おっさんずラブ各キャラ視点から見る景色①荒井ちず

この、もっと掘り下げたい、という気持ちはなんなんでしょうね。
黒澤武蔵は「本当の俺を知ってほしい」と言っていましたが、今の私は「本当のアナタを知りたい」。
各話何回も観ていますが、どうしても無意識に思い入れの強いキャラ(私の場合牧)中心で観てるので、偏った見方をしてるかもしれない、と思うようになりました。
ということで、各キャラ視点から物語を追っていってみる、という試みです。
具体的には、考察するキャラ毎にその登場シーンとキャラの目に映る&耳に聞こえてくるものだけを観て、そのキャラの視点からの景色をもって、物語をより深く考察できればと思っています。
そのため、お気に入りのシーンがあっても、そのキャラが出ていなければ割愛。何の苦行。

まずは1人目!主人公の幼馴染・荒井ちず(内田理央)。行ってみよう!!

第一話
「お母さん出て行ったの?」
ちず、最初のセリフです。
飲み会でセクハラおっさん殴ったらそいつが取引先のお偉いさんで、勤務先には守ってもらえるどころか謝って来いとか言われる始末だったので、理不尽やってられるかよ!てなもんで退職したため、現在求職中。
兄鉄平の経営する居酒屋『わんだほう』を手伝っています。
幼馴染の春田が店に飲みに来てます。
生活力ゼロの春田が、母親に家出されてなんだか大変な様子。
ちずは若いイケメン執事と結婚すると決めているので、こんな男はごめんです。
後日、春田がいつものようにわんだほうに飲みに来て話を聞くところによると、なんと会社の男性部長に告白されたとの事!春田が告白されるなんていつぶりだろ!
「やったじゃん!」
「誰かに想われるってありがたいことじゃん」
春田がうにゃうにゃ言ってるんでちょっとからかってやります。
「社内恋愛がいやなの?それとも年上だから?」
「好きになるのに、男も女も関係ない!!」
「あたし、その部長さんを応援する!!」
そして飲みすぎて酔っ払った春田を家まで送ってやります。男前。
家には最近ルームシェアをはじめたという、春田の同僚の牧がいます。ファーストコンタクト。
酔っ払いが「こいつ俺にほれてんだよ~」とかのたまうので一蹴。
牧に「好きでもない人に迫られて困ってるんだって」と、深酒の理由を説明し、とっとと撤収。牧はしっかりしてそうだし、任せて大丈夫そうだわ。ほんとやれやれって感じでした。

第二話
本社がアメリカにある広告代理店への就職が決まりましたーイエア!
これでバリバリ働いて優秀なイケメン執事を雇う夢に一歩前進です。
わんだほうで春田にも報告です。この日は客として店にいる様子。
結婚が遠のくとか言われてシュッシュシュッシュとパンチをお見舞いしてやります。
兄が鯖のヨーグルト煮を持ってきましたが、絶対に食べたくありません。
兄の長渕風弾き語りをバックに、部長との話を聞きます。
特に進展はないというので春田のことはあきらめたのかと思いきや、今は奥さんがいるのでちゃんとするまで待って欲しいと言われているというではありませんか。
「めちゃくちゃ誠実じゃん!!」
「春田のこと大切に想ってる証拠じゃん」
「え、それ、真剣に考えたほうがいいよ」
すると春田が「お前、本当に俺が部長のものになってもいいのか」と聞いてきます。
「えっ…」
一瞬流れる微妙な空気。こ、これは、もしや気付いてなかった恋心に気付いたしゅんか
「だって…玉の輿だよ?」
違ったーーー
そこで春田にメールの着信。
しぶーい顔してるから仕事かと聞いたら違うらしい。
でもなんだか浮かない様子だなーと春田の顔をうかがいます。
翌日。この日は店の手伝いをしています。
わんだほうに牧が一人で飲みにきました。
カウンターで一人焼酎の水割りらしきを飲む牧。なんだか元気ないね?
