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Tuesdays with Morrie


モリー先生との火曜日という本をご存知だろうか?


ALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病を患ったかつての恩師、モリーからベットサイドで毎週火曜日に人生の意味について語られる「最期の講義」を受けた筆者ミッチ・アルボム。


死について、愛について、家族について、老いについて、、人生とはなんであるかを考え、どう生きたいかを考えさせられる作品。


友人から薦められて読んだ本だけど、私も誰かに是非お薦めしたいと思い、今このように読書感想文的なものを書いている。



生きる事はとても主観的で、自分以外の人生は人から話を聞いたり、映画を観たり、本を読んだりして擬似体験する事しか出来ない。


他人の人生を見聞きする中でインスパイアされたり、また反対に自分が経験してきた事を語る事によって人に影響を与えたりできるって、身近に頻繁に起こることだけど実はものすごい化学反応だと思う。



始終一貫して翻訳が自然で読みやすく(いくつかの翻訳で発行されているみたいだが今回読んだのは別宮貞徳=訳のもの)静かに、だが深く心動かされる深い言葉が沢山詰め込まれていた。


看護師時代にも思っていた事だが、死を身近に感じた人達の言葉はとてつもなく現実味を帯びていてストレートに響く。そして真実味と説得力に溢れている。


作者が恩師のモリーに「もしも健康な一日があったら何がしたいですか」と質問する場面がある。

モリーはこう答える。

「そうだな…朝起きて、体操して、ロールパンと紅茶の美味しい朝食を食べて、水泳に行って友達をお昼に呼ぶ。一度に二、三人にして、みんなの家族のことや、問題を話し合いたいな。お互いどれほど大事な存在かを話すんだ。それから木の繁った庭園に散歩に出かける。その木の色や、鳥を眺め、もうずいぶん目にする事のできなかった自然を体の中に吸収する。夜はみんなと一緒にレストランへ行こう。とびきりのパスタと、鴨とー私は鴨が好物でね。その後は大好きなダンスだ。そこにいる素敵なパートナー全員とくたくたになるまで踊る。そしてうちへ帰って眠る。ぐっすりとね」


この返事に対して筆者は「それだけですか?」と返す。そして、

「それだけ」

とモリーは言うのだ。


なんと簡単でありきたりなこと、と思うかもしれないが

こんなありきたりな一日が申し分ない一日

だと言うモリーの言葉に人生観の全てが集約されている気がした。



今、コロナで死生観や身近な人との関わり、自分にとっての幸せや生き方を見直す大きなターニングポイントであると感じている。


なのでよかったら、読んでみてほしい。モリーの言葉に救われ、共感し、学ぶ部分も多いはずだ。



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