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犬のチロのおはなし(カフェやってます)

ボクは、チロっていう犬です。
ボクのお家は、お店をやっています。
人間の方々は、カフェって呼んでいます。
パパとママは、朝、お家の用事を済ませて、ボクと一緒にお店に出勤します。
ママが美味しいケーキを作っています。ママの煎れる珈琲は、"格別"って、お客さんがいうけど、"格別ってなんだ?"
お店が開くと、ママさんグループが入ってきます。
赤ちゃんとか小さいおねぇちゃんとかおにいちゃんとか。
あっ、ヒロくんも、よく来てくれます。
ママさん達は、幼稚園の帰りに寄っているみたいです。

最近かな。お腹の大きいおねぇさんがひとりでよくお店に、くるようになりました。

榊原郁恵さんに似ている感じのかわいらしい人です。
なんでボクが榊原郁恵さんを知ってるかというと、パパのお父さんのスマホの待受けで、見たからです。

このおねぇさんは、いつもチーズケーキと紅茶を注文します。

ママは、このおねぇさんに話かけています。
"何ヶ月になるのかな?"
"8ヶ月です"
"そうなの。ちょうど、8月くらいに出産予定なのかな?"
"そうですね。母が、実家から来てくれるから、楽しみにしています。"
"どこなの?ご実家は?"
"広島です"
"そーなの?私も、広島出身なのよ。"
"そーなんですか?"急に、オネェさんの顔がパッと明るくなった。

それからしばらく、ママはそのおねぇさんとお話してた。

パパはママの様子を見てて、ボクに話かけてきた。
"ママは今は、店員さんをお願いできない感じだね"って。にっこりしてた。
"そーだね"ってボクは、パパの顔を、見上げた。

おねぇさんは、最初はなんか寂しいそうだったけど、ママと話してから、ずっと笑顔だった。

帰り際、"楽しかったです。またママさんとお話したいです"
"チロ、またね、"ってボクの頭をなでてくれた。
"また来んさいね"って、ママは店先まで見送っていた。
"また来てくれるかな?おねぇさん"

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