遅れて春田がやってきます。が、春田はテーブル席へ座り、なんだか険悪な様子。春田にお通しを出しながら
「え、ちょっとなんでこんな険悪なの?」
ストレートに聞くところがちず。
春田が洗濯したばかりのシャツに醤油をつけたからではないらしいので、次は牧に聞きます。
「ねえなにがあったの?」
これに牧が「なにもないですよ」と答えたことで春田がついに口火を切ります。
「なにもないってことはないだろうよ!なんだよさっきの!お前上司相手になにしたかわかってんの?あの場で好きだのなんだのさぁ、冗談もいい加減にしろよ」
酒をあおって牧が答えます。
「冗談なわけないじゃないですか。ほんっとに物分り悪いな…」
「あ゛?!」
「好きなんですよ!わかんないんですか。俺は春田さんが本気で好きなんですよ」
ここでちずの表情映ります。「ええっ…?」って声にならない口の動きとびっくり仰天の表情。
牧が続けます。
「相手が部長だろうがなんだろうが、そんなの関係ないじゃないですか」
ここでちず、はっとした表情をします。
険悪ムードの原因に気付きましたね。どうやらかねてから春田に迫ってた部長に、牧が食ってかかった様子。
「俺そういうつもりで一緒に住んでんじゃねえからな!」
「わかってますよ!それぐらい!」
ここでちず、春田ちょっと言いすぎとばかりに「春田!」と呼びかけます。
でも春田は止まりません。
「え、待て待て、なになになに…俺達さ、会社の同僚なんじゃねえの?え?じゃ何?一緒に住み始めたのもさ、飯とか、掃除とかも、全部そういうつもりだったのかよ!!は?すっげー裏切られた気分だわ!!」
これ、ほんとひどいよね。
「そうですね、すみません。」といい、お金を置いて店を出る牧。
完全に泣いてます。牧の後ろに立っていたちずは気づいたはず。そっと牧の背中を目で追っています。
それでもまだまくしたてようとする春田。
「待てよ!まだ話終わってねえよ!」
ぷっつんです。ちずおこです。部長に牧が何をしたのか具体的にはわかりませんが、まあおそらく春田をめぐって揉め事があったのでしょう。
でもだからといって、好きな人に暴言はかれて目の前で泣いている人がいるのです。おいこら春田ですよ。いけいけ!!
ツカツカ、ばっちん!ちずの右手平手打ち炸裂。
「さいってー!!一緒に暮らそうってあんたの方から言ったんじゃないの?被害者面してるけどさ、好意に甘えてたのはどっちよ?相手を思いやれないあんたに、一緒に暮らす資格なんてないよ?」
そしてちず退場。スカッとジャパンかと思ったわ。ド正論。ちずありがとう。

第三話
わんだほうに春田の会社の面々がやってきてプロジェクトの打ち上げをしています。
兄がすっぱ辛カーニバルカレーを作っている横でちずはカウンター内で皿ふいてます。
オーダーを伝えにきた春田の疲れたアピールが始まりました。
話を聞いてやると、なんと春田に迫っているという部長の奥さんが会社に来たとのこと!
