オタクのプライドの話

コラボ企業に、ファンも含めて良いコンテンツだと思われたいというオタクのプライドの話。

JILLSTUARTのチークを買いに行った。
普段はシュウとメイベリンを主力にしてる私。ジルのカウンターに行くのはソーシャルゲームA3!とコラボしたあの初日以来、どうやら3年半ぶりらしい。コラボルージュを買ったのが懐かしい。

既に使用しているチーク(※)あるいはそれに近しいさらに使いやすそうな色があれば、とカウンターでBAさんに声をかける。
(※ジルスチュアートブルーム ミックスブラッシュ コンパクトの01 blooming tulip)
「01は既に使ってるんですが、他の色も見て見たくて。」
「既にジルのチークは使ってくださってるんですね。ありがとうございます。チークはちょうどなくなってきたところですか?」
「そんなところです。」
既に使ってる01番、BAさんオススメの20番、私の試してみたい03番がBAさんの腕に乗ると光を反射してきらきらと輝く。そうして鏡の前へ。髪を止められ、ケープをしながらまた会話が始まる。
「チーク以外にも使ってくださってる商品はありますか?」
「リップを。」
「お花型の!」
そもそもリップの方が沢山持ってるくらいだ。コラボのせいで。
「たくさん色があって可愛いですよね。」
「そうなんです。ジルの中でも1番(カラーバリエーションが)多いんです。」
BAさんがカウンターの並びにある花型のルージュを持ってみせる。可愛いくせに邪魔にならないギリギリのデザインが結構気に入ってる。
さて、A3!コラボの話になったのはここからだった。
「実はゲームコラボの時に初めてジルに来て。欲しいルージュがあまり持ってない色味だったので、ついでに合うチークも下さいって頼んで出してもらったのが01番だったんです。」
「そこから使ってくださってるんですか!嬉しいです。じゃあゲームっていうと、A3!ですか?3年前ですね!」
「あっそうです。」
「チークそれから使ってるならなかなか無くならなかったですね…?」
因みにジルのチークはしっかり量がある。
「5色で色味を足し引きできるのが気に入ってて。2.3日に1回使ってたにしてはかなり持ちましたね。」
コンパクトの底が見えるまで随分かかった。コスパの良さ故買う頻度が低くなって申し訳ないくらいだ。またBAさんの話はA3!に戻る。
「あの時他の企業さんとのコラボが初めてで。そのあと毎年ひとつずつコラボしてるんですが、ゲームはA3!だけで。」
「コラボ初だったんですね。」
通りで、ゲームと言ったらA3!だとわかるわけだ。初めてのコラボ先にA3!を選んでくれたことがなんだか嬉しくなって言葉をオウム返しにしてしまう。
「はい。でも…初めてだったからたくさん欠品させてしまって。整理券も作ったけどこんなに来るのかなとか、数もどれくらい用意していいかなとか何も分からなくて。たくさん並んで頂いて、欠品させてしまって…。でも皆さん本当にすごく優しくて、缶バッジだけ確保して、後日取りに来てくれるって仰って。ここの7階まで列ができて…。伝説ですよ!周りのお店の人にも本当によく頑張ったねって褒めて貰えました。伝説です。」
BAさんが一気にそこまで話すのを私はなんだかじんとした気持ちで聞いてた。自分の好きなコンテンツを、コラボ先の企業の人が、喜んでくれてるあるいはポジティブな気持ちで覚えてくれてるって、こんなふうに嬉しいんだなと。
「あれ以来次はどことコラボするのかなあって、楽しみです。」
こんなふうにコラボ先の誰かの記憶にも残るのだから、好きなコンテンツのオタクとして、世間に恥じない人間性でありたいと改めて考える買い物だった。

余談。こんな書きぶりであるとまるでA3!の話だけしてたように聞こえるかもしれないのだが、結局チークは今の01番よりも、似たような色味でラメが入ってる20honey amaryllisにした。BAさんおすすめのカラーである。つまり抜かりなく接客してくださったということだ。プロのプライドを見た。

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