おっさんずラブ各キャラ視点から見る景色⑤武川政宗

各キャラ視線で物語を追うにあたって、基本的に設定は分かってても一旦置いといて考えないようにしてたんですけど、そーすると今回の武川政宗の前半部分って、なんのこっちゃになるので、「牧と昔付き合ってて未練がある」という設定だけは念頭において、見ていきたいと思います。
あとで読み返したら、4・5話あたりでテンションあがりすぎて目も当てられない文章になってたけど、正直な感情なのでそのまま残しました。

第一話
舞台は天空不動産東京第二営業所。
政宗はここで主任として営業業務にあたっています。
活気ある職場。部下達はきびきびと働いています。
そこに黒澤部長がやってきて、ここ東京第二営業所は関東エリアでトップの売り上げをあげたということ。しかし現状に甘んじることなく会社を牽引する存在になろうという部長の言葉で、政宗含め全員の士気が上がります。
ある日のミーティング後、新たに第二営業部へ異動してきたのはかつての恋人、牧。
とはいえ、ここは職場です。政宗はこれまで同様、黒澤部長の下で、部下達をまとめ、真摯に業務にあたります。
現地販売会当日、春田のミスで販売会の準備は牧と二人で行ったようだけど、なにか話とかしたのかな・・・。ここはなにも描写がなかったのでわかりませんが、余裕のある状況ではなかったので、私情は持ち込んでないと思われます。「久しぶりだな」ぐらいは言ったのかな・・・。

第二話
現地販売会翌朝、朝一春田の髪についてるゴミを取ったあとにすぐティッシュらしきもので手を拭いてたので、政宗、潔癖っぽいです。
意見が食い違いまくってる新婚のお客様の内見から帰ってきた春田と話をしながらも、パソコンの周りを掃除してます。やっぱり潔癖。
「家探しで揉めてるようじゃ先が思いやられるな。大体、育った環境が違う他人が、いきなり一緒に暮らすなんて、無理があるんだよ」
結婚について春田に問われた政宗は答えます。
「興味ないな。俺には向いてない。清潔な空間が汚されるのも嫌だし、ていうか、本当に愛し合ってるならわざわざ結婚なんて形にこだわる必要ないだろ」
潔癖確定しました。そして一見政宗の結婚観が語られたように聞こえますが、結婚なんて形にこだわる必要ないっていうのは、いい年した未婚者が何万回問われるかわからない「結婚は?」に対して用意してる鉄板返答なんだろうなぁ。
こーゆーのって、異性愛者であっても、ある程度の年齢になった未婚者なら、それぞれのテンプレ解答があるよね。
ちなみに私は「したいんで、紹介してくださいよぉ」でした。どうでもいいね。
「愛って、なんなんでしょうね」
唐突かつ壮大な春田の疑問。思わず吹き出しながらどうしたのか聞いてやります。
政宗、仕事には厳しそうなキャラなのに、こんな風に部下から仕事以外の雑談をしてもらえるのっていうのは、信頼されてる証だよね。
春田の話すところによると、今まで意識してなかった友人に突然キスされたが、次の日会ったときには何事もなかったかのようにふるまわれたことに対する相手の心理がわからない、と。
一応春田は友達の話なんですけどーとか言ってましたが、なんかもーぺらっぺらで、言っていないと同じレベルだった。
「本気だな」政宗即答。頼りになるぅ。
「そいつも、かーっと盛り上がってキスしたものの、冷静になって考えると順番間違えたなって今頃後悔してるんじゃないのか」
さらに春田は続けます。
「男女じゃないんですよ、男同士なんですよ」政宗眼鏡クイッ!
春田、男子校のノリかもとか言ってますけど、そんなものは一蹴です。
「ノリじゃないな」
まいまいの乱入もあって、春田本人の経験談だということが確定しました。
そして後日。
営業所に突然黒澤部長の妻・蝶子がやってきました。
マロがとんでも失礼対応してるので政宗がソッコーフォローします。政宗も大変だな。お察しします。
まいまいとともに応接スペースで対応しますが、営業所の面々に挨拶に来たとのこと。部長のおかげで、いい雰囲気で仕事させてもらえていますとにこやかに答えてますが、これ、突然なんの訪問なんだって思うと思います。

第三話
後日。営業所内を掃除する政宗。接客用カウンターにお客様情報の記入されたシートが置かれています。というか個人情報そんなとこに置きっぱなしにしないで!天空不動産、結構でかそうな会社だけど、Pマーク取ってないの?