でも春田と部長のことがバレたのではなく、離婚を切り出されただけとのこと。そりゃ理由は全部いえないわと答えると春田は分かっていないので小声で教えてやります。春田の会社の人がいるとこでこんな話大声で出来ません。
「だって、理由を言うってことは、カミングアウトするってことじゃん」
「普通の不倫よりは重いわな」
しかも相手は春田です。ないない!ってなもんで。
ちなみに、2人の間に前話で平手打ちからのド正論説教をかましたときの感じはもうなかったので、この打ち上げまでの間にラインや、店に飲みに来たとかして、あの後牧に謝ったことなどの報告がなされているのだろうと思われます。ほんと仲の良い幼馴染ですね。
グラスの片付けなど、春田をこき使うちず。
まいまいの「二人はお付き合いしてるの?」を否定する春田。ロリで巨乳ちゃんが好きとかほざいてる春田に呆れ顔のちずも「絶対ないです」と全否定。
ここでマロのアピールが始まります。
ほめて伸びるタイプなのであっさり連絡先交換。変にもったいぶったりしない、ちずはそーゆー子です。好印象。
後日、マロがちずを口説きにわんだほうに来てカウンターに座ってます。
そこに春田登場。マロの「いらっしゃいませ~」にクスリとしちゃってます。
二人の会話も、だいぶ打ち解けてる様子。マロが結構プッシュしててデートのお誘いも受けてます。
マロが席外しの間に春田の愚痴が始まります。
また牧と喧嘩したみたい。
「私は痴話喧嘩にしか聞こえなかったけど?」といいながら春田にビールを出してやります。
初見では、え!ちず、あのデコチュー前の言い争い、痴話喧嘩に見えてました?!って思ったんだけど、どうやら今回の武川の乱の話のようでした。
そして春田にマロとの関係を聞かれます。
「えー?なんで妬いてんのー?」
「妬いてねーし!!」
ここだけ切り取ったら普通の少女漫画なんだけどなぁ。
ぷるんぷるんとかやってるときに春田に着信。
痴話喧嘩の相手、牧かと思いきや、どうやら違う様子…。

第四話
天空不動産にて。
ちずは出てきませんが、マロがスパークしておりまして、どうやらちず、夢の国デートの申し出をOKした様子。
ディズニーデートかぁ…遠い昔の話だ…私の話はいらんね。
舞台変わっていつものわんだほう。春田のシャツとネクタイが同じなので、マロにデートOKした日の夜みたいです。
幼馴染春田はまた悩み事が増えてます。まったく以って話題に事欠かない男です。次は別の上司からやたら距離をつめられている!それすなわち
「わかった!春田それ、モテ期だよ!!」
「好かれてるだけ感謝しな」
まあね、そうだけどね。はたから見てたらこの状況は面白いよね。
そして春田からマロとのデート話を聞かれます。ぐちぐち言う春田を
「出かけるくらい普通でしょ?」
「後輩の悪口だ、ちっさ」
「もーうるさいなー」と一蹴。
そして兄から春田にわんだほうリニューアルのための一時閉店報告と閉店パーティのお誘い。
店の一角にライブスペースを作るという嬉しそうな兄を見て、にこにこするちず。
なんじゃそらな兄の歌も、一応きちんと聞いてあげます。いい兄弟だなぁ。
店を出る春田。ちずは自分だけ傘をさして続きます。
ちずは今の店つぶすのは反対だけど、兄が勝手に決めちゃったらしい。
そこで春田から彼女のフリしてとのお願い事。あるある!こういう展開!
いやな予感を即座に察知したり、春田がそばに寄っていたときは一応傘に入れてあげる感じとか、幼馴染感あったよね。
そしてわんだほう閉店パーティ当日。
このとき、ちずは春田に言い寄るという男達が全員集ってる場にいるんだよね。私がちずだったら面白すぎてしょうがない。
でもこの日は春田の彼女のフリをしなければなりません。
童貞臭すら感じる彼女っぽい所作リスト。もちろんちずもドン引きです。
私なら特上タン塩でもイヤかも。そこは幼馴染のよしみ。
ぎこちない指フーフーにマロが激昂しますが、ちず的に別にそれはどうでもいいみたいです。週末デートじゃないのか。ナチュラルに男心を弄んでるぞ。
そして部長の前で雑に春田の口拭くからのハプニングハグ。
あれ?あれ?私…?ちょっとドキッとした…?っていう表情。
マロのヤケクソ感ある「ビール2つ~」に「はーい」と返事してちず退場。
うおおーーこれぞベタ!!!彼女のフリで意識しちゃうやーつ!!
