジェフ・コブは言うまでもなく、オカダを屠ってのG1参戦です。この人はツアー・オブ・ジ・アイランドの絶対的なフィニッシュ・イメージがありますし、割と今どんな選手にも勝てる枠に収まっているのではないでしょうかね。勝ったばかりのオカダに負けるとも思えませんし、鬼門となるのはやはりEVILでしょうか。NJCでは苦渋を飲まされていますからね。割と優勝決定戦までトントン拍子で進んでもおかしくない選手だと思います。

 棚橋はドームメイン勝利からのG1という明らかな上り調子にあり、負け越しだった去年と比べて勝ち越しが見込める状態にあると言って差し支えないでしょう。彼もチャンピオンとして擬似防衛戦を歩む選手なので、そう簡単に負け越すわけには行きません。コンディション次第では優勝決定戦進出も十分にあり得る選手だと思っています。

 私の注目カードはズバリ、「オカダ・カズチカ vs YOSHI-HASHI」「オカダ・カズチカ vs 後藤洋央紀」「ジェフ・コブ vs SANADA」です。

 オカダ対YOSHI-HASHIは2018年7月27日のG1ぶりでしょうか。凱旋以降真逆の道を歩んだと言っても過言ではない2人ですが、周知の通りYOSHI-HASHIの爆発っぷりは近年凄まじく、王座戴冠から常に成長を続けています。2012年1月4日からおよそ10年ぶりのシングルマッチは、2人の10年の歩みと、それに伴う成長を感じられる一戦になるのでは無いでしょうか。

https://njpwworld.com/p/s_series_00188_1_4

余談なんですが凱旋時のオカダはマジで別人なので見たことない人は観てみるといいと思います。そっくりさんって言われて連れてこられたけどあんまり似てない人みたいな感じの顔をしている。顔丸すぎでしょこの時期のオカダ。なんか目元も全然違う。寝不足ですかね。レフェリーに対してメッチャ柄悪いYOSHI-HASHIも見所です。

 オカダ対後藤はもう言うまでもありません。NJC2021でも「オカダともう一度戦って、トラウマを払拭したい」と口にしていた後藤。CHAOSに入団して以降、IWGPヘビーへの挑戦からは縁遠い後藤洋央紀が、シングルで再び頭角を示すチャンスです。これは自分自身何度も繰り返して口にしていることなのですが、G1を優勝してIWGPヘビーを巻いていないのは前にも後にも後藤洋央紀1人なのです(自分の知識が正しければ)。

 NEVER6人戦線では数え切れないほどの名カット・名コンビネーションを見せていましたが、やはりヘビーはずっと夢見てきた目標で、他のタイトルとは別格です。後藤洋央紀がシングル戦線に返り咲くためには、シングルで武勲を立ててそれに相応しい人間だと認めてもらうしかありません。

 後藤洋央紀はIWGPヘビーの度重なる敗北から、大事なところで勝てない善戦マンという印象が強く、ともすれば内藤などにナメられがちなのですが、G1制覇から始まってNEVERはもちろんICも過去に獲得済み、NJCも3度優勝経験がありワタリも2度制覇、IWGPタッグもIWGPジュニアタッグも巻いている新日本屈指のタイトルホルダーです。ちょっと掘り返すとこんな訳分からん実績持ってる選手がヌッと出てくるあたり新日本の層の厚さは凄いなぁと感じ入ります。殿やれます。今のオカダなら見てからガード余裕ですぞ。

 コブ vs SANADAは私が見てみたいだけです。完全に真逆のタイプであり、お互いにカウンターの必殺を持っている(島vs橋)同士、勝敗が読めない戦いになりそうです。特に因縁や歴史は思い当たらないのですが、たまにはこういう「すごい選手 vs すごい選手」のマッチも楽しいもので、G1の本当の素晴らしさというのはこういうただただ凄そうなマッチが見れることだと思います。

 ブロック突破予想は……ジェフ・コブかEVILのどちらかだとは思うのですが……ここはEVILにベットしておきましょう。CHAOSはCHAOS同士で点を食い合い、SANADAはEVILに去年の逆襲をされ、棚橋は東郷の介入で上手いこと飛べず、なんだかんだでEVILが決勝進出という予想です。

 EVILはギミックの都合上不利な相手が存在せず、強いて言うならロスインゴに不利を取られる(理由:なんだかんだでみんな来るので)のですが、流石にSANADAに負けっぱなしではKING OF DARKNESSの名が廃ります。他に仲間が駆けつけてくれそうな感じの人は居ないですし、ハウス・オブ・トーチャーにも期待の新人が加わりましたし、人海戦術で丸〜く勝てると想像しています。墓所のタイタンみたいなただただ強いカードですよねこの人。勝ったやつが正義だ。

 ジェイク・リー:現三冠ヘビー級チャンピオン。勝ったやつが正義の無情なヒールですが、介入はあんまりしない。いろんな勝ったやつが正義の人々。


・優勝予想


 この記事長すぎ。注文したラーメン来るまでの暇つぶしに読んでた人とかもう食べ終わってると思う。

 と言うわけで飯伏 vs EVILが決勝予想となっております。地味にEVILのDARKNESS TURN後は初めての顔合わせなんじゃないでしょうか。飯伏があの紐で首絞められてた記憶ないもんな。

 優勝予想は飯伏幸太でしょう。飯伏が正式に権利を持って鷹木に挑戦。東京ドームのメインで戦うという半年前の約束も自主的に果たして、権利証も無事守り抜くことができ、ドームメインで飯伏再戴冠。飯伏が「なんて遠い遠い回り道……ありがとう……棚橋さん……」と涙ながらにマイクをして「神に……なった!」で〆ようとするも、突如暗転して東京ドームに鳴り響くEvolve。暗転が終わってEVILがEVIL。「飯伏……お前顔じゃねぇんだよ! よく……覚えとけ……」で〆。これですよ……(実家のような安心感)。

 上の段は半分くらい冗談ですが、飯伏優勝は割と本気の予想です。オカダのスランプ問題もあってG1優勝の対抗馬が内藤・SANADAあたりしか思い浮かばないと言うのも大きいのですが、内藤はギリギリまでタッグ戦線に居た都合上イマイチ助走が足りておらず、SANADAはそれに加えて今年のシングルであまりいい結果が残せませんでしたからね。EVILの優勝を切ったのはシンプルにメットライフドームで鷹木とやったばかりというのが大きいです。権利証移動が仮にあるとしてもプッシュされすぎな気がしますしね。

 それを差し置いてもG1三連覇というのは飯伏復活ストーリーとしてはこの上ないピースですし、そのあとスムーズにドーム決戦に繋がることを考えてもこれが最適解だと思います。こうやって書くと私自身がどれほど文脈を大事にする人なのかを我ながら思い知りますね。プロレスというのは常に誰かの物語であるというのが私の個人的な所感で、今回はおそらく飯伏の物語なのだろうな、と心のどこかで思っているところが大きいです。

 長くなりましたが、以上が優勝予想でした。超フツーの硬〜い優勝予想ですいませんという思いです。余計な部分を付け足しまくる癖は直した方がいいですね。

 今年は外国人選手枠が少なくてちょっと寂しい印象も受けますが、逆にこんなG1を観れるのは初めてで最後かもしれませんし、ちょっとビターな味のG1を楽しもうくらいの気持ちで観ていきます。気になる試合があったらまた何か書くかも。

 それではまた。消灯!

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