何気なくそのシートを見る政宗。え!これ部長の奥さんやん!今春田が内見対応しているとまいまいが答えます。
「また来てるよ」と言ってたので、やっぱり先日の訪問の意図がいまいち腑に落ちてなかったのかな。
そこでまいまいの名推理炸裂。
「ちーん!別居!離婚!熟年離婚!」
まさか部長のところに限ってと思いましたが、まいまいは政宗の注意も聞かずデカイ声で営業所のみんなに言いふらしてしまいました。
こうなった以上、春田に話を聞かないわけにはいきません。
ミーティング終了後、まいまい・マロとともに春田を囲みこみます。
どんな様子だったか聞くも、春田は部長の奥さんだったと全く気付いていなかった。広めの1LDKを探しているとのことで、どうやら単身者用。
やはり離婚なのか!部長の女性問題か!
「だとしたら相手は誰なんだよ!!」政宗めっちゃ怒っててちょっとびっくりした。
とりあえず、失礼のないよう春田に釘さして話は終了。
そしてこのあたりから政宗の動きが描かれてきます。
あせっている様子の春田、牧のもとにかけ寄ります。
二人の話をさえぎるようにして、牧を呼び出し仕事の修正の指示を出す政宗。
そのあとも距離の近いやり取りをしている二人をジロリと一瞥。政宗の本性見えてきた・・・。牧と春田の関係を怪しんでる・・・。
その晩、春田行きつけの居酒屋わんだほうにてキャンペーンの打ち上げ。
わざわざお皿を持ち上げてテーブルを丁寧に拭いたりして、ここでも潔癖が出てます。今田耕司もこういう席でずっとテーブル拭いてるって聞いたことあるな。
そして距離が近いと思っていた牧と春田が同居していることを知ります。
「楽しそうだな!」と笑ってますが、なんか、怖い。ほら、牧は察知してまずい、みたいな表情してますよ。
そして、牧を店の外に呼び出します。一部しか描写がなかったので、とりあえず描かれているところだけ。
「そういうことです」という牧。
うなずくそぶりをしながらも、政宗は怒りが抑えきれずゴミ箱を蹴って思わず大声が出ます。私はそのゴミ箱になりたい。
「説明になってないだろ!!!」
「・・・すいません」謝る牧。
「そんな報告で通用すると思ってんのか」
「いや、だから、だから・・・」←ここの牧の返答をめっちゃ聞き直したんだけど、これぐらいしか拾えなかった。
妄想タイム始めます。
まず、政宗はなぜ牧を外に呼び出したのかというと、これは間違いなく、春田と同居していることをここで初めて知ったためです。春田との同居を知った瞬間の政宗を見て、牧がヤバイみたいな顔して政宗を見てたし、なにかしら政宗に対して後ろめたさに近い感情を抱いていたものと考えられます。
でも、随分前に別れてて、すでに二人の関係は終わってるはず。なのになぜ牧と春田が同居していることに対して憤ってる政宗と、それにおどおどしてる牧という構図になるのかと考えると、他人同士に戻った二人の間で、やけぼっくいに火がボーボー的展開が始まろうとしていたと解釈できます。なにもなければ牧は「は?俺たちもう別れてますよね?」ってなるでしょ、普通。
これは後々出てくる話だけど、二人が別れた原因は生活リズムのすれ違いによることが原因だった。
牧が同じ職場になったのであれば、その問題はクリアです。
異動になるタイミングの牧の心情は分からないけど、牧のことを忘れられていなかった政宗は、当然復縁を望んだはず。なにかしらアプローチをかけていたと思うんです。牧はこれをきっぱり断ってなかったんだろうなぁ。
牧、春田家に住む前はウィークリーマンションに住んでるって言ってたけど、もし牧の気持ちが政宗Welcomeだったら、異動になったら一緒に住むんじゃない?(後に牧は簡単に政宗のところに転がりこもうとしてた)