翌日。わんだほうがとんでも展開になります。
なんとタワマン話はウソで、悪徳不動産業者にまんまとだまされてた兄、タダ同然で店を手放すことになり、店の荷物なんかも運び出されちゃう状況に。
住むとこなくなっちゃったちずは、春田家に転がり込みます。
つまり、自宅兼店舗だったわけね。2階建ての建物だったし、2階が居住スペースだったのかな。
「牧くん、ほんと急にごめんね、少しの間泊めて!!」
春田家運営してるのは牧ですから、これは春田が文句言ったってしょーがない。
そして牧のスーパーおもてなしにご満悦です。
「牧くん!ちょっとあんた、プロの執事になれるよ!!」
ちず的最上級の褒め言葉です。なんせイケメン執事雇うの夢ですから。牧、ちずの条件にばっちり当てはまる。えてして恋愛のベクトルとは、うまいことハマらないもんです。
そして牧がお風呂の間にちずと春田の歓談タイム。
春田と牧はお似合いだと春田に告げると、もごもごしながら見つめてくる春田。ここでちずの瞳に動揺が見えました。ハプニングハグのときに感じた解明できない気持ちは忘れていません。ほんで照明もやたらムーディーだしな。
ちょっと変な空気になったので、春田ちょっと切り替えて話題を変えます。いや、あんまり変わってない気もするけど。
政宗と牧には好かれてたわけじゃなかったし、部長にもちゃんと話してくるって言う春田。
「すごいじゃん、春田、成長したじゃん!えらいえらい!」
ドラマ内で描かれてるものだけでいうと、ここでいう成長は、人の気持ちを思いやれるようになったねっていうことなのかな。牧に暴言はいた春田をビンタしたときから比べてって事?
そしてマロからの着信。ちらりと春田を一瞥してから電話に出ようとするちず。両者意識してる感丸出しです。
そこからの腕つかみ→「今出なくてよくね?」ですよ。いつもふにゃふにゃ頼りない幼馴染がですよ。
思わず「う、うん…」と答えてしまうちず。
こっこれは!恋の始まり…!!
ぎこちない冗談の往復をしてから、横取りした春田の部屋へ行きます。
これ、ベッド入ってからも「何なの何なのこの気持ち…!!」って眠れなくなってるやつ!!
そして後日。春田からわんだほうを取り戻した電話を受けます。
牧と兄のボイレコの力であるということを声を大にして言いたいところですが、ちょっと意識し始めた幼馴染が自分の窮地を救ってくれたのです。
泣きながら感謝を伝え、「頼りになるじゃん」なんて、俺とお前の仲だろとか言われて笑みこぼれちゃって、これもう好きになってるやん!いや、だから全て牧と…外野は黙るわ。
うきうきのちずは、ケーキをワンホール買って、ありがとーってお祝いするんだ!って感じで、春田の家に帰ります。
ところが玄関の扉を開いたらそこでは意識し始めてた幼馴染(しかも謎のいい体)が、彼に想いを寄せてる同僚をバックハグですよ!!
頭真っ白ですよ!!そりゃケーキも落とします!!!

第五話
ただいまーって春田家帰ってきたら春田と牧のハグに遭遇。
びっくらこいてケーキ落っことします。
真っ白な頭のフル回転ですから、兄貴に白菜頼まれてたの忘れてた!なんてこと言っちゃいながら家を飛び出します。
そりゃそのまま家に入るとか出来るワケない。
「えっ、何今の、えっ」と動揺しまくりに夜の街を早足で歩くちず。
そしてベンチに腰掛け、「今出なくてよくね?」からのバックハグの回想に大混乱。
「落ち着け、なに動揺してんの私…!!」
動揺しまくりでケーキを取り出します。ケーキはぐちゃぐちゃ。ちずの心と同じです。
感謝の気持ちをこめて買ったケーキ。みんなでお祝いして、楽しい時間になるはずだったのに。
ぐちゃぐちゃのケーキをばくり。「あま…」ちず、せつない…。
後日。オフに夕方自転車で走行中(服装がラフだからオフという解釈です)、春田とばったり出くわします。
春田に家も落ち着いたし、店も再開すると報告します。すでに春田家は出ているという状況でしょう。
