この業界で10年。

高校卒業後すぐに18歳で建築業界に両足を突っ込み、父親がやっている会社(当時従業員6名ほど)でタイル屋一年生をスタートさせました。

朝6時前には出発して都内の現場に到着、朝7時過ぎから仕事を始めて気が付けば夕方。とにかく仕事を早く覚えたい一心でがむしゃらに働きました。

そんな調子で5年ほど経ち、転換機を迎えます。「このまま大手建設現場で仕事を続けていても先は明るくない」誰もが分かってはいるけど目を瞑っていた課題をとうとう無視できなくなった父親が決死の一歩を踏み出します。

突如大手との契約を切り当然路頭に迷うことに。従業員も離れていき最後は父親と僕の2人。タイルだけではこの先ダメだと、外構工事にも活動の幅を広げるために知り合いの外構屋さんに弟子入り(また一年生からのスタート)。

新規取引先を獲得するため1ヶ月原付で走り回ったこともありました。振り返るとこの1ヶ月が10年のキャリアで1番しんどかったです。(営業マンは神様)

1000人規模の大規模な工事現場のタイル屋から戸建町場の外構屋にシフトチェンジし、なんやかんやであっという間に10年。最初はタイルの張り方から始まり工事現場の進め方、納め方、そしてブロック、重機、土間コンクリート、フェンス、カーポート、照明、立水栓、仕事を覚えては新しい課題が生まれる日々、この学び続けなければ死ぬ環境で育ったこともあってか、目一杯仕事をして心地よい疲労感に満たされた夜でも、学びがなかった1日を過ごすとなんとも言えない強迫観念に襲われます。

本当に成長が遅くて嫌になりますが、なんとか運良く生き残っています。3歩進んでは2歩下がるキャリアではありますが、着実に前に進めているからこそ続けられているのかなとも思います。

信頼できる仲間も少しずつ増え、不動産という密かに水面下で進めていた事業もようやく今年から回収期入り、重たい歯車がようやく回りだした感があります。回りだすまでが大変で、ここからは勢いに乗ってグイグイいきたいと思います。


建築業界で職人として生きていくにはある程度限界ラインが存在していて、稼げる額はもちろんですがそのピークを迎えるのも早いです。肉体労働ですから当然です。

僕個人の課題として、『腕の良い職人を定義する』というの掲げています。100m走や英検と違って、職人の腕の良さは数字では現れません。腕が良ければ稼げるというわけではないので稼ぎで測ることもできない。じゃあ何で可視化するのか、これはあくまで仮説ですが、『予算と工期をどれだけ確保できるか』で定義できるのではないかと思っています。

仕事のクオリティを高めるには技術はもちろんドレスコードで、鍵になるのは予算と工期。
成熟し体力のある若いうちは予算と工期のない仕事でもクオリティを担保できますが、歳をとるとそうはいかない。薄利多売ゲームから抜け出せずに体を壊す未来が目に見えている。

予算と工期があればより良い仕事ができる = 歳を取ってもクオリティを保てるし、自分の部下でもクオリティを保てる = 腕の良い職人

とまあこんな感じで導き出した仮説ですが、検証するには少し時間がかかりそう。気長にやります。


僕はこれからどんなチャンスに出会い、打席に立ち、どれだけ結果を残せるのか。日々の継続学習を怠らず、意思決定力を磨き、難題に立ち向かう為の仲間を増やし、そしてきっとあっという間に終わってしまうであろう現役時代を、毎日精魂込めて生き、毎晩泥のように眠り、後悔のないよう生きたいと思います。

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