仮に、すでに政宗のところに住んでたのをウィークリーマンションって春田に嘘ついてたってなると、政宗の家を出るタイミングで政宗にも嘘ついたことになるし、それはちょっとハードル高くて考えにくい。
復縁脈アリと思ってたのに、蓋をあけてみたら牧は春田と同居している。
おい!これ、どういうことだ!俺たちやり直せるんじゃないのか!てなったのかと。
で、このとき牧はすでに春田ラブですので(先日春田に友達のままでいたいって生殺し状態にされているからちょっとそら揺らいでる状況ではありますけど)、さすがに政宗に期待持たせるような発言はしてないと思う。
で、政宗は、先日春田から「友達だと思ってる男から突然キスされてとまどってる」話を聞いていますので、ここ、自然に繋がります。
政宗本人が言った〔かーっと盛り上がってキスしたものの、冷静になって考えると順番間違えたなって今頃後悔してる〕やつがまさに牧だったのです。
現時点で牧と春田は想い合っていない。それなら、まだ俺にも望みはある?
てことで、政宗は二人の引き離しを模索し始めます。
翌日会社にて、春田がなにやら対応が難しいアポイントを控えていて、心配した牧が同行しようとしているのを阻み、かつ春田を尾行。
そして春田が会社に戻る前に会社に戻ってます。やっぱ足が長いから瞬間移動レベルで行動できるんだわ。執念めいたものを感じる。
意気消沈で会社に戻った春田。おそらく政宗が牧を会社に缶詰にして春田の元へ行けないように仕事をたくさん与えています。って、もしそーならそれ職権乱用だけど!
春田が手伝いを申し出たところで政宗は牧をジロリ。無言の圧力。牧はもちろん気付きます。ここの牧が政宗の視線に気付いたときの表情、すごかった。思わせぶりな態度を取ってた引け目があるから、政宗の圧力を押しのけることができない、みたいな。そしてその表情、しっかり政宗ごしの政宗目線で撮影してる細やかなカメラワークが素晴らしい。
夕方、さすがに政宗と牧の間に流れる不穏な空気に気付いた春田が政宗に切り出します。
「牧のことなんですけど」
「なんかうまくいってないんすかね」
「いや、なんか最近つらそうにしてるから」政宗眼鏡クイッ!これ、一定の〔この動作たまらん層〕へのご褒美なの?私は、ち、ちがうけど?!
「牧がつらいって言ってるのか?」圧がすごい。
さすがの春田も空気読んでそういうわけじゃないんですけどってなんかあせってる。
最後にはいい上司的な雰囲気で場を納めましたが、どーみてもなにかしらの感情が高ぶってらっしゃる様子。
その夜。政宗は登場しませんが、春田家で牧が春田に詰め寄ってる様子からして、春田の「牧つらそうにしてる」発言について、政宗が牧になにかしらの方法でなにか伝えたみたいです。「俺は、お前を苦しめているのか」ってとこかな。政宗目線で見ている現時点で、私の脳みそじゃ牧の気持ちがちょっとわかりませんが、牧がここで春田に怒ってるってことは、政宗にそういう負の感情を抱かせたくなかった、できれば丸く収めたいと思ってたのかなってうっすら思いました。まあこれは牧目線で追ったときに考えてみたいと思います。

第四話
待ってました政宗回。はりきっていきましょう。
牧に「俺はお前を苦しめてるのか」的発信をした翌日の昼休み。
春田が牧に作ってもらったお弁当をありがたみもなく雑に食べてます。ありがたみもなく雑に、というのは私の主観も含まれてます、ごめんなさい。
まいまいやマロの影からこっそり春田を睨む政宗。
まいまいが言うところの「まるで奥さんみたい」に、牧は春田に甲斐甲斐しく手作り弁当を持たせているのか。
そしてっ、ついに政宗が行動に出ます!!