マロとのデートは流れたけど、埋め合わせしなきゃなーなんて話しながら一緒に歩きますが、ちず、明らかに春田との接し方に距離感ある。
そして翌日、マロとパンケーキデートです。
つまり、春田と話した後でマロに「こないだの埋め合わせに明日一緒に遊ぼう」的に誘ったってことよね。
インスタ用パンケーキ写真を撮ってるマロに対し、ソッコー食べ始めるちず。そーゆーのちずっぽい。
マロのインスタ誘いでスマホを開くちず。そこには春田からのキメ顔写真のライン。
「うわーキモッ」とか言いながら楽しそうに春田のダメダメポイントをマロに話します。春田の話題でイキイキしてます。そして春田に返信。
ちずのラインには誰といるということが記載されてなかったのに、春田はマロといることを知っていたので、この日にマロとデートするということは伝えていたのね。
春田電話しますが、ちず出ません。
パンケーキ食べ終わってからも止まらないちずの春田トーク。
さすがにどうかと思うぞ。
からの、マロの男前アドバイス。
「俺と会ってるのに春田さんの話ばっかり。もしかして気付いてなかったんですか」
「最後にアドバイス。春田さんみたいな超絶鈍感な人にはドストレートに言わないと一生伝わらないですよ」
マロに取り残され、うなだれるちず。
マロのおかげで、ようやく、ちずが自分の気持ちにはっきりと気付くことが出来ました。
海で春田と落ち合ったちず。
いつもどおり振舞いますが、自分の気持ちを自覚しているちず。
加えてマロのアドバイスが思い起こされ、これをソッコー実行しようとします。
そういうところ、ちずの竹割った感じの性格だよね。
「あのさー春田」
「ちずー」
二人の呼びかけがかぶります。春田に先しゃべるよう促すちず。
なんせこちらは長年の幼馴染に恋心を伝えるという大告白をしようとしているのです。こちらの話をあとにするべきに決まってる。
砂浜にしゃがみ、春田との相合傘を書きながら春田の話を聞きます。
「俺さー、牧と、つき、合ってる」
「…えっ?」
ちず呆然です。これから告白しようとしていた相手に、すでに恋人が出来ていた。
「そうなんだ…良かったじゃん」
春田、付き合いたての牧を傷つけちゃったみたいで…と嘆きます。
でもちず、衝撃で春田の顔をまっすぐに見れません。春田の泣き言へのアドバイスなんて出来る状態ではありません。
「そっかー…付き合ってるんだ。…春田も好きなの?」
「俺はー…まぁ…うん」
春田のこの、牧を思い浮かべて、愛しい思いがあふれちゃった感じの、こぼれた笑顔。
想いを伝える前に、失恋を決定付けてしまう、残酷な笑顔でした。
波に消される砂浜の相合傘。ベタだけど、こういう演出は月9ぽくて好き。
春田に、次はちずの番とばかりに話をうながされますが、「忘れちゃった」ととぼけるちず。せつない。
なんでだよーって海水をかけてふざけてくる春田。応戦しますが、心はそれどころじゃない。辛くて涙があふれます。
それすら、牧からの着信で春田は気付きません。
自分の好きな人の気持ちは、別の人に向いている。私のことは、見てくれないんだ…。
その後のちずの背中の演技がそう物語ってた。おおおーせつないせつない。

第六話
わんだほうにて。へこみまくりのちずはカウンターに突っ伏して、兄に失恋ソングをプレゼントされてます。
ふーられましたーふーられましたー男にふられたーよー
おーまえなんかおーまえなんか忘れてやるからよー
春田に告白する前にフラれた現状を兄に報告した様子。ほんと仲いいな。
「何なんだよお前ー春田のことそんな好きだったら、今まで伝えるチャンス無限にあっただろうが。遅いんだよ」
「うるさいなー気付かなかったの!あーもーこんなことでへこんでる自分にイライラするー」
思い返される春田の牧と付き合ってる宣言。心は沈みます。
いやいや、失恋したんだからへこむのは普通のことだよ、ちず。
見かねた兄が春田に直接言ってやると電話をかけようとします。それはさすがにナイわ。
