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月曜の夜は

月曜の夜は

おつかれさま

月曜日の私は元気

まだまだやる気あるし
残業だってこなせそうな勢い

この精神状態をずっと保って金曜日まで走り続けられるかな

気持ちに余裕がある時は
決まって帰りはカフェによる
普段考えないこと
考えておくこと
いろんなことを思いながら過ごす

おつかれさま、私

一日過ごしてわかっているのに、
ああ今日月曜日かーって
改めて思い出したら
ちょうど帰るタイミング

さて、帰ろう

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日曜日の過ごし方、私の場合

日曜日の過ごし方、私の場合

いつもより遅く目が覚める
ああ、こんな時間だ

遮光カーテンは常に罪だと思っていて
次の日に予定がないとなると
つい起きるのを忘れてしまう

洗濯機をスイッチオン
洗濯機が洗い終わるまでの時間で掃除を済ますのが目標
拭き掃除をして
掃除機をかけて
床を拭いて

キッチンはリセット済み
お湯を沸かす準備をしておこう

洗濯物を干すのはすでにお日様がこんにちはの時間
これ、真夏だと日焼けする
このゆっ

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大好きだったカフェ、大好きなカフェ

大好きだったカフェ、大好きなカフェ

このロゴを見たのはもう10年以上ぶりかもしれない

オシャレで洗礼されたお店だった
そこに大好きな人とお茶を飲みに行った

お気に入りのお店に
好きな人を誘うって
こんなに心地よいものなんだなって思ったっけ

あの頃は
私はとても輝いてたんじゃないかなって思う

いつの間にかそのお店がなくなって
デートした思い出も記憶の隅の引き出し、奥の方にしまわれていたのに

ふと、最近お店のロゴを見つけた
調

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甘くないよ全然

甘くないよ全然

バレンタインデーだったけど
もうチョコ用意してないんだよね
食べたかった?

バレンタインだからってチョコ用意するのは
昔話だって

今は、チョコレートイベントになってるだけで
購入目的は自分用

最近気づいたんだけど
チョコが好きな人だけがバレンタインに反応してる気がして
チョコに興味なくなってからは
買うことすらなくなった
そんなもん、だよね

とりあえず
チョコ売り場には行ってみたけど
甘く

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久しぶりにカフェにて

久しぶりにカフェにて

甘い思い出もいつの間にか過去に置いてきた
ふと気づけば、
何も思い出せない

カフェの窓から駐車場が見えた
かわいいパステルピンクの車がやってきた
ピンクの車見るなんて、ついてる

恋してる時はピンクを好むんだって

恋なんてしてないけれど
ピンクをかわいいと思う私
いいじゃん
なんだかかわいいケーキ食べたくなってきた

ケーキといえば
私はケーキを食べる時は紅茶を飲むんだけど、
紅茶について思い

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彼との約束

彼との約束

10年後、結婚しよう

そう言って彼は彼女を見送った。
大学卒業の春。

彼女は海外でどうしても仕事をしたくて
でも、彼とは別れたくない
そんな気持ちを抑えながら
彼の言ってくれた言葉を勇気に変えて日本を発つ。

彼は彼女の情熱に影響されて
自分も就職した会社で海外勤務を希望。
ほどなくして海外担当を任されるようになる。

仕事も住む場所も全く違うところで
二人の気持ちはずっと変わらずに育っていた

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6年前彼も私も若かった
今もはっきり覚えている一部始終は
きっと会った瞬間から恋だったんだ

作られた映画ストーリーじゃないけど、私とあなたは必ず再会する。それは来世であっても。

ちゃんと言わなきゃ伝わらないよ?
と大好きな人が初めて私に言った。
好きと言うのは何度も言ってるし、会いたいっても言ってる。
でも改めて言ってみた。
わかってるくせに。

いつのまにか

いつのまにか

いつのまにか月日は流れていた。

また彼とたまに会うことが叶っている。

というか、彼は私を忘れてないから実現している。

彼がどういうつもりなのかとか考えず、会えるなら会いたい。

限りある時間だと思うと、会えるなら会っておきたい。

女心全開。

私はある時期から彼に、好きだという言葉を使うようになった。それを彼は承知しながら、連絡をくれる。

彼はそういう女心をうまく泳がせるのが上手なの

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彼が会いに来てくれたこと

荷物を宅配ボックスに取りに行ってくれたこと

家で一緒にごはん食べたこと

私が作ったのをおいしいって食べてくれたこと

一緒にお風呂入ったこと

思いのほかリラックスしてくれたこと

今でも信じられないから、ゆっくりと思い出しながら過ごす



台風の夜、彼は私を思い出してくれた。
さみしい嵐の夜は彼との会話で過ごせた。
ありがとう。
思い出してくれてありがとう。

一年が経った。
彼は元気なんだろうか。
彼との物語は生まれ変わってからまた改めて。でも途中に何回かは会っておきたいのが本心で、今は会う予定ではないのに思い出している。
レモンパイがやたらおいしくて、やたら切なくなってきた。

空似

ニット帽をおでこ全開で被るとか、脱いだ洋服を丁寧にコンパクトに畳むとか、持っているもの、話し方、歩き方とか。
世の中には顔が同類というだけで、こんなにもいろんなことが似て見えるもんなんだと思う。