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自分の小さな「箱」から脱出する方法

著者:アービンジャー インスティチュート

要約

#良好な人間関係の築き方

この本では、自己欺瞞を克服することで良好な人間関係が築けることを主張し、その方法を解説しています。
前提として人間関係で悩む原因は、自分は正しく、相手が間違っていると考えることだと筆者は述べます。
この状況は、単に相手を避難し自分を正当化しているのではなく、自分に対する裏切りでもあるのです。
つまり「本当は自分も間違っているかもしれない」という気持ちを無視し、自分を欺いてしまっているということです。
自己欺瞞をやめると視野が広がり、思いやりを持った行動が起こせるようになります。
そうして良好な人間関係が築けるのです。

#自己欺瞞とは「箱」に入った状態である

この本では、自己欺瞞にあることを「箱」に入った状態だと表現しています。
人は、一度自分の感情を裏切ると箱に入るのだと筆者は述べます。
例えば、仕事が忙しいから子供と遊ばなかった事について、子供のために稼いでいるのだから仕方がないと自分を正当化すると、箱に入ってしまいます。
本当は子どもと遊ぶべきだと思っている自分の感情に背いているからです。
箱に入ると負のループが生まれます。
箱に入ると周囲の人間がそれを察知し、警戒し、その人もまた箱に入ってしまいます。
お互いに箱に入った状態なので、自分を正当化し相手が悪いと考え攻撃的になり、関係が悪化します。

#自己欺瞞の克服法

「箱」から出る方法、つまり、自己欺瞞の克服方法は、他者へ抵抗することをやめることです。
他者の声に耳を傾け、自分に誤りがないかを考えることが必要です。
また、他者の誤りや箱を見つけるのではなく、自分が他者に対して何かしてあげられることを探すことが重要なのです。
さらに、もし、目の前の人が箱に入った問題を抱えている人間だったとしても、非難するべきではありません。
非難したところでその人は変わらず、むしろ悪化します。その上自分も箱に入ってしまいます。

学び

人間関係の悩みの原因は、そもそも自分への裏切りから始まっているんだと気付きました。
原因が人ではなく自分にあると分かれば、意識を変えようと努力できるので気が楽だと思いました。
またこの本を読んでいる途中で、周りの人に反論せず手助けをするだけでは、自分が疲れるのではないか?流石にいい子過ぎるのではないか?と疑問を持ったのですが、いつ何時も他者の間違いを探すのではなく、自分に出来る手助けは何かを考える事で良い人間関係を築き、自分にとっても、気持ちの良い環境を作ることが出来るのだと感じました。

感想

「すべての悩みは対人関係の悩みである」という『嫌われる勇気』でお馴染みのアドラーの有名な言葉がありますが、私も、結局人間関係の悩みが一番のストレスだろうと思っていました。
そんな中この本で述べられた、人間関係の悩みの原因は自己欺瞞であるという視点は新しく、また納得できるものだったので、この考えに出会えてよかったと感じました。
早速、私自身、自分の感情に背く行動をしていたか考えたところ、山のように出てきました。
例えば、掃除を手伝うべきだと考えているのに、頼まれていないからと理由を付けて実践していないことや、Youtubeチャンネルを開設したいと思っているのに、時間がないと理由をつけてやらないでいることです。
自分を裏切った状態であると気付き悲しくなりましたが、自分の本心に素直に従うだけで良いのだと分かったので、取り掛かりやすくなりました。
また他人の為を思った行動だけでなく、単に自分がやりたいと思った行動であっても、その感情を無視してしまうと自己欺瞞に陥ってしまうのだと分かりました。
そして自己欺瞞の「箱」に入ると、無意識のうちにそれが自分の性格だと思い込んでしまい、結果、自分を正当化し周囲との人間関係も悪化していくという最悪な負のループに陥ってしまいます。
自分の本心を見逃さず、すぐに行動に移すことで自己欺瞞を克服したいです。

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