翌日、仕事の帰りに、スーパーから出てくる牧にばったり遭遇します。
風邪ひいて仕事まで休んでるのに、晩ごはんを作るため、買い物に来ていたという牧。
「完璧だね、牧くんて」
このセリフ、牧のスペックと春田への愛情を感じ、勝ち目ないな…とちずが思っていると解釈できます。
ちずは料理苦手だしね(春田がちずの卵焼きは半分くらい殻入ってるとか牧にしゃべってた)。
ここで、ちず、牧に切り出します。
「ねえ牧くん」
「あたし…春田に告白してもいい?」
「違うの、二人が付き合ってる事は知ってるし、それを邪魔するつもりはないから、全然」
「ただの自己満。自分がすっきりしたいだけなんだ。それ以上、なにかを望んだりすることないから」
明らかに動揺の表情を見せる牧。でも了承します。
「はい。俺は大丈夫ですよ。全然」
「やっぱ…完璧だよ、牧くん。それじゃ」
去り行くちず。
ここは、わざわざ牧に言うかね?!という感想なんかも出てましたね。
でもこれ、ちずは春田が牧を好きな気持ちも知ってるから、完全に負け戦であることを理解してるんです。
でも、ちずの竹割った性格上、戦わずして負けるような、気持ちを飲み込んで何もなかったように幼馴染するのは、違うんだったと思う。
だから、本当にちずのセリフのとおり、二人の仲を邪魔したり、牧を不安にさせるつもりじゃないんだよね。
裏で横取りするようなマネしたくないし、そもそも春田は私を選ばない。だから牧に告白していいか聞いた。
ちずは、牧が自分のこと脅威に思ってるなんてこと、たぶん全然思ってないんだと思う。だって、ちずから見たら牧は自分なんか敵わないくらい完璧なんだもん。
この場面はちょっと色々考えさせられたよね。
そして週末。
わんだほうから、春田に呼び出しの電話をします。
そして店にやってきた春田。ちず超おめかししてる。
ちず、兄にアイコンタクト。兄察して、二人でこんにゃく買いにいかします。
兄の後押しもあり、よし!告白するぞと、決意の表情。恋する女って感じで、とてもかわいいです。
春田とこんにゃく買って、店に戻る途中。春田に聞かれます。
「ちず、なんか用だった?急に電話してきたから」
「やっぱりどうしようかな。春田の顔見たらムカついてきた。悔しいんだよね、負けた気がして」
そして搾り出すように想いを伝えます。
「…すき」
この言い方は絶対にひらがなの“すき”だった!超かわいい。
「だから、春田のことが好きなんだってば」
「うーん、いや、なんだろほんと。ぜんっぜんタイプじゃないし、どっちかっていうと嫌いって思うことも多いんだけど、好きだったみたい」
「…マジか」
「あ、でも別にもう付き合って欲しいとか、そういうんじゃないから。単に、言いたかっただけ」
こんなん涙目で言ってるんですよ、ちずは。聞いてる方は動揺しないわけないよね。
案の定激しく動揺する春田。「そんなん俺だってさ」で、話をさえぎるところがいい女すぎる。
「はい!おしまい!鈍感ボーイはさっさと愛の巣に帰って。牧くん待ってるよ」
あざやかにこんにゃくをひったくり、その場を立ち去ろうとします。
でも春田に引き止められる。涙なんて見せたくなかったのに見られてしまう。
春田に抱きしめられるちず。泣いてることがバレたから。だから涙なんて見せたくなかったのに。バカだけど優しい幼馴染は泣いてるちずをほっとくなんてことできない。
抱きしめられてるのに、表情は失恋した女の子。だから抱きしめ返したりしてない。
でも、少しだけ、春田の胸に顔をうずめます。最初で最後だから、少しだけ。
私、ちず目線で見てたら、このシーン泣いちゃいました。
マックスせつない。
その後の日本一せつない背中などは早送りして、最終話いきます。

最終話
告白から1年後。
告白前とかわらず、春田はわんだほうに飲みに来てます。
牧と別れ、部長と同棲している春田ですが、部長にプロポースされ、結婚が決まったとのこと。