「そこの区分は木造じゃなくて鉄筋だろ」
パソコンに向かう春田を後ろから回り込み、右手では春田の手ごとマウスを操作し、左手では春田の肩をガッツリホールド。か、顔が近い!!うらやま・・・違う違う、そうじゃ、そうじゃない。
「何年使ってんだよ、このソフト」ソフトって、放送禁止用語じゃない?!って錯覚してしまうこのエロスはなんなの!!
政宗の手は緩みません。
しきりに春田を呼び出す、トイレについていきナニかを確認する、やたらと顔を近づける。
責める!あ、いや、攻める政宗!!なんかよくわかんないけどそんな感じ!!
また別の日は、怪我した春田を牧が介抱しているところに、牧に仕事を言いつけ、遠慮する春田の介抱をパワハラ上等でムリヤリ買ってでます。
マキロン鬼ぶっかけ&傷口ピンセットコットンでぎゅうっと攻撃
私、恋愛偏差値2なんでよくわかんないんですけど、怪我の介抱は明らかに春田憎しって心情が理解できるんですが、それまでの攻めはどういうこと?春田が憎いから困らせてやるっていう嫌がらせとか、値踏みとか、あわよくば俺の魅力で春田を魅了して牧とは付き合う展開には持っていかせないぞってこと?魅了されたのはこちらですけど?とにかく、そこんとこどなたかにご教授願いたいですよ。こんな偏差値低いままだったら進学できずに金払って鬼邪高校行くしかないっすよ。
ところ変わって春田行きつけ居酒屋わんだほう。リニューアルする前の閉店パーティーに参加しました。牧と春田がいるんだから、むしろ参加しない理由がわかんないってもんです。
乾杯後、春田にささやく「わんだほう」はヘッドホン推奨です。政宗の「わんだほう」が完全にひらがなの「わんだほう」でツボりますので!
飲み会中、春田と春田の幼馴染女子が、もしかしたらいい感じなんじゃ説浮上します。
やけどしたかもな春田の指に幼馴染女子のフーフーの直後に牧と政宗の表情がフォーカスされてて、このときは牧も政宗も揃ってこの二人もしやいい仲・・・?って表情だったんですけど、マロが文句言い出した後に政宗・牧の順でもう一度フォーカスされて、ここで映る二人の心情が違うのが伝わりすぎて、この役者らすげえな&二人の心理描写をこの無言の演技に託した台本に製作サイドと演者の信頼関係を勝手に感じた胸アツポイントだった。
政宗は、ぐっと酒を煽って、これ攻め時!よしやったろ!って表情。
牧は目の前のシーンをもろに受け止めて完全にショック受けた表情。
ほんで、これは攻め時と判断した政宗の行動がこれですよ!
マロと熱い議論しながら、テーブルの下で牧の手を握りしめます。
シチュエーションもだけど、政宗の握り方がまた、これ、エロい!
逃げようとする牧の手を上から押さえ込みつつ、さわさわと触ってるの!
攻めてる!政宗が強めに攻めてる!!
