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私学適性検査に見る、発達、評価と心理的技法について

冒頭写真:ノートにペン、植物の自然な緑や紫の色。素敵です^^

みなさん、こんにちは。wizです。
もう学校が始まったというところが多いのではないかと思います。
9月1日スタートの学校はうらやましい限り( ;∀;)
あとちょっとゆっくりしてくださいね。

私はとてもばたばたとした夏をおくっておりました。
他県に行くこと3度。
教科研究会、資格勉強会、それとお盆に祖父が亡くなり、急に帰省することにもなりと、通常勤務日よりもばたばたとした約一か月間でした。ある意味では動けるだけ動いた夏となりました。

さて・・・

先週末から学校が始まり、そして今日ついさっき「私学適性検査」を受験してきました。そこで行われた「教職教養」に心理に関する出題があり、復習も兼ねてまとめておくのは有益だろうと思い、記事にすることにしました。よろしければお付き合いください。あ、ただし、問題文そのものは極力掲載しないようにして要点のみとしたいと思います(著作権等がよくわからないので)。

<大問3「発達について」>

1.~6.の各文章を読んで、当てはまる人物を答えよ、という問題でした。

~キーワード~

●発達とは・・・この世に生を受けてから死に至るまでの一連の質的変化を指す。

●1.感覚運動期、前操作期、具体的操作期、形式的操作期
・・・これはJ.Piagetの発達理論。なお形式的操作期は11,12歳以降といわれ、抽象的思考ができるようになり、仮説を立てられるようになるといわれています。
ってことは、小4くらいまではこのあたりの考えがしにくいということになるのか。

●2.発達の最近接領域
・・・このキーワードから出てくる人物はVygotsky。子供一人でできる水準と、大人など他者の支援を受けながらできる水準があるとき、その水準の差を発達の最近接領域という。この理論から、生徒に対して適切な支援をすることが重要だということが言えます。
ただ見守るだけでは不十分。見守りながらしっかり観察し、適当な手助けをしてあげると、その子ができる水準が高くなる(成長できる)ってことですかね。

●3.レディネス,成熟優位説
・・・このキーワードから出てくる人物はGesell。
成熟優位説は、学習優位説を批判するために、Gesellが提唱したもの
個人的な理解から端的にお伝えすると、何でもかんでも早い年齢で学習したらいいというものではなく、心身の成熟によって学習が可能となっていなければ学習効果はありませんよというもの。
なんだか一時期の加熱受験戦争を思い出しました。多少の学習内容先取りはいいと思いますが、とにかく早い時期に詰め込む…。そしてそれがいい学習方法だと信じて疑わない教員…。いたなぁ。

●4.発達に関与する因子は遺伝か環境か。
その折衷案である輻輳説を唱えたのはStern(シュテルン)。ちなみに輻輳とは「集まる」みたいな意味だそうです。なお遺伝説はGesell、環境説はWatsonが代表的である。ここはいろんな説があるので感想は省略。ここを明らかにするために、双生児の研究などをしている人もいますよね。

●5.行動主義心理学の創始者はJ.B.Watson。客観的に観察可能な“行動”のみを対象としたもの。

●6.人生を8つの段階に分けて、それぞれの段階に心理・社会的危機が存在するというものはEriksonのライフサイクルのこと。なお青年期の発達課題は同一性と同一性の拡散。得られる要素は忠誠心という時期です。

そのほか人物選択肢に上がっている人について。
・Jensen・・・4.に関する説に環境閾値説というのがあり、これを提唱した人。遺伝も環境も必要だけど、性質によって環境が与える要因の大きさが違うよねというもの。
・Havighurst・・・エリクソンは人間の発達段階を8つに分けた。ハヴィガーストは6つに分けた人。

<大問5「評価について」>

●ハロー効果
・・・目立つ特徴に引きずられるように、他の特徴についての評価までが歪められる現象のこと。(例:字がきれい→正しく書けてるのではないかと思ってしまう)。
テストやノート提出の確認の時にありがち(^^;)

●ウィンザー効果
・・・直接訴えかけるよりも第三者を介した口コミや情報の方が信頼性が増すという心理状態(例:生徒に直接「すごいね」というよりも、別の先生を介して生徒に「あの先生が君のことをすごいと言っていたよ」と伝えたほうがよさそう)。
あまり意識したことがなかったけど、もし同僚に仲が良い方がいらっしゃる人は、この方法をとってみるのはいいかも。

●ピグマリオン効果
・・・期待をかけられた人は、やる気が上がることによって、その期待通りの成果を出しやすいということ。
これも教育現場ではありそうですよね。

●アンケートで両極端な選択を避け、真ん中あたりの評価を選んでしまう。これをゴルディロックス効果という(この名前は初めて聞いた!)。でもアンケートあるある。

<大問6「心理的技法について」>

・ロジャーズが考案した方法は来談者中心療法(クライエント中心療法、パーソンセンター度アプローチとも)来談者の話をよく傾聴し、来談者自身がどのように感じ、どのように生きていくかに真剣に取り組んでいく。傾聴がキーワード。ただし、「ただ聞けばよい」というものではないことには注意ですね。

・それに対して、クライエントが求めている情報を察知し提供することで成立するカウンセリングを指示的カウンセリングと言い、Williamsonが提唱。学校現場ではこちらが中心ですかね。教員は生徒以上に日々知識の吸収が必要です(特に教科内容以外について!教科勉強したい・・・)。

・その他選択肢に挙がった心的技法(紹介のみ)
 ・アサーション・トレーニング
 ・トークン・エコノミー法
 ・認知療法
 ・ピアカウンセリング
 ・プレイセラピー
 ・マイクロカウンセリング

あとがき

今日私学適性検査を久しぶりに受けて、自分の化学の知識や力を確認できただけでなく、教職教養の問題で心理に関する問題に多く触れることができたのも大きな成果でした。そして何より、心理学の知識が教育現場で役に立つものなんだと確認できたことが本当に大きな収穫でした。最近、心理関連の勉強をしていても、「これ、今後にどう活きるのだろう、どう活かせばいいんだろう」と思っていたところだったので。今後も引き続き心理に関する勉強を続けていくモチベーションにつながりそうです。がんばろー。

追伸
年々理科(だけじゃないかもしれませんが)の受験者が着実に減ってきていました。数年前の半数未満でした!偏差値上位私学はこの検査の受検を、教員採用試験の必須事項にしていないところもある(から、そういうところを受験しようと考えている受験者はこの検査を受けていない)ということもあるかもしれませんが、こういうところからも教員志望者の減少をひしひしと感じました。

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