おめでとうを言うも、煮え切らない春田。ごちゃごちゃ言ってます。
そこに兄の恋人まいまい登場。ちずは兄の幸せを願っていますので、恋人が出来て喜んでいます。
「結婚てなに?」とかきかれても「知らん」です。
後日、春田と部長の結婚おめでとうパーティがわんだほうにて開催されます。
春田はマリッジブルーとかなんとか言って、まだうだうだ言ってます。マジいいかげんにしろ、てなもんです。
「OKしたならさ、覚悟決めて前に進むしかないでしょ!」
「いいかげん、ちゃんと応援させてよ」
竹割った性格のちずですから、こーゆーハッキリしないの、たぶんほんとイライラすると思う。
そして、一人店を出る牧。
やっぱりまだ牧は春田のことが好きなんだと、ここで確信したと思います。
だからほっとかず、牧を追いかけ、路上のベンチで一緒に缶ビールを飲みます。
なにも聞いてないのに、パーティを抜け出した言い訳を始める牧に、ちずが切り込みます。
「辛いんでしょ、二人を見てるのが。…私は辛かったよ?」
相手の本音を聞きたいなら、まずは自分の本音から。
ちずの言葉が呼び水になって、牧の抑えてたであろう気持ちがあふれてきます。
ちずと付き合うことになると思ってたこと、春田が好きだから、自分が傷つくのが怖いから、春田と別れたこと。やっぱり牧は別れから1年経った今でも春田のこと本当に大切に想っています。
牧と一緒に大声で春田の悪口(褒め言葉含む)を言います。
この後のちずの言葉は、とてもいい女だった。
「ねえ牧くん。最後に、ちゃんと伝えたほうがいいよ、春田に。今でも好きだって。牧くんには、絶っ対後悔してほしくない!」
1年前告白をしてもいいか問うた相手に、今度は反対に告白しろ、と背中を押すのです。
牧が出て行ってからも春田はちずと付き合っていません。
この理由が牧でないわけありません。春田はちずに、どこまではっきり言ったかはわかりませんが、「俺には牧がいるし」ぐらいのことはさすがに伝えた上で告白を断っていると思うし、また、ちずもそのことはわかっていたこと。
春田が今うじうじしてるのだって、気付いてないだけで牧が心の中にいるからだということもおおよそ予測できているでしょう。
今、牧が気持ちを閉じ込めてしまったら、想いあってる二人の恋が成就しないのです。でもそこまではっきり言わない。ちずだって、春田が好きだったんだもん。
ご親切に橋渡しはしない。でも想いあってる二人の気持ちが埋もれないように、尊重はしてあげたい。
超いい女じゃん。ちず。幸せになって。
いよいよ春田と部長の結婚式。
春田と牧の思いは通じ合わなかったのか。でも、それは、春田が、牧が、決めたことです。ちずは口出ししません。
披露宴の待合に、部長が一人でやってきます。
「ふられちゃった」と笑う部長に皆がかけよります。
少し離れたところから見守るちず。少し微笑みます。
好きだった人は、ちゃんと自分の気持ちに気がついて、幸せをつかみにいったんだ。良かった。そりゃ、ちょっとは悔しいけどね。みたいな!!!
ちずが幸せにならない世界なんてぶち壊してやる!
後日。
ちず、イケメン外国人と仲良く腕を組み帰路についてます。
しかも家事全般受け持ってくれてる様子。もう二人で同棲してる感じですね。
ちずの勤める広告代理店、本社アメリカだもんね!グローバルな出会いがあるよね!伏線になってた!
ちず、理想の彼氏GETだぜ!!ポケモンも祝福してる!!

すごいボリュームになったな。
とにかく、ちずはめっちゃいい女だった。
春田と並ぶくらい鈍感だったけど自分の気持ちに気付いてからは真正面から受け止めて、辛い思いもしたけど、春田を叱ったり牧の背中を押したり、気持ちのいい女だったね。
最後幸せそうで良かった。ありがとうちず。

この考察、牧とかどんなボリュームになるんだろう…。

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