ぼんぼん

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母国と演劇

昨年ミュージカルの何かのランキングで1位に輝いた『アナと雪の女王』と、今最もホットな舞台『千と千尋の神隠し』を同じ日に見たところ、あまりにも語りたいことが多いのでここに書き留めたい。 エッセイを書くために始めたnoteだが、今回は感想記ということで。 ネタバレがあるかもしれないので、観る予定の方はご注意願います。 結論から言うと、どちらも日本の演劇・ミュージカル界における大きなターニングポイントだと心から思った。文章が長くなる気しかしないので始めに言っておく。どれだけ文が

    • 小説と記憶

      素敵な小説に出会った。 唯一ハマった小説家と作風が似ていて、素朴だけど人間味があって温かい登場人物たちを、自分だったら見逃しそうな視点から照らしていた。 その小説の主人公は、どこか親近感が湧くものの、自分との共通点は少なかった。彼女が大好きな親友と、環境の変化で離れてしまった切なさと、「これが私にとって全て」といえるものがある真っ直ぐさは、自分の人生経験の中では持ち合わせていない要素だった。 私は趣味も人間関係も、広く浅くでやってきた。習い事は何をやってもそれなりには様

      • 煉獄さんと会議

        先日USJに行った際、不思議なメニューに出会った。『牛鍋&焼きカレーセット』。鬼滅コラボのレストランで、煉獄さんをイメージしたメニューらしい。 メニューには写真も載っているが、どこからどう見ても一人用の鍋と分かるメインの皿と、奥の方に汁物。こちらは味噌汁的なやつだろう。 友人とメニューを見ながら、 「え、焼きカレー?」 「これ鍋やんな?もう1皿別であるってこと?」 「それは多いやろ。この味噌汁も味噌汁やんな…」 「え、じゃあ鍋がカレー風味なんかな?」 と様々な考

        • 黒板掃除とアイデンティティ

          人生で初めて読んだエッセイ本を再読しながら、自分もエッセイとか書いてみたいな~と思い、とりあえずパソコンをカタカタ言わせてみる。 その本を読みながら、ふと自分が初めて書いたエッセイのことを思い出した。小学校6年生の国語の授業で、「随筆」を書く授業があったのだ。今でも内容を結構ハッキリ覚えている。  どんなシチュエーションかは忘れたが、クラス全員で教室を掃除していた。私は重たい机を運ぶのも汚い雑巾を触るのもイヤだったし、見た感じどの担当も人手は足りているように見えたので、誰

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