でも、こんだけ強めに攻めたのに、牧はなびかない。もうあとは直球で想いを伝えるしかありません。
後日、春田のために奔走する牧を、廊下で待ち伏せ、話しかけます。
「牧、お前は今、不毛な恋愛に足をつっこんでる。そう思わないか。完全にお前の片思いなんだろ」
「・・・はい」政宗の言葉をかみしめるように答える牧。
「あっち側の人間を好きになっても、幸せになることなんて絶対にない」
政宗の言葉に重ねるように牧は答えます。
「わかってます。そんなこと、俺が一番わかってます」
「俺なら、あいつと違ってお前を傷つけたりはしない」
「・・・ですね」
そうか、政宗の春田スキンシップは〔こちら側〕の人間かどうか・もしくは成り得るのかどうかのチェックだったのか。私今恋愛偏差値4くらい上がった気がする。
ほんで、俺ならお前を傷つけたりしないって、セリフ、すごくないですか。
このセリフを言うには、自分への鋼のような自信か、相手に主導権握ってもらって自分は完全に従いますな精神か、もうどちらかを持ってないと言えないと思うの。
政宗は完全後者じゃん。そーじゃなきゃ、これまで小細工しないでしょ。
でも、牧は、行ってしまった。
ここの、牧が光に包まれていく感じの演出すごかったね。政宗にしたら、牧が、もう手が届かない対象になっていく・・・、みたいなさ。

第五話
受け入れてもらえなかった自分の気持ち。
くすぶった思いを抱えながらも、翌日はフツーに出社です。大人だもの。
そんな中、社内で偶然見てしまった、牧と春田が仲良さそうに談笑する姿。
ここの二人って意識してるかどうかしらんけど、パーソナルスペース皆無だからね。
牧をお客様対応に回し、芸術的な足ドンで春田をランチに誘います。
この足ドンは国宝級だったため、私、この方のことを政宗様とお呼びしたいのですが、色々と忖度してしまいそうなので、内太ももつねって我慢します。
屋上にて、ベンチに並んで座る春田と政宗様、いや、政宗。
牧の手作り弁当をつつく春田に政宗が前置きなしで切り出します。
「付き合ってるのか」
まさか自分達のこととは思ってなかった春田、現在抱えている案件のことと解釈しますが、政宗「お前と牧だよ」とソッコー切り捨てます。
春田の弁当にはないが、俺のときはサラダ付いてたけどなってあからさまなマウンティング始める政宗。これは、政宗、色々と振り切ってきてます。
ここにきて俺達はルームメイトとか言い出す春田に、たぶんもう完全にタガが外れた。
「じゃあ手を引いてくれ。お前がそばにいるからあいつはいつまでもあきらめきれない」
「あいつ、ホント、俺がいないとダメなんだよ」ああ、ぺらい。このセリフはティッシュペーパーのようにぺらい。見てて痛々しい。
そして政宗の口から語られる牧との馴れ初め。
出会いは牧の入社前4年前、政宗の勤める天空不動産に牧がOB訪問に訪れたとき。なんだかはっきりしない牧にそのときはブチ切れたけど、後日牧の本当の志望理由が自分に憧れてのことだったと知り雪解け、付き合うようになったという経緯。19歳の年の差、かつ新入社員に手を出すってなかなかハードル高いよね。それほどお互い好きだったってことなんだろう。というか大学生牧がキュートの極みなので、政宗が心奪われるのも自然な成り行きにしか思えない。なんだこれ、4年前に撮影してんのか。
まあ、とにかくそーゆー政宗のときメモ感があんまりわかってない春田は「でも別れたんですよね?」とかあっさり聞いてくるんだけど。
別れた原因は、生活のすれ違いが原因だったと説明する政宗。
「しかしもう、あんな過ちを犯したりはしない」ここ!これは最終話までにすっきり回収させてくれ!
そしてここからは目も当てられない現象が!!政宗様が!はあ!土下座をなさるのです!!
「頼む!牧から手を引いてくださぁい!お願いします!」
「俺!俺が!俺が!俺があいつじゃないとダメなんだよ!俺があいつがいないとダメなのー!!お願いしまぁす!お願いしまぁす・・・!!」
はあぁ~、政宗のような人間もこんな風になっちゃうんだもの、恋ってすごいよね・・・。
牧はとっくに春田に向かって進んでるのに、消化しきれない牧への想いが政宗の中に取り残されている。
ちずのセリフに、「すっきりしたいだけ」って言葉があったけど、これ結構真理だと思う。
だから、政宗の中でくすぶり続けてた想いが、よりにもよって恋敵である春田の前で決壊しちゃった。
あああーーー政宗様・・・。
そして後日、政宗は春田から決定的な言葉を聞くことになります。
営業所で、みんなの前で、春田は牧と付き合っていると宣言したのです!!

第六話
営業所にて、春田が牧と付き合ってる宣言。
このとき政宗とアッキーの動きがリンクしてて面白かった。
政宗的には、やっぱり付き合ってんじゃないか!てなもんですよ。ほんでそれ大公開しやがった!って。
春田の宣言が聞き取れなかったという黒澤部長にも「春田が今カミングアウトしました!」と説明。お祝いムードになる社内。
政宗も一応拍手しますが、その後立ち尽くして二人を凝視してる姿からするに、もちろん全然お祝いしてない。
ところが牧は「すいません、俺意味がわからないです」と、とぼけながら会社を出て行きます。
牧に対してどういうことだといわんばかりの表情。
社内は春田の片思いとだったいう結論付けに。春田の同僚たちが各々春田を励まし、最後に春田に対して無言でうなずいてみせる政宗。
政宗は本当は二人は付き合っているであろうことを分かってますから、まあ周りの空気に合わせたって感じですよね。
翌日、牧が体調不良で欠勤です。春田にイヤミをひとつぶつけて、昼休みに牧がいる春田家を突撃訪問です。
スポドリや牧の好きなみかんゼリーなど山盛りの手土産を持って、玄関を開けた牧に対して「うん、上がるぞ」と有無を言わせず家にあがりこみます。
「ちょうど近くに来たから」って、2000%嘘ついてます。
鮮やかな眼鏡はずしからのおでことおでこで熱計るというマイマイの妄想を叶えてくれたところで、本題です。
「なんで否定したんだ。お前ら付き合ってるんだろ」
少し沈黙し、牧が答えます。
「このまま本当に付き合って、春田さん本当に幸せなのかなって思って」
鼻で笑って政宗が言います。
「なんだそれ。自分の幸せより相手の幸せか」なんだそれ、のあとのため息がすごい良かった。全く、お前はお人好しだな、みたいな。
「・・・じゃあな。お大事に」
ああああーーーー切なすぎる!!!
自分の幸せより相手の幸せかっていうのは、たぶん政宗自身にも言ってる言葉のようで。
だから、春田が牧を幸せにできる技量があるのか値踏みしたり、あいつといても幸せになれないって忠告したり。
このシーン以降、政宗は牧にちょっかい出したり、春田にマウンティングしてきたりっていう描写はありません。
まだ牧への気持ちはあるくせに、自分の幸せより相手の幸せを優先し、見守ることにしたのでしょう。
それにしてもここの二人のシーン、昔親密な間柄だった感がにじみ出てて、本当にすごかったな。演技力がパナイ。

最終話
ほどなくして、牧と春田は別れ、牧は春田の家を出ました。
牧と別れたあとの春田は仕事にも影響が出てくるレベルで堕落していっており、その様子を心配そうに見つめる牧を、政宗、めっちゃ見てる・・・。不毛すぎる。
しかし、いつしか春田は黒澤部長と同棲を始め、人間的にかなり成長したきた様子。というか、部長の離婚の原因は春田だったのか!ってなっただろうな。
牧と春田が別れ、その後の様子を見守り続けて1年、転機が訪れます。
春田が上海へ転勤することになり、黒澤部長に早期退職の噂が。
牧・春田・まいまいが上海転勤話をしているところに、その噂を教える政宗。牧に対する「それでいいのか」感。
そんなある日の朝礼時、黒澤部長から春田と結婚することが告げられます。
春田と部長が結婚して、結局牧は自分の気持ちを押し殺してしまうのか。
この1年、春田をこっそり目で追う牧を、政宗は影で見守りつづけていたのだろうと思います。もはや守護霊ポジですよ。
これは政宗もだまってられない。
残業する牧に話しかけます。
「本当にいいのか」
「このまま春田を行かしてしまっていいのかってことだよ」
牧は、政宗の問いの意図を理解していながらも、とぼけます。
「いいに決まってるじゃないですか、仕事ですし」
「よくねえだろ」
「俺には関係ないことなんで」
やはり牧は春田のために、自分の気持ちに蓋をし続けるつもりです。
取り返しのつかないことになってしまうのに!まだこいつはこの期に及んで!
政宗渾身の回転つき壁ドン。どうでもいいけど、壁に打ち付けられた瞬間に左側から一瞬だけ映る牧のゆがんだ表情にとんでもなく興奮しました。
「お前がそうやっていつまでも春田と向き合わないから、俺はお前をあきらめきれない!」
「相手の幸せのためなら自分は引いてもいいとか、どっかのラブソングかよ」
「そんな綺麗ごとじゃねえだろ、恋愛って」
いいセリフだなぁ。
そうだよね、自分の恋愛は、たった一つのもの。なにかになぞらえてするものではありません。自分に芽生えている恋愛感情を、世間に出回ってる説明書通りに取り扱うのは違う。なにが幸せかなんて、100人いたら100通りあるのです。一般論で決め付けてはいけない。
ほんで、ここで政宗もまだ牧のことが好きなんだっていう本音を伝えられてて、本当に良かったと思いました。
あと、第五話で政宗が言ってた、「過ち」っていうのがハッキリ回収されてないんだけど、ヒントがあるとすれば、ここしかないんだよね。
「相手の幸せのために自分が引いた」ということなのかなと。
政宗が最初から牧に未練があった様子からして、離れていったのは牧の方からだったと思うんです。でも別れを切り出したのは、むしろ政宗だったんじゃないかと。
当時牧は入社して間もない新入社員です。しかも将来有望のエリート。仕事、めちゃくちゃ頑張ってやってたと思うんですよね。そんな中生じる二人のすれ違い。お互いとても好き合っていたはずなのにうまくいかなくて、辛かったと思います。だから政宗は「相手の幸せ(将来?)」のために、別れを切り出した、と。完全に妄想ですけど、このあたりでしか落としどころがないんだよなー。
そして結婚が決まった春田と部長をお祝いするパーティーが居酒屋わんだほうにて行われます。
ここでも政宗は牧のために一役買う。
春田をカウンターに呼び出し、告げます。
「まだ牧の心の中には、お前がいる」このしぼりだすような言い方、すごかった。そりゃ恋敵にこんなこと言いたかないよ・・・。
少し間をおいて春田が口を開きます。
「俺が、あいつに、ふられたんすよ」すかさず答える政宗。
「お前のことを考えてな。そういうやつなんだよあいつは」牧への愛情がにじみ出てる語り方だなぁ。
「・・・いやいや、そんないまさら・・・」
そして政宗、核心に迫ります。
「正直、部長のことはどうなんだ。好きなのか」
明らかに動揺しながら、ややキレ気味で春田は返してきます。
「え、いやいや、好きですよ。え、なんすか」
「・・・そうか・・・」
政宗、たぶん状況を正しく理解したものと思えました。
そして春田と部長の結婚式&披露宴当日。
披露宴の待合に現れたのは、黒澤部長ひとり。
「みなさんごめんなさい。ふられちゃった」そう言って笑う部長。
驚きの表情から、思わず部長にかけより抱きつく政宗。
このときの政宗は罪悪感あっただろうな。牧と春田の後押しをしたために、結果的に部長の失恋を生んでしまった。しょうがないことなんだけどね・・・。
結果、牧と春田は無事想いが通じ合うことが出来ました。
そして1ヵ月後、春田は上海に行くことになり、営業所で挨拶をします。
がっしりハグし、激励する政宗。
同日屋上にて、黒澤部長とベンチに並んで座ります。
「部長はもうふっきれたんですか」
「いい思い出になるには、もう少し時間がかかるだろうな。でも、不思議と楽しかったことしか思い出さないんだよな」
「いい恋だったんですね」
「・・・ああ」
「部長にとって最後から何番目の恋ですか?」
「5番目くらいかな」
政宗の手に自分の手を重ねてくる部長。そして笑いあう二人。
ここの政宗は少しの憂いがありながらも、穏やかな表情をしてて、なんかやっと政宗も気持ちに区切りがつけられたんだなあと思った。
大丈夫!政宗幸せになれるよ!!!

いやあ、ちょっと個人的に政宗がツボに入る箇所がゴロゴロありまして、取り乱しました。
描写が少なくて、妄想せざるを得ない部分はありましたが、楽しかったです。終止報われない役だったけど、最後は前向きな感じで終わってくれて、本当に良かった。

次はそんな政宗に想われ続けていた牧を追ってみたいと思います。ああ怖い・・・。

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