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30代で心筋梗塞になった男の体験談 9 その後の生活【完結編】

30代で心筋梗塞になった私の体験を綴っています。同じような事が起こった人の参考になるように。健康な人が増えますように。

■手術後の症状

手術では、左腕30センチくらいと、胸30センチくらい切ったので、さすがに傷の痛みはある。また、腕や体を動かすと骨が痛む。そして、なぜか夜になると毎日微熱が出る。

医師いわく、身体を切っていれば熱くらい出る、とのこと。

心臓については、痛みや苦しいといったことは特に感じない。脈は少し早くなった。手術前は平均60くらいだったが、今は70くらいになった。血流が良くなったのだろう。

■手術後の制限

仕事については、医師からは「明日からでもOK」と言われて退院した。しかし、身体の状態を考えると、収入的にどうしても働かないといけない場合を除いて、しばらく休んだほうが懸命である。

日常生活は普通に送ってよいのだが、骨が1ヶ月くらいはくっついていないらしく、水泳など激しい運動をすると骨がズレるそうだ。若い人ほどズレるらしい。無理に動こうとするせいで。

そう聞くと、重たいものも持ちたくない。自信を持ってやれるのは、軽い買い物程度だ。心臓には、毎日散歩くらいはしたほうが良いとされるので、買い物には毎日行っている。

車の運転は、エアバッグの圧に骨が耐えられないから控えるように言われた。私は20年近く無事故無違反だが、こういう時に限ってぶつけるのが世の常なので乗っていない。

全ての行動が可能となるまで3ヶ月、完全に治癒するまでは6ヶ月と言われている。若いので、もう少し早く治ると思いたい。

■現在の生活

これを書いている現在、手術から約3週間が経過したところである。

心臓に異変はない。かと言って、良くなった実感もない。が、以前より良い状態だと医師が言ったのだから、まぁそうなのだろう。

骨もあまり痛みは感じないが、ここにきて腕を動かすと、鎖骨がペキペキ鳴るようになった。ズレていないことを祈るばかりである。

なお、未だに夜は微熱が出る。

そのせいか、だるい、疲れる、そんな毎日だ。大丈夫だけど、元気はないといったところ。

手術の傷跡には、アトファインというテープを貼っている。このシン様にやられたような傷跡がキレイに消えることを願うばかりである。

現在、最大の懸念点は、子どもである。幼児相手の子育てには全く参加できない。ワンパン必至である。

抱っこしてあげたいのに、できないのが辛い。妻にも迷惑をかけて、社会からも家族からも必要とされていないような不安や喪失感に苛まれる。

実際、仕事もしてないし、子育てもしていないのだから、存在意義は無かろう。やや鬱気味である。

老後ならいざ知らず、30代でこの生活は酷である。仕事休んで好きな事できるフォッ!という気分はどこかへ行ってしまった。好きな事をする気力はあまりない。

■今後の治療

今後は、除細動器植え込み手術を行うかどうか検討する。身体に自動AED装置を付ける手術である。

これにより、心臓停止時に勝手に電気ショックが流れるので、1回は死んでもシェンロンに生き返らせてもらえるみたいな状態になるのだが、この装置、IH製品に弱いらしい。

我が家はオール電化。そんな事想定して家建てませんて…。

しかし、デメリットといえばそれくらいのものなので、付けることにはなるのだろう。

■心筋梗塞から学んだこと

6月末に心筋梗塞になって、約2ヶ月半。人生で最も濃い期間を過ごした。

今はただ、毎日心臓が動いている事に感謝しながら生きるのみである。

この世に、心臓が動いていない人はいない。それは当たり前のようで、当たり前ではない。3秒後には心臓が止まるかもしれない。

そう考えると、輝かしい未来というものは空想だ。過去も変えられない。結局、確かなものは、今しかない。

過去に生きず、未来にも生きるな。この瞬間だけを大切に生きろ。それを心臓に教えてもらった。

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■終わりに

心筋梗塞との戦いはまだ続きますが、今回の体験記はこれで終わりです。

自分自身、心筋梗塞になった直後は、これからどうなるか不安で、闘病のブログを読んだりしました。

同じように、今後、心筋梗塞になった人やそのご家族のお役に立てるよう、若くして心筋梗塞になり、運良く助かったという貴重な体験を、なるべくリアルに書くようにしてきました。

ここまで読んでいただきありがとうございました。多くの人の健康を心よりお祈りしています。